名前の大切さ / Name – How important it is

冬になると、モスクワの街中のいたるところでIlluminationが咲き乱れます。ここではロシアのシンボルでもある聖ヴァシリー聖堂が煌々と行き交う人々を照らしています。


ロシア人の名前には名前、性に加えて父親の名前から作成される「父性」が存在する。名前に父性を付けて呼びかける時は、より目上の人や距離がある人に対して使う言葉。通常、仕事では社内の言葉は英語のため、Anna, Sergey,といった風に名前で呼び合う。(より親しい間柄の場合には、AnnaAnnyaSergeySeryozha、のように砕けた表現があるけれども今回のテーマからは対象外)ただ、時としてお互いの意見がぶつかったり、理解し合えず埒が明かないこと、いい加減にしてくれよ全く、なんて言いたくなる時がある。そんな時、かしこまった言い方でAnna Alexandrovna Sergey Ivanovich!といったように名前+父性で相手に呼びかけることも一つ効果的ではないでしょうか。

仕事では名前+性をセットで使うことが多く、各人の父性まで覚えきれていないのですが、ここぞという時に、「ねえ、ちょっとお願いだから聞いてください、Anna Alexandrovna。」と言われたらロシア人スタッフはきっとあなたのことを「おおっ、この人はロシアを分かっている。」といって態度が変わるかもしれないですね。

ロシア人とビジネス上の関係で、かつお互いに距離がある場合には、ビジネスメールは名前+父性はセットで書き出したほうがこちらのリスペクトが伝わり相手への印象も良いでしょう。

また、子供が何度言われても親の言うことを聞かない時、親は一言「Anna Ivanovna!!」と。いつもは「Anochka」といった優しい言葉で呼びかけていたのに、そんな風にかしこまって呼びかけることがある。

見知らぬ人とでも、会話を初めてすぐに、「あなたの名前は何というのですか?(Как вас зовут?」と尋ねられて、そこから名前を相手に呼び掛けて会話が続くことも多い。

ロシアで仕事をしていると、我々が持っている名前というものの大切さを何だか感じさせられる機会が日本以上に感じられるのではないでしょうか。

お土産ばなし / Souvenir


つい二週間前まではモスクワはこんな綺麗な紅葉が広がっていたのだが…FIFAワールドカップの会場となったLuzhniki stadiumを向こうに見て。今は最低気温見込みにマイナスがみられるようになり、すっかり冬の様子に様変わり。どよんとした天気が続く、タフな季節がやってきた。


会社では、休暇や出張からスタッフが戻ってくると、「Dear colleagues, TurkeyからのSweetsを楽しんで!」、「ドイツからのチョコレートをどうぞ、早い者勝ち!」、「Japanからのお土産がみんなを待ってるよ!」といったメールが飛んでくる。そうすると、多くのスタッフが仕事の手をパタリと止めて、バタッと立ち上がり、ドタバタとお土産が置かれている方向へ向かってゆく。そして談笑が始まる。日頃うるさいことを言っている身でもあるゆえ、どんなお土産を買ってスタッフに喜んでもらえるか?これは自分自身にとって重要なテーマ。

社員向けのお土産
以前は日本に一時帰国の際には高級な和菓子とか、駅・デパートなどで販売されている有名なお菓子を購入していたけれど、今はそうではなく、自分の大好きなお菓子や一般のスーパーで売っているスナック菓子類を大量に買い込んでいる。日本のお菓子は安くていながら品質が高い。パッケージも可愛らしくて本当に素晴らしい。日本にいる時には好んで食べていたお菓子も多く懐かしい。スーツケースがかさばるのは難点だけれど、スタッフに喜んでもらえる顔を想像しながらわくわくしながらポイポイと買い物籠に放り込む。
どうしても距離が開いてしまう日本人とロシア人スタッフとの距離。ただ単に日本の美味しい食の文化を利用するだけではなく、そこに自分のStoryを織り込むことでよりスタッフとの距離感を縮めることに役立てると感じている。「いろいろと美味しいお菓子があるけれど、これは自分が子供の頃から特に好きで食べているもので、田舎のじいちゃん、ばあちゃんのところに出かけた時にはいつも買っていたんだ」「この駄菓子は子供のころ少ないお小遣いから出してよく学校帰りに帰っていて、何十年も日本で売られている有名なお菓子なんだよ」とか。以前は、何も言わずに酸っぱい梅干しを振舞ってみたところ、食堂からスタッフの悲鳴が聞こえてきた。この時には思わず「やった!」と心に中で叫んでいた。申し訳なかったけど、これもまた一つありかと。

”The noblest art is that of making others happy” ― Phineas Taylor Barnum

個人用のお土産
ロシア人スタッフがプライベートのお土産として日本から購入してくるものは人それぞれである中で、面白いなと思ったのはビニール傘。コンビニエンスストアで売っている540円(税込8%)ほどの傘を3本とかまとめて購入しているスタッフがいた。なぜ?と聞くと、ロシアではこれだけ品質の高い傘をこれだけ安く購入することはできないので、家族の分も含めて買ってゆくのだとか。日本では突発的な雨に降られてコンビニに駆け込み、ビニール傘を購入し、雨が止むと捨ててしまう人もいるけれど、そんな程度にしか価値を認められていないビニール傘がこれだけロシア人に認められているのかと知って新鮮な気持ちになった。
今度日本へ出張に出かけるスタッフの出張申請をチェックしたところ、同じ航空会社だが高いチケットを申請してきたので、なぜ?と。「日本に出張したら家族の分のお土産も購入しなければいけないので、スーツケースの持ち込みが多く許されるチケットが必要なんだ」だとか。
なんだかそんなことを素直に言ってくるスタッフの家族思いを知って、出張ルールをリマインドするどころか微笑んでしまった。

人事評価で一番大切なもの / The most important thing for Evaluation

仕事で出かけたモスクワ郊外の本日の様子。車窓から撮影した一光景。今日は仕事に戻るのが嫌になるくらいとても良い天気だった。


仕事に人事評価で一番大切なものは?と聞かれたらどんな答えが出てくるだろうか?しっかりとした人事評価システムの構築、評価制度の説明ガイダンスの設定、評価マニュアルの作成と対象者全員への配布、評価者研修による評価者のレベルアップ、スタッフとのコミュニケーション、信頼関係の構築などなど…いずれもが大切でどれかを一番、ということはできない。そもそも、ロシアでネットやアマゾンを眺めていても、今の世の中では評価制度自体の意義に疑いの目が向けられ、半年・年に一回の評価制度そのものを見直す、という動きが世界的に起こっていることを見ている。日本の大会社でガッツリと根付いた制度そのものを見直すことを考えると、その労力は想像を絶する。簡単ではない。今ある制度は決して悪いものではないのだから、それをいかに有意義にできるか?まずはそこから考えることが一番現実的で有効に違いない。

ロシアでの人事評価

ロシアに来てからの当初は毎回の評価でスタッフとお互いに理解し合えない終わり無き評価面談を繰り返してきた。それにしても、ロシアに来て早々に人事評価を担当。こんな30代で部下を持ったこと、人の評価すら人生で一度たりともしたことの無い人間によく評価をやらせるなぁ…と思った記憶がある。本社からすれば若手の訓練を積ませる実践の場。聞こえは良いけれど、日本人、ロシア人、同じ人間。彼らにだって大切な家族があり自分の将来を考えている。どんなに会社の規模が小さかろうと連結決算上の売上規模が0.1%であろうと、評価の重みはどこでも同じなはずで、自分の行う評価の重みをよくズシッと感じなければならないのだろう。日本での評価経験は課長でもその中でグループ長に就かなければ経験がつめないのだろうけれど、若くしてロシアでこの経験が積める機会があることにいつも感謝している。日本よりもロシア人スタッフの評価をするほうがずっとタフではないだろうか。おそらく、日本の大会社における人事制度はすでに大多数の人間が諦めているか、形式的にこなしている(?)ためか、それほど苦労もせずに淡々とこなすマネジャーが多いのでは…と失礼ながら想像している。こちらのロシアの会社では、「なんで私の評価がこれなんですか!?納得できません、ちゃんと説明してください!」「これはBだと思います、なぜCなんでしょうか、意味が分かりません。」、「どうしたら私のこときちんと評価してくれるんですか?どれだけ一生懸命やっているか分かっていますか?(そして泣き出す)」そんなやりとりがが繰り返されてきた。右も左も分からず、なんて申し訳ないことを当時してしまったのだろう…と今でも切なくなる記憶もある。時には意味のない長時間の話し合いがのらりくらりと続いたことも…10歳以上も上の相手に、お互い冷静だけど、皮肉たっぷりの笑顔と言葉で続いた冷戦。計3時間。相手になめられていたのだろう。今となれば良い勉強となった時間とプラス思考でいたい。

インターネットで見る多くの宣伝。「評価システムで困っていませんか?評価制度の解決なら私たちにお任せください!」という類の文句の裏には、御社にあった最善の評価システムを構築します、というものがほとんどと感じている。それも非常に大切で、自分自身も毎度日本に帰国する度にドサッと本を購入し、ロシアでもアマゾンKidleで本を購入し、色々と勉強してみるとあれま、これは役立つことばかり、と読みふけってしまう。…でも待てよ、と。最も大切な答えはもっと違うところにあり、ずっとシンプルなのではないか。それらの宣伝文句のポイントは的を外しているのでは、といつも感じている。

人事評価の成功=相互理解が日頃からどれだけ出来ているか

評価システムが基本的に最低限整備されているのであれば、何よりも大切なのは「相互理解」でしかない(自分の経験上、それ以外に答えが見当たらないのだ)。語弊を恐れずに言えば、評価システムはそんな重要ではない(むしろ立派なシステムを構築するよりもシンプルなほうがずっと良いのでは?)。相互理解のためにはやはりコミュニケーション(対話)。そのために自分自身はWeeklyでの1対1の面談が最も考えられる現実的な方法なのではないだろうか。今、1on1ミーティングの重要性が多くの媒体で推薦されており、それだけ日頃からコミュニケーションを取ることの重要性が叫ばれているのを見ると、だれしもがその真実を分かっているわけだ。

1対1の対話の大切さ

個人個人に目を配り、ケアをしてあげるのがマネジャーの仕事。自分の勤務する管理部門は経理、人事、法務、物流、ITとあり、各部門には多くても最大5名。各課にはロシア人マネジャーがおり彼らが部下の評価を見ており、十分に個人個人に気を配ることができるはず。この面談をマネジャーは欠かすべきではないと思う。Playing managerである管理職はどんなに努力したって月に一度の面談がやっと、というのが現実なのかもしれないけれど、それでも週に一度、個別に話す機会を必ずもつことが必要と経験を通して、自分の犯してきた失敗を通して自分は皆に伝えたい。評価で一番難しいところは、なぜ上司がCをつけ、部下はBを自己評価でつけるのか、そのお互いの認識の相違を埋めること。そのために上司は部下に対して自分の評価基準、期待していること、部下に現時点で不足している点などを日頃から定期的に伝えてゆくこと。これができるのは毎日の積み重ねでしか成しえない。だからこそ1対1の定期的な面談を継続してゆくしかないのではないだろうか。以前、日本にいた頃の評価で思い出すのは、年間を通して一切マネジャーと話す機会もなく、日常業務では仕事の相談のみ。上司はとても忙しそうに朝から晩までLaptopに悶々とうなっている。期末には1時間の面談が設定され、それが唯一上司と1対1で自らの業務について会話する機会。面談では「う~ん、そうですか、どうですか調子は?」など拍子抜け。評価結果のフィードバックもない形だけの評価面談。別の上司は毎回5分程度(!)「XXX君、特に何もないかな?よくやってるね、よし!」これも違うでしょう…。それでも、大会社で誰しもが制度に疑念を抱く気持ちはよく分かる。4-5次審査まであり、直属上司の評価は途中の段階で知らないところで調整がなされる。その説明は無く、上司からは「自分はXXX君に良い評点を付けたんだけど上で変えられてしまったようで…。」これでは制度を信じること自体難しい。少なくとも、自分たちでフルコントロールできるロシアの会社だけはそうあってはならない。

完璧な評価制度など無い

評価は人間が行うものである以上完璧なものはない。むしろ、評価制度に完璧を求めてくるスタッフがいると正直疲れるのも事実なわけで…。何度も読み返している本「戦略人事のビジョン」著:八木洋介氏、金井壽宏氏(光文社新書)の中で“人事評価は、組織のパフォーマンスについて最終的な責任を負う人が下すもの…ということは、最終責任者がどういう人かによって、評価される人材は変わってきます…ですから、上司と相性が悪く、そのため低い評価を受けてしまう部下がいたとしても、それはあながち不公平とは言えない…。言ってみれば「上司との相性も実力のうち」です。”とある。これに自分は賛成だ。上司は自分のパフォーマンス結果に責任を取り、それの一端を担うのが部下になるわけで、部下は上司の意思を理解し自分のパートを果たそうと努めることが要求されている。日々、すべてをきっちり整理したがるわが社のロシア人人事マネジャーとはなかなか理解し合えず毎回苦労している。どちらも正しいからこそお互いに見解の相違を埋めてゆくことに毎度時間がとられる。それでもそんな人間がいかに変わるのか、どうしたらもっとよく説明して理解してもらえるのだろうか、それを一生懸命に考え、実行し、それが目に見えてくる過程を時に恨めしく思いつつも面白がるしかない。

先日の人事スタッフとの会議では「日本人はエイリアンだ!」と断言された(笑)。何を考えているのかさっぱり分からないらしい。正直、自分も長くロシアにいて、たまに日本に帰るとそう思う。感情の表し方がどうも下手なのではないだろうか。周りに気を配る文化が行き過ぎると、周りの視線を気にしすぎて自らを抑制する結果となり、それが当たり前となる時に人間性が失われてゆくのだろうか?すべてがマニュアル化されており、それに逸脱した行為をする人間を敵とみなして攻撃態勢に入るのではと。日々ロシア人とバトルしつつ、自分の感情を自然に表現できるようになってゆきたい。

3 months calendar (excel)

Excelで、年と月を変更するだけで日付が自動更新される3か月分のカレンダーを作りました。ロシアでは12月に顧客向けにギフトカードとプレゼントを贈る習慣がありますが、その中でいただくカレンダーは3か月分のバージョンが多くあるように感じます。俯瞰的にスケジュールを見る上で3か月分のカレンダーは役立ち、自分自身好んでいます。(ただし、いただく3か月分のカレンダーは大概サイズが大きすぎて個人用としては使用していませんが…)

このExcelカレンダーの作成方法はネット上にたくさんあります。詳細はそちらを参照することで容易に作成ができます。

このファイルをダウンロードすることも可能です(以下Link)、ご関心があればぜひご利用ください。

Calendar-3months

グローバル人材=英語で堂々と喧嘩を / Global business person = can fight with anyone in English.

10月に入ってからめっきりと寒くなったモスクワ。名残惜しく夏のお気に入りの写真を一枚。犬が気持ちよさそうに飼い主の投げたボールめがけて池をスイスイと泳ぐ光景をパシャリ。

最近、約20か国の子会社のスタッフが日本に集まって開かれたかグローバル会議に出席して感じたこと。今の世の中、グローバル人事部、グローバル人材育成、グローバル人事制度…といった言葉を聞くようになり、世の中が我々はグローバルにならなければ、という風潮にあるようだ。けれども、そもそもグローバルな人材って何なのだろう。そんなことを考える機会となった。一言で表現すると“英語で外国人と喧嘩できるようこと”―そんな気がする。リベラルアーツを身に着けるなど、他にも大切なことはあるけれど、まずは喧嘩をしよう。

これはいろいろな意味を含んでいて決してシンプルではない。ずっと日本の文化に育ってきた自分にとってもとても難しいと日々感じる。失敗を繰り返し、学びながらまた一歩前へ。

英語力。
英語は世界の共通言語であり、国際ビジネスにおいて絶対に必須。喧嘩をする場合、自分の感情がそのまま表れる。母語で自分の怒り、思いの丈を表す際、何も考えず自然と言葉が続くように、英語で喧嘩となるとそれなりに言葉が自然と出てこなければならない。英語で話すこと、これ自体が一つのハードル。母語で言いたいことをまとめるのも大変なのに、英語で相手に物事を伝えるにはより頭が疲れる。あらかじめ準備をした原稿を頭に入れて流暢に話すのとは違う。その場で相手の出方に合わせて発言してゆかなくてはならない。

喧嘩ができること。
これが何よりも一番重要な気がしている。喧嘩することって簡単なことではない。自分をさらけ出す必要もある。自然とそうなってしまうことだってある。どんな人種、国籍の相手であろうと、相手に自分の意見をはっきりと伝えることができること、時には正当な怒りの感情も含めて。伝えたいときにすぐに行動できる瞬発力。これこそがグローバルな人材になる道なのかもしれない。小さい頃はあんなに喧嘩して泣いて悔しい思いをしたのに、振り返れば年を取るつれて“大人な”自分を自然と演じていた。人とぶつからることを避け、事なかれ主義を信奉し、自分の思いを内心に押しとどめ、仕舞いにはそれが無意識に当たり前になっていた数年前。

会議では、決して英語が得意ではないスタッフもいたけれど、たどたどしい言葉でもしっかりと自分の言葉を発言していた。「このプログラムでは内容が不十分ではないだろうか、せっかくみんながここに集まったのだからぜひこの機会を活用してXXXの情報も共有してくれませんか」と。時には聞いているこちらがこの方の上層部からの評価が心配になるような発言もあったのだけれど…。後で発言の要旨を聞くと「だってせっかくの貴重な機会なのだから海外から来てくれているスタッフのことを考えるたら情報を共有してもらうことは大切でしょう、そう思わない?」と。このように他人を思う人がこの会社にいてくれること、そして行動で模範を示してくれることを思うと自分もそうありたいと改めて動機づけられる。ところで、私が本当に嫌いなのは、議論が進んでゆくといきなり笑い出す人。最後は苦しくなれば笑いで濁せばよい、と思っているのだろうか、全く理解ができない。そして、少なからずこういう人を多くの日本人に見かけるような気がするのだけれど…議論の相手に失礼だ、と内心怒ってしまう。

さて、ロシアで仕事をすることは素の自分を出してスタッフとぶつかり合う機会が多い。それを自分で逃さずにいれば、がっつり組んで立ち向かってゆけば、きっと成長できる場となるはず。ロシアで日頃からスタッフと言葉の取っ組み合いの喧嘩を繰り返す毎日を送る中、自然と“喧嘩力”がつく訓練の場が与えられていることがありがたい。また別の機会に書き連ねたいのだけど、今日も人事評価制度の在り方について1時間半、人事スタッフと議論に議論を重ね、どっと疲れが…。でも、自分の反対意見を率直に語ってくれる相手に感謝。それだけ同僚のことを思ってくれている証拠なのだから。

そもそもグローバルな人材って?そもそもグローバルになる必要があるのだろうか?永遠のテーマ。最終的には周りに流されず、己の信じる道を貫くのみ、だろうか。

ロシア人スタッフとのコミュニケーション / Communication with Russian colleagues

モスクワの夏の終わりもすぐそこに…お気に入りの公園にて。向こうに見えるのはモスクワ大学。


嬉しいこと、悲しいこと、怒ること…表現の方法は異なっていても”みな同じ人間”という事実はどの国でも全く同じ。ロシア人だから何か特別に接しなければ、ということは無いと確信してる。自分が重ねてきた数々の失敗をもとに重要だと思う点を書き出してみた。

「相手をリスペクトすること」
いたって当たり前なのだが、これがすべての源泉。頭で知っていることと心で理解していることは大きく違う。今でも忙しさに追われて日々の振り返りの中で反省も多い。相手をリスペクトする、というのは、相手を名前で呼ぶ。下の名前だけでなく、ロシア人スタッフ全員の苗字も覚える。少しでもロシア語を話せるよう頑張る。お菓子を時に買ってはオフィスで配る。そんなちょっとしたことの積み重ねもあるけれど、ここではもう少し深いテーマについて書き出してみた。
リスペクトするにあたって具体的には、

・感謝すること

「ありがとう」と心から言うことの大切さ。メールで“Thank you!!”というだけではなくて、直接本人に「助かったよ、ありがとう」と言葉で伝えることの大切さ。メールの言葉は薄っぺらいけれど、直接語る「ありがとう」の重みはまったく違う。なおのこと、日本人ならではのお辞儀(軽く会釈)することも良い効果があると思う。通っているジムの更衣室で一緒になった男性に何かの時にお礼をした際、自然と会釈をすると「お前は日本人か?日本の年上を敬う文化、そうやってお辞儀をする文化は素晴らしい。自分はチェチェン人(ロシア南部の一ロシア共和国)だが、自分のところにも同じような文化があり、自分はそういった習慣を持つ日本人を尊敬している」と言われたことがある。

・出退勤時の挨拶

“Good morning”, “До свидания(Good bye)”, “See you tomorrow”
朝早くにオフィスに来て、自分の仕事に集中しているといつの間にか挨拶のタイミングを逃すことがある。近くに座るスタッフとは問題ないが、離れた違う部屋に座るスタッフとの挨拶は難しいこともある。部下もすでに仕事に入り込んで机やPCに向かっていると、自分自身の性格の問題もあり、こちらから声をかけるタイミングを見つけられずに遠慮がちになってしまうことも…。努力して声をかける、何らかの仕事の話をもって近寄ってみたり。その時々で相手の様子もみつつアプローチしている。挨拶―これは一番シンプルで、とっても重要なコミュニケーションツール。

・自分が自分の仕事に集中しているときに声をかけられたときに必ず手を止めて、身体と顔を相手に向けること

”Excuse me, XXX san, could you give me signature?”, “I have a question.”, “XXX san, sorry, could you tell me?” このような会話が続くと、「なんだよ、まったく。そんなことで時間取るなよ、こっちに聞くなよ…」と心で思ってしまう→顔に出る→相手に伝わる→気まずくなる。これが常に続く場合は、会社運営に根本的な問題があると思われるが、こういったケースはどうしても起こる。気軽に聞ける雰囲気づくりが重要と感じている。誰かが自分の席に来た時には、手を止める。身体ごと相手に向ける、相手の目を見て話す。この基本を大切にしてゆきたい。このことの大切さは先輩社員に教わり、貴重な教訓となっている。相手のために自らの時間を捧げること―とっても重要なリスペクト。

・第三者との会話に同席するロシア人スタッフの面前で不在の部下ついて発言する際の注意

例えば、社外の方とのミーティングで、「わが社には優秀なスタッフがいて、HRのSpecialistは非常に優秀ですよ、よくやってくれています。」と言う。けれども、その場にHRのマネジャーが同席していて、彼女には日頃から「いつもありがとう、You are great、仕事に感謝しているよ」と自分は伝えていなかったとする。横で座っている彼女の心境はどうだろうか?「私の部下のSpecialistは優秀って言っているけれども、自分のことは一度もほめてくれていない…。」そんなことでがっかりさせてしまう可能性があるのではないだろうか。これは自分自身の場合にそのように感じることであり、他人にどう思うか直接聞いたことはない。相手の感情に傷つけてしまうのではないか、そう自分で感じていることで日頃から自分の言動に気を付けようと意識している。

・自分の中にバイアスが無意識にできているのだ、という事実を認識し、それをできる限りコントロールすること

日頃から多くの時間をスタッフと接していると、自然と自分の心の中に各スタッフに対するバイアスが出来る。彼女はいつも仕事が丁寧、彼は仕事が遅い、いつも何か間違いが多い、など。でも時に自分のバイアスを前提に相手のことを決めつけてしまうと判断を誤り大事に至る。
受付のソファに長いこと掛けているゲストがいる。気になっていたけれど、しばらくして会議室をのぞくと営業マネジャー、スタッフと彼女が面談をしているようだ。会議室の予定を見ると確かに面談らしき事由でBookingされている。HRマネジャーが見当たらず、HRスタッフに「なぜHRスタッフが同席していないんだ?」と聞くと、「私は面談があるなんて聞いていない」という(またか、というバイアス)。しばらくしてマネジャーが戻ってきたので、「なぜHRが面談に入らないの?通常、人事面談はHRが入るものでしょう、ずっとあなたが席を外していたから彼らは先に始めてしまったのでは?もっと営業とコミュニケーションを密に取らないと」という(いつもこうなんだから、というバイアス)。この時点ですでにHRに対するネガティブな、また、営業スタッフにはHRのサポートが無く申し訳ない、という決めつけができてしまっている。なぜならば、必要採用数が複数ある現状で、営業スタッフから人事スタッフはどうも我々をサポートしてくれていないようだ、何とかしてもらえないか?というフィードバックを一度ならず受けていること、自分自身も何かと人事スタッフと仕事のコミュニケーションがうまくいっていないことが重なっていた、そんなことが前提となっていた。でもよく確認すると、その面談は採用とは違うものであったというオチ。

・”自分のための逃げ場”を常に意識した言動をすること

これは結局、自分の言動によく注意を払う、ということ。あとで自分の非が判明するときに、日頃から自分が常に相手に寄り添える関係を持っていないと修復が難しくなる。多くの可能性で単なる自分の勘違い、状況の把握不足による誤解であったケースが多くあり、不必要に関係を一時的に悪くしてしまうことがあった。上記のバイアスの例も然り。何かを言葉にする前に可能な限り時間を取って熟考することで余計な発言を抑えられる。時間がない場合でも、批判的な言葉は避けて事実確認から入ることで雰囲気を悪化させないこと。相手に傾聴すること(とりわけ女性は話が長くなる傾向もあり次から次へと話を繰り出すので、よく遮ってしまうこともあり反省もあるのだが…)。入社早々に退社してしまった女性に「この会社は、余計な一言を発言する人が多いように感じる。言わなくてもいいのに。それも退社の理由の一つ」と言われたことがある。人は自分のほうが正しい、相手よりも上である、それを見せるために、あるいは自らのプライドのためにそのような発言をしたがる傾向にあるのだろうか。不思議な生き物だ…人間というのは。
この注意によって、いつか別の機会に自分が苦しんでいると、スタッフが率先して助けてくれる。そんな場に遭遇するときに自分の日頃の言動の大切さを学び続けている。

・何か叱責と取られてしまう発言をする際、発言する前に時間をとってよく熟考すること。感情のままに動いてしまうと関係が気まずくなり修復に時間を要する。

これは上記と重複する点。自分の言動に気を付けることで防げる。でも気を付けていないといつの間にか過ちをおかしている自分がいる。

・相手を自分と対等の一人の人間として敬い、自分(会社)の決定がその人だけでなく、その人の家族・親戚にまで影響を及ぼすのだ、という認識を持つこと。

残念ながら日々多くの要件を抱えている中で、一つ一つの問題を同様に扱うゆとりがなくなってしまうことが多い。どこかしらで自分はボスで相手は部下、という上下関係を無意識に持っていることも事実。こんな例があった「他のスタッフの行動で私の感情が非常に害された、この状況で今後毎日会社にくることは気持ちとして難しい、会社としての対応案を教えてくれないでしょうか」とのメール。こちらからすれば「率直に伝えてくれてありがとう、分かりました。今週中に話し合おう」と回答。木曜日の業務時間も終わったころに、帰りがけに当人がやってきて、「まだ話し合いの時間を教えてもらっていなけれども、今週中って約束しましたよね」と言われる。「分かった、分かった、約束は守るよ」と回答しても、相手の顔を見ると「私のことをその程度にしか考えていないのね」という感情が明らか。自分自身の他の業務の優先順位もあり日時設定できていなかった点は自分の誤り。このようなアクションの遅れによって問題を余計に複雑にしてしまうことにもなりかねない。どこかしら無意識に自分の行動に自分の心の優先順位が表れてしまう、恐ろしいことにそれが顔にも出てくると元に戻すのは大変だ…。

このテーマは大げさだけど、ただ、少なくとも10人以上のスタッフにクビを宣告して去ってもらった実体験からすると、相手をリスペクトするというのはこういうことだと思う。その人の収入に依存している、自分の知らない彼・彼女の関係者がどれだけいるのだろうか、彼らの生活にクビという決断がどれだけ影響を与えるのだろうか、そこにまで責任を持てるはずもないけれど、少なくともそんなことを考えてゆきたい。そうすればおのずから日頃の相手に対する接し方が変わってくるはず。それは相手の人間性までは否定することなしに、なぜクビになるのかを可能な限り当人に理解してもらう努力、これはクビを言い渡す面談時ではなく、日頃からの接し方にかかっていると言って過言でないということ。だからこそ、相手の仕事に対する日々のフィードバック(”それいいね、ありがとう”、”それはあかんよ、頑張っている姿勢は感謝するけど評価できない”など)、時には適切に口論も辞さずに叱ることが(ほめて伸ばす、という風潮には素直に賛成しかねる。必ずしも良い効果を生み出さない結果を見てきたので、どのようにほめるか、何をほめるかがカギだろう)相手の納得感を高めるためにとっても大切なことなんだと体験している。

このように書き出してみると、多くの企業で抱える人のトラブルの内容は万国共通であり、いかに小さな問題であってもその問題を受けた上位の人間がどれほど相手をリスペクトできるのか、その問題から逃げずに対応するかという真摯さが求められているのだろう。リスペクトの元になるのは他人に対する”愛”だろうか。何だか非常に堅苦しいけれども、いかに他人を愛せるか、そうすればリスペクトも自然と培われるはず…これが今の時代のマネジメントに要求されていることだと認識している。実行するのは本当に大変で、人間は不完全なので常にできるなんて約束は無理だけれど、それを自然と身に着けられる、そんな人間になれるように努力してゆきたいといつも思う。

ロシアで参加した結婚式 / Wedding in Russia

7月上旬、金曜日、土曜日と二件連続でロシア人の友人の結婚式に出かけきました。初めて参加するロシアの結婚式で勝手も分からず途方に暮れてしまった経験豊かそうな年配のロシア人女性に聞いてみると、「恰好は何でも大丈夫よ、ネクタイも不要でジャケットを羽織るだけでもいいのよ」と。お金の相場はあるのか?聞くと、一言、「望む分だけ包みなさい(по женанию)」とのこと。それでは欲しい答えになっていない…。一番良識のありそうな身近な同僚に尋ねると、彼女曰く、「親友であれば15K~20K RUB、一般的な友人であれば8K RUBくらい」と具体的な返事が返ってきた。この日は式の前日。直前の準備となってしまい少々焦りと共に24時間営業のロシア郵便局(Почта России)に出かけてポストカード、お金を包むための祝儀袋も合わせて購入した。

結婚式 其の一:
10.00 ЗАГС(Запись актов гражданского состаяние)と呼ばれる婚姻関係を合法的に登録するための場所に到着。すでに建物内ホールでは多くの友人たちが集まって二人を祝福していた。新郎はウクライナ出身で、キエフなどの都市から親戚も来ていた。新郎は以前の奥さんがすでに亡くなっており、今回の結婚は2回目。彼の娘さんご夫婦がキエフから、モスクワ近郊に住む息子さんも父親の結婚を祝福していた。だいぶ待ったが婚姻届にサインするセレモニー専用の部屋のドアが我々のために開かれる(予約に沿って各組順番でこの部屋でセレモニーをするようだ)。スタッフ女性は慣れた様子で式を盛り上げ、書類サインを完了後の参列者による祝福で最高潮に達して式典は終了。ここでも二人を祝福しプレゼントを手渡していた。自分は渡しそびれてしまい次のチャンスをうかがうことに。

12.00 このセレモニー自体は短いもので、その後近くの公園に出かける。今はモスクワでも広まっているカーシェアリング(каршеринг ロシア語では英語をそのままロシアアルファベットで表記)を使い、わずか30RUB(60円未満)程度で2,3キロほどを仲間と移動。公園では先ほどの参列者たちが順番に新郎新婦と記念写真。そして持ち寄りのサンドイッチ(бутерброд)やジュース(сок)などで小腹を満たす。公園では、他の街からやってきたゲストと会話し、知り合い、グループツアーの中国人観光客が興味本位で近づいてくるのに笑顔で答えながら時間が経っていった。その後披露宴会場へ移動。ここでもご祝儀袋を渡しそびれる・・・。

14.00 貸切のカフェへ到着。披露宴の準備にとりかかる。手作り感が満載で、自分も一緒になって子供たち、おばあちゃんと一緒にお手伝い。いつ来ても結婚式は素敵だな、と思う。なぜ人が一緒になるのか、改めて考える時間となるし、新郎新婦の周りであふれかえる親、親戚、友人たちの笑顔。こちらまで幸せな気分になってくる。仕事や日常生活の問題をひと時の間忘れて感じる幸せ。

15.00 予定より遅れて披露宴が始まる。聞くと、ロシアの披露宴は日本と同様にきっちりとしたプログラムに基づいて出し物が進行していくようだ。司会スタッフと音楽担当の息もぴったりで徐々に進んでゆきダンスタイム…が、大音量の音楽を流し続けることにオーディオ機器が耐えられないのか何度も何度も音楽が中断しブーイング。しまいには音楽無しでみんなで歌を歌い出す。こんなハプニングもあって時間通りに行かないものの、終始みんなで笑い、踊り、出し物で盛り上がり、同じテーブルのゲストと知り合いロシアや日本のことを語り合ったり。じっと静かに座っていたおばあちゃん(恐らく80歳近くだろうか)、この人は踊りとは縁が無さそう…そう思っていたけれど、ふと気が付いたら、何ともアクティブに立ち上がって踊っていたことには驚いた。時間が経つのはあっという間で、遠方から来ているゲストは深夜の夜行列車に乗るため、車で来ている人は何百キロも離れたところに帰るため少しずつ去り始める。

22.00 最終的に全員が帰途についたのは22.00を回ったころ。今日は食べて飲んで少しだけ踊って(残念ながら踊りは全くだめ。勝手に身体が動くままにすればいいのよ、と言われても身体が動かずどうすればよいのか…次回に備えて、といっても明日も結婚式がある…いつかに備えて少しは家で練習してみようと誓った)幸せな気分に。無事にご祝儀袋も渡すことができ、満足して帰宅。

結婚式 其の二:
13.00  会場に到着。ビジネスセンターの一室を貸し切って行われた披露宴は前日と違い、大変シンプル。皆顔見知りの仲である、すでに到着していた他のゲストと久しぶりの再会を喜んだ。この新郎新婦は面白くて、ロシア人なのに全く踊らない。どんなに周りが促しても頑なに断る。ダメダメダメ(“Нет Нет Нет”)と新郎は断り、会場の端っこで新婦は「靴はいているのが疲れた」といって靴を脱いでリラックスしている。どうやらすでに主役は参列者に移り、終始ダンス、ダンス、ダンス。気づいたのは、世代を超えて?好まれる歌が2曲ある。といってもこれは自分の周りにいる友人だけかもしれないが。
White Roses(Белые розы 1989年)
Black eyes(Черные Глаза 2005-2006年にヒット)
共に古い曲だけれど、これが流れ始めると歓声とともに大いに盛り上がる。世代を超えて愛される曲なんだろうな。曲のテンポも丁度よくて踊りやすいのだとか。

ダンスは自分を自己表現する一つの手段と思うが、昔から自由に自分の感情や考えを人前で素直に表現する機会が無かったことも影響するのか、どうも踊りはよく分からない。比較的長く接してきたクラシック音楽は、演奏中は静かに音を立てずに聞くもの。どんなに演奏家が自分の演奏に入り込んでいても観客はじっと見つめて静かに見守っている。ゲストとしてきていたアルメニア人の男性曰く、アルメニア人の結婚式では、食事と音楽があればそれでOK!あとはみんな勝手に踊っているから、とのこと。それぞれに人間が作り出したしきたりがあり、それによって音楽の楽しみ方も変わってくるけれど、慣習に縛られない、自由に音楽を感じるままに楽しむ、そんな自然な在り方が素晴らしい。今日もまた、70代以上の高齢者女性が自分のペースで楽しそうに踊っていた。

新郎のご両親も来ていたが、普段着で来ていて驚きであった。日本では結婚式となると厳粛なもので、しっかり着飾って失礼なことをしないようにしなければと。新郎新婦の家族はテーブルを回ってビールを注いで挨拶に回る、長いスピーチが延々と続き、一体いつ終わるのだろうかと思いつつ耳を傾けるが、しまいには脈略の無い話に耐えかねて食事に戻る…(「私の話は短くさせていただきます。え~それでは…」といって話し出す人こそ話が長い、と思うのは私だけだろうか)。そしてなんとまあ式のコストが高いことか…。というのがイメージ。

少なくとも今回の結婚式から分かったことは、祝福の仕方はいろいろあって良いこと、懐事情の差が主要因に違いないが、きっちりと着飾る人もいれば、一方では失礼の無い程度に着飾って参加する人もいる。共に幸せを共有するために厳密なプログラムはいらない、とにかくありのままでその場を楽しむ、あとは踊る!日本の良さはたくさんあるけれど、ロシアで過ごしていて大変居心地が良いと感じる一つの最大の理由は、自分のありのままでいられる、ということだろうか。もちろん、ロシアでも育つ家庭や小さな地方都市に行くと周り近所の目を気にするなど、日本と同様の観衆があるようなので、私のこの理解が当てはまらないことも事実かもしれないけれど。この式は17時を過ぎた頃に終わり、酔っぱらうこともなく皆が家路についた。

ЗАГС(Запись актов гражданского состаяние)について
ザックス、と呼ばれる国家機関は、出産・死亡・養子縁組(усыновление)・結婚・離婚の登録を管轄している。現在はこれ以外にも個人情報の変更も管理しているようです。ソ連時代以前は、これらの機能を教会が担っていたが、この機関の原型がピョートル一世の時代(在位1682年~1725年)に生まれたようだ。ソ連政府から宗教は「民衆のアヘン(опиум для народа)」と呼ばれ、司祭達が所有していた権利は街・地区の行政に移っていきました。1917年12月18日の法令によってЗАГСは正式に結婚、死亡、出生を特別な書類に記録するようになったようです。
ЗАГСでの合法的な登録がなければ、政府が提供するサービスの受給資格が無いことから苦労する場面が増える模様。例えば出産の際には出産手当の受給や医療機関への登録が出来ないこと。婚姻届がなければ親戚関係の証明ができないことなどのデメリットが挙げられています。
参照:www.mnogo-otvetov.ru/pravo/chto-takoe-zags-i-dlya-chego-on-nuzhen/

素のロシアで過ごした週末 / Weekend in “natural” Russia

先週末は、友人の別荘(ダーチャ)にてゆっくりとした時間を過ごしてきました。日本で別荘というと贅沢でお金に余裕のある人たちだけのもの、という認識が自分の中にあるけれどもロシアはちょいと違う。確かにお金に余裕のある層は立派な邸宅を郊外に構えるのだろうけれど、ちょっとした木造の小屋とちょっとした家庭菜園付き、ロシアのダーチャというとそんなイメージが強い。夏の金曜日の夕方 ― 郊外に向かう道は車の数々で大渋滞。恐らく列車もそれなりに混んでいるのだろう。ダーチャを持つ人々の多くは金曜日はいそいそと仕事場を後にして郊外のダーチャへ向かい、週末をそこで過ごす。概ね多くのダーチャは中心部からロシアの重々しく足取りの重い電車で2時間前後、距離でいうと100km圏内に位置するのではないだろうか。家庭菜園では自分の家族用に野菜を育て、近くの森では木の実やキノコを採集。ジャムや酢につけたりして瓶に入れて保存。それ以外にはガーデニングや家族団らんの時間をゆっくり楽しむようだ。夏も終えて家にお邪魔すると自家製のジャムやピクルスをご馳走にいただくこともよくある。
古い情報だけれど、2015年の調査では、ロシア人の約半数がダーチャを所有しているらしい。なお、ダーチャにも夏のみ専用、夏冬兼用があるようで、自分の身近では夏用を所有している人がほとんどの気がする。自分の勤務する会社ドライバーは、ダーチャで自家製ウォッカ(ロシア語でサマゴンсамогонというEng: hooch, rotgut)を作っていて、彼曰くお店で販売しているものよりずっと美味しいとのこと。もう別のドライバーは「ダーチャは要らない。行って帰ってくるだけで疲れる」と何とも冷めた反応。

さて話は戻ると、友人のダーチャはモスクワ中心部の鉄道駅から約2時間。

車両には自分と同様郊外のダーチャに出かけると思われるたくさんの乗客がいる。定期的に車両内をダーチャ用の日常雑貨類を販売して回っている。次から次に違う人がやってくるから面白い。果たしてどれだけ利益が出るのだろう?

今回訪問したご家族は、曰く、決してお金に恵まれているわけではないけれども10年ほど前に100m*20m(2,000m2)を800,000 rub(当時の為替で換算して、仮に1RUB=3円と置くと240万円、Approximate 26,700 USD , if USD=30RUB)で購入したようだ。

更地から自分たちで図面を考え資材を購入し、労働者を雇って立派な2階建てのダーチャを立てた。地下にも立派な部屋が整っており、一歩ずつ階段を下りてゆくとだんだんと感じる、あの自然のひんやりとした感覚。なにも考えずに済んでいるモスクワ中心部のアパートでは見ることのない、家の壁を這う配管類、家の素材、壁・屋根に敷き詰められた空間材。決して複雑ではない造り。家って実はこんなシンプルな構造なんだ、と気づかされる。トイレは少し離れたところにある落下式便所(ボットン便所)/non flash lavatory。匂いはそれ相応に…。もし自分が将来自分で家を建てるとしたらどんなデザインにするかな…と思いを巡らしつつ家の中を見て回っていた。

何をするでも無しにただテラスに座って、ワインやフルーツをほおばりながらボーっと中庭を眺める時間。ビニールプールではしゃぐ小さな子供の遊び相手になってたわいもない時間を過ごす。友人のご両親も来ていて、リンゴの木、イチゴ、キュウリなどの家庭菜園に水をやっている。

朝の移動の疲れもあり1時間ほど昼寝…。そんな時間を過ごした週末はこれまでにあっただろうか、思い返す限り出てこない…たぶん一度も無かったと思う。以前の自分を振り返ると、とにかく何かしら予定を入れて動き回り、忙しい(と感じる)ことに大きな意味合いを求めていたような気がする。

昼寝から目を覚まし身体を起こして森に出かける。

ダーチャに行けば定番の木の実採集へ。秋口になるとこれがキノコ狩りになるようだ。ロシアの大きな蚊の猛攻に耐えつつ少しずつ木の実をかごに収集してゆく。木漏れ日が本当に美しい。


夜は皆でバーベキュー。トマト、きゅうり、肉(恐らくこれがバーベキューの定番ではないだろうか)。夕日がゆっくりと落ちていくのを眺めつつ皆で楽しく会話しながら取る食事は全く格別の味だった。

しばらくするとFIFAワールドカップの時間がやってきた。各々家の中へ戻りテレビの前にそれぞれが陣取る。テーブルの上にはメロン、おやつ、そして紅茶に先ほど取ってきた木の実を入れて美味しくいただくことに。自然の幸をこんなにも堪能。

夜23時。まだ夏のモスクワ郊外は空が明るい。ロシアに来てから空の大きさ、美しさを一層感じるようになった。日本にいる時には下ばかり向いて歩いてたんだろうか…。きっと日本の空だって美しいはず。日本に帰国した際にはもっと上を向いて歩いてみよう。

今日一日がこんなにも充実していたことに感謝し、みんなにおやすみなさい、と挨拶してから部屋のベッドに横になる。果たしてこんな生活が毎日続くと飽きてしまうのだろうか?この時間があるからこそ仕事に戻った時に頑張る張り合いが生まれるのだろうか?でも、その一方で、もともと人間はこうやって素晴らしい自然と共に大切な家族や親族、友人たちと毎日を美味しい食事を囲んで過ごすようにつくられているのだろうな、とも思う。そう考えると、大都市で毎日仕事に行き、ストレスを抱え、決して大きくないアパートに住み、縦横の近隣との騒音問題でわめくこと…こういった生活自体が偽物なのだろうか。正直今はよく分からない。

翌日、さわやかな太陽の日差しを感じながら、そんなことを昨晩に引き続き考えつつ再びモスクワ中心の日常生活へと戻る帰途についていた。大半のロシア人は「モスクワは本当のロシアではない」と言う。この週末は本来の、素のロシアを垣間見ることができたような気がする。

言語学習と音楽 / Language study and Music

ロシアで仕事をする上で言語の問題は避けて通れない。言語ってつくづく音楽だなって思う。リズムがあり、アクセントがあって休止がある。同じ楽器を異なる人が演奏すると出てくる音や音程が異なるように、同じ言語を喋ってはいても人の数だけ奏でる“音楽”も異なってくる。

詰まるところ、言語の習得はどれだけその言語が持っている音楽性を掴むことができるか、これにかかっているのではないだろうか。

欧米のクラシック音楽、日本の雅楽、その他諸々…その土地で生まれた音楽はその土地の言語が持つリズム感や音程と密接な関係があるに違いない。その言語あっての音楽に違いない。語彙を増やすことはもちろんなのだけれども、それ以上にこの“音楽”をどれだけ体得できるかが言語学習の上達に最も影響するポイントなのだろうな、とおぼろげながらに感じている。

言語を学習するといっても、日々仕事に追われてしまっていてまとまった時間を語学学習に充てることは非常に困難。といっても仕事では常に社内公用語の英語、時にはロシア語を読み書きする必要に駆られる。いかに短時間で最大限の結果を得られるか?いつも悩むところ…。幾つか好んで使用しているものを挙げてみました。

 英辞郎 on the WEB Pro(有料)

1年契約で月額297円(税込、執筆時点)

英語で文章を作成する時、単語の次にどの前置詞をつけるのか、of?for?about?はたまた何もいらない?―このようなケースによくぶつかります。そういった時にこのオンライン辞書はたくさんの例文が載っており文法の勉強にもなる、大変心強いです。問題はアクセススピードが遅いこと。会社のネットワークの問題なのか、サーバーが日本にあるのでアクセス自体に時間がかかっているのか、スピードは唯一気になるポイントです。

Reverso Context(Online free)

これは上記アルク社の海外版?英語→ロシア語、ロシア語→英語と容易に確認できます。フレーズの翻訳用にというよりも、単語や前置詞+単語を打ち込んで表示される例文集を確認し、その意味や使い方を把握するのに役立っています。

スマートフォン用のアプリもあります。私は月額129RUBの有料版を使用していて、内容・スピード共に気に入っています。

Все фразы и дталоги английского языка(本)

いろいろな本を購入してみたものの開かずに終わる…そんなことが多いのですが、この本は気に入っており、いつも鞄の中に放っています。短い会話集がひたすら英語とロシア語で記載されておりロシア語の日常会話を勉強でき、かつ英語学習にも役立っています。皮肉だけれど、紙質も悪く軽いので携帯するにも楽です。

Link先の書評を見ると、誤植や使用されないフレーズが載っていることへのクレームがあるけれども、そこは外人の自分にはそもそも難しくて分からないので気にせず。

ロシア語を全くゼロから勉強する場合は、きっと語学の先生について基礎から勉強、語彙も増やしてゆくための毎日の努力が欠かせない。一方、ある程度すでに基礎を終えている場合(そしてなおかつ日常業務の仕事で忙しく勉強時間が十分取れないという状況がポイント)、フレーズの塊を見て語彙と文法のチェック、言語のリズム感を体得するためにNativeとの交流、PodcastやTV、Radioでのニュースなどのリスニング、そんな学習をするのが効率的なのかな、と感じているところです。お気に入りのサイトを見つけ、好きな、気になるニュースをチェックしそれを外国語で毎日チェックする。好きなことであれば継続も可能だから。

語彙数をどのように増やすか?

ひたすら努力しかないのでは…。この努力は何よりもその言語を習得したい、というモチベーションから。そのモチベーションもその言語を学習する目的が明確にある場合に湧きあがるもの。目的があれば毎日少しでもその言語に触れるはずだろうから。目的も意味もなければ無理に勉強する必要はないはず。

商品情報の表示ステッカー(ベラルーシ) / Marking with Product information according to the legislation of Belarusia and EEU

要約 / Summary
ユーラシア関税同盟(Eurasian Economic Union: EAEU or EEU)、ベラルーシの法律を読み解くと、ベラルーシで小売販売される商品は、消費者保護法が定める必要な商品情報をロシア語あるいはベラルーシ語で商品表示する義務が生じる。そのため商品パッケージに両言語で必要情報が未記載の場合、それらを掲載したステッカーを貼付することになる。
(なお、この投稿は電気製品を対象の前提として記載しています。本ブログの情報利用に関し、利用者又は第三者にトラブル・損害が生じた場合であっても、本情報が利用者の自己責任のもと利用されるものであることに鑑み、当ブログは損害賠償その他一切の責任を負担することはできません。また記載情報・翻訳に誤りがある場合は見つけ次第即修正するようにいたします。予めお詫び申し上げます。)
なお、個人的な見解を述べると、この規定は主に健康に大きな被害を及ぼす可能性のある食品を対象としており、一般の電気製品についてここまで要求すべきなのだろうか?と疑問に思ってしまう。

根拠 / Grounds
1.ст. 7, 16 Закона Республики Беларусь «О защите прав потребителей»
(参照URL)http://www.pravo.by/document/?guid=3871&p0=h10200090
2.Письмо Министерства здравоохранения Республики Беларусь, Министерства торговли Республики Беларусь, Государственного комитета по стандартизации Республики Беларусь от 28.10.2009 N 10-15/3526/07-05/2033/02-12/745 “О
нанесении дополнительной маркировки”
(参考URL)http://mail.lawbelarus.com/030423
3.Решение Комиссии Таможенного союза от 16.08.2011 N 768 (ред. от 25.10.2016) “О принятии технического регламента Таможенного союза “О безопасности низковольтного оборудования” (вместе с “ТР ТС 004/2011. Технический регламент Таможенного Союза. О безопасности низковольтного оборудования”)
(参考URL)http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_119733/

<以下、各根拠の詳細について記載>

1.ベラルーシ消費者保護法 / «О защите прав потребителей»
第7条 商品情報(Статья 7. Информация о товарах (работах, услугах)の中では主に下記の情報掲載が要求されている
・商品の名称 / наименование товара
・商品の基本的な技術的要項/сведения об основных потребительских свойствах товаров
・金額と商品支払い条件 / цену и условия оплаты товаров
・保証期間 / гарантийный срок, если он установлен;
・製造日 / дату изготовления, и (или) срок службы
・製造者の名前・住所、また、輸入者・輸入代理者、製品不良対応やメンテナンスを提供するアフターサービスケア会社の名称 / наименование (фирменное наименование), место нахождения изготовителя (продавца, исполнителя), а также при наличии – импортера, представителя, ремонтной организации, уполномоченной изготовителем (продавцом, поставщиком, представителем) на устранение недостатков товара и (или) техническое обслуживание товара
・製品が技術規制とスタンダードの点でコンプライアンスに適合していることの証明 / сведения о подтверждении соответствия товаров (работ, услуг), подлежащих обязательному подтверждению соответствия, требованиям технических нормативных правовых актов в области технического нормирования и стандартизации
・数量もしくはセット数 / количество или комплектность товара (результата работы)
・シリアルナンバー / штриховой идентификационный код, если обязательное маркирование товаров таким кодом предусмотрено законодательством
商品を正しく、効果的かつ安全に使用するために必要な情報 / необходимые сведения о правилах и условиях эффективного и безопасного пользования товарами (результатами работ, услугами), в том числе ухода за ними, и иные сведения, которые в соответствии с законодательством или соответствующими договорами обязательны для предоставления потребителю, в том числе сведения, относящиеся к соответствующему договору и предоставляемые по просьбе потребителя;
(この規定の中に記載を見つけられなかったが、商標 / товарный знак изготовителяも要求されている、とも聞いている)

※表示言語
条項7の9では、ベラルーシ語・ロシア語のいずれかで情報提供されるべきこと、外国語表示は消費者の要求に基づく以外を除き不可とある。
9.Информация, сообщенная или переданная на иностранном языке, считается непредоставленной, за исключением случаев, когда она была сообщена или передана на иностранном языке по желанию потребителя.

2. 追加の(商品情報)表示の掲載について / “О нанесении дополнительной маркировки”
要約
消費者に信頼性の高い製品情報と消費者包装の追加利用の可能性を提供する目的から、国家規格、貿易省、保健省の規定に従って消費者向けのパッケージングまたはグループ包装のラベルに追加情報を適用する手順が説明されている:
この商品情報の表示(マーキング)は小売業者に引き渡すまでに製品の製造業者あるいは輸入者によって行う義務がある。
補足情報の表示は消費者包装製品に貼付するステッカーを利用する。
表示を実施する場合は以下の点を守る必要がある。
・ステッカーは、消費者包装の空きスペースを利用し、パッケージのデザインを乱さないようにする。
・ロシア語またはベラルーシ語でベラルーシ共和国のため製造者が課した情報を除外(隠して)してしまうこと
・業者によって生産された情報に反する情報を有し、ベラルーシ共和国の法律の要件を満たさない。

3.関税同盟の技術規則「低電圧機器の安全性について」 / Решение Комиссии Таможенного союза от 16.08.2011 N 768 (ред. от 25.10.2016) “О принятии технического регламента Таможенного союза “О безопасности низковольтного оборудования” (вместе с “ТР ТС 004/2011. Технический регламент Таможенного Союза. О безопасности низковольтного оборудования”)
(Note:電気製品を取り扱う企業は上記の技術規則と合わせて、技術規則”Электромагнитная совместимость технических средств” (ТР ТС 020/2011)”が必ずセットになって付いてくる (参照URL)“http://www.eurasiancommission.org/ru/act/texnreg/deptexreg/tr/Documents/TehReg%20TS%20EMS.pdf)
この規則の条項5:Статья 5. Требования к маркировке и эксплуатационным документам
によれば、下記の情報を表示することが要求されている。
1. 商品モデル名称、安全な使用に影響を与える製品基本情報、製造者名称あるいはマーク、生産国:これらは商品およびマニュアルに記載されなければならない。また、製造者おあるいは商品マーク、商品名称(型、マーク、モデル)はパッケージにも表示されなければならない。 / Наименование и (или) обозначение низковольтного оборудования (тип, марка, модель), его основные параметры и характеристики, влияющие на безопасность, наименование и (или) товарный знак изготовителя, наименование страны, где изготовлено низковольтное оборудование, должны быть нанесены на низковольтное оборудование и указаны в прилагаемых к нему эксплуатационных документах.
При этом наименование изготовителя и (или) его товарный знак, наименование и обозначение низковольтного оборудования (тип, марка, модель) должны быть также нанесены на упаковку.
2.もし上記1の情報を商品上に表示が不可能であれば、マニュアル上に記載することができる。 / Если сведения, приведенные в пункте 1 настоящей статьи, невозможно нанести на низковольтное оборудование, то они могут указываться только в прилагаемых к данному оборудованию эксплуатационных документах. При этом наименование изготовителя и (или) его товарный знак, наименование и обозначение низковольтного оборудования (тип, марка, модель (при наличии)) должны быть нанесены на упаковку.
3.表示情報は正確で読みやすくなければならず、商品上にパッと目に付く場所に表示されなければならない。 / Маркировка низковольтного оборудования должна быть разборчивой, легко читаемой и нанесена на низковольтное оборудование в доступном для осмотра без разборки с применением инструмента месте.
4.製品マニュアルは(以下の)情報を表示しなけれならない。 / Эксплуатационные документы к низковольтному оборудованию должны содержать:
・本規定の1.に定められている情報 / информацию, перечисленную в пункте 1 настоящей статьи;
・本商品の使途について / информацию о назначении низковольтного оборудования;
・商品特徴 / характеристики и параметры;
・安全使用上のルール、商品組立て、保管、運送、処分の方法について / правила и условия безопасной эксплуатации (использования); правила и условия монтажа, хранения, перевозки (транспортирования), реализации и утилизации (при необходимости – установление требований к ним);
・商品不具合があった場合の対応方法 / информацию о мерах, которые следует предпринять при обнаружении неисправности этого оборудования;
・製造者名称と住所 / наименование и местонахождение изготовителя (уполномоченного изготовителем лица), импортера, информацию для связи с ними;
・製造年月 / месяц и год изготовления низковольтного оборудования и (или) информацию о месте нанесения и способе определения года изготовления.
5.製品マニュアルはロシア語と関税同盟加盟国の国語で用意すること / Эксплуатационные документы выполняются на русском языке и на государственном(ых) языке(ах) государства – члена Таможенного союза при наличии соответствующих требований в законодательстве(ах) государства(в) – члена(ов) Таможенного союза.
・製品マニュアルは印刷したものを用意すること。家電以外の商品マニュアルの場合はオンライン上のみで提供することも可能 / Эксплуатационные документы выполняются на бумажных носителях. К ним может быть приложен комплект эксплуатационных документов на электронных носителях. Эксплуатационные документы, входящие в комплект низковольтного оборудования не бытового назначения, могут быть выполнены только на электронных носителях.

各メーカー企業でベラルーシ市場を担当する地域の中心はロシア現地法人と思われるが、ロシア市場規模そのものが全世界の売上規模に比較して小さいこと、ベラルーシ市場はさらに小さいことを考えると、生産工場がベラルーシ法規制対応のために特別対応できる可能性は極めて少ないと思われる。よって多くのロシア法人が独自にステッカーを作成・貼付してベラルーシに商品出荷しているのが現実ではないだろうか。自分自身、このステッカーを見るためにベラルーシに出かけていないのだが、写真でみた各社(SAMSUNG, LG, その他日系企業)のステッカーは各々異なっているようだ。