年の初めに今得ている命と自由への感謝の気持ちを考えてみる / At the beginning of the year, think about gratitude for the life and freedom we have now.

皆さんは新たな年を迎える年末年始で必ず行うように心がけていることはあるでしょうか、NHK紅白歌合戦、除夜の鐘、年越しそば、初詣など…。

モスクワに駐在していた7年間を振り返ってみると、全ての年で出来ていたわけではありませんが、年の初めには今こうして持っている命や自由について感謝の気持ちを実感できる場所に足を運ぶようになっていた、ということがあります。

自分が置かれている今の環境は決して理想的でないとしても、命があり自由があることに感謝の気持ちを持つ機会を持つこと。それを新たな一年の初めに行うことをお勧めしたいです。― 私の周りにいる大変な家庭環境の中で一生懸命に逞しく生活している友人のことも考えると、生きていること自体が苦しいことがある、ということも事実です。死ねるものなら死にたい、という人もいます。― それでも、何かを行える命があること、自分の意思で行動できる自由があること。そんなことを考えると、毎日の生活で感謝できることを見つけ前向きに努力しよう、と思う気持ちが高まってきます。

私にとってのそれは第二次世界大戦での出来事、特にホロコーストに関係する博物館に出かけてゆっくり時間をかけて展示物を見て回ることでした。気が付けば駐在中に以下の場所を訪れてきました。まだまだ知らない、出かけたこともない場所が幾つも存在すると思われます。出かけてゆき、直接目にして手に触れることが一番良いと思います。しかし必ずしもそうはゆかないもの。それは博物館に出かけることでなくてもYoutube、本を通しても出来ることと思います。大切なことは何かを題材にして自分の頭で心で考え、感じること。そんな時間を年末年始に取ることができるのであればぜひお勧めしたいです。

米国ホロコースト記念博物館

Youtube channel => Link

ワシントンにあるアウシュビッツ博物館。合計3回は訪れました。初めて出かけた時には午前中に入り気がつけば閉館時間に。涙が頬を伝わって止まりませんでした。オンラインでも充実した内容が取り扱われているようですが、もしも、仮にワシントンに出かける機会があるとすれば、何卒この博物館に立ち寄ることをお勧めしたいです。人間とはいったい…?また、自分が今こうして自由に自分の意志で生活できることがどれだけ幸せなことなのか…そんな気持ちを感じることができる場所です。自分自身の記憶が正しければ、ホロコーストを生き残った生存者の中には、ついに自由を得た外の世界に戻れたにも関わらず、自分の場所を見つけることができず自殺をした人がいた、という事実に衝撃を覚えた記憶がずっと心に残っています。

常時展示(Link)が始まるフロアへ上がるエレベータを降りて扉が開いた、その目の前に広がる衝撃的な写真からこの博物館の見学が始まります。

ニューヨークにも実はちょっとしたユダヤ人に関する博物館があります。

ユダヤ人遺産博物館

ワシントンにあるホロコースト記念博物館と比較すると小規模であり、当時としては、ここに展示されているものは既に見たことがあるものが多いなぁ、そんな印象でした。ひっそり静まった館内。そこではこの建物にたどり着くために歩いてきたニューヨークの喧騒からは切り離され、静寂とした建物の窓からは青々とした空の下にニューヨークの海が広がっていました。ニューヨークにいるはずなのに、まるで別世界にいるかのような不思議な感覚に囚われる時間、空間でした。

Yad Vashem

Youtube channel => Link

イスラエルのエルサレムにあります。聖書のイザヤ書から取られている名前を持つこの記念館は、まさにホロコーストでナチスとその協力者達によって殺害された6百万人のユダヤ人たちを記憶に留めるために設立されたもの。エルサレムという場所にある、この場所で見るからこそ、また他の博物館とは異なる感覚に浸ることができたのかもしれません。隣にいた団体グループでは、”ナチスが収容所にいるユダヤ人たちに与えられた食事がどれだけ悲惨なもので、死んでも代わりはいるので問題なく、死ぬことを前提とした栄養レベルの食事が与えられていた”、と熱く語っているガイドがいたことを記憶しています。

″And to them will I give in my house and within my walls a memorial and a name (a ΄yad vashem΄)… that shall not be cut off.″

(Isaiah, chapter 56, verse 5)

Yad Vashemの名前が取られたという聖書のイザヤ書の言葉

モスクワにも規模は大きくありませんが、映像を駆使したユダヤ人博物館があります。アンネ・フランクに関する特別展示を行っているときもあり、駐在中は何度か訪れていました。

モスクワのユダヤ人博物館

モスクワにある他の博物館も訪れましたがいずれも設備が古い。そんなイメージだけが残っていますが、このユダヤ人博物館はそれとは異なり現代のIT・映像技術を駆使しているように思えました。内容は別として、設備は欧米の博物館にも匹敵するような、そんな印象があります。

ポーランドのワルシャワ蜂起博物館

これはホロコーストとはテーマが異なります。正直に言うと一つ一つの展示についてはほとんど記憶に残っていないのですが、ソ連赤軍がワルシャワ蜂起を傍観したままに蜂起が失敗に終わることを許していた、という事実も含め、戦争というものの残酷さ、人間とはいったいなぜこうも…そんな感情が沸き上がったことは心の中に残っています。

この他、学生時代に訪れたポーランドのアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所。これはホロコーストを語る上ではなくてはならない場所。…当時燦々と太陽が降り注ぐ晴天の中を歩いた敷地内。イスラエルの国旗を掲げたユダヤ人団体グループが静かに見学していた光景を覚えています。ここに詳細を書きませんが、他にも休暇を利用してでかけた場所 ― ロシアの都市スモレンスク近くで起こったカティンの森事件、北オセチア共和国にあるベスラン学校占拠事件、ウクライナのチェルノブイリ原発事故 ― このような場所一つ一つに足を運んで心に感じること。それもまたモスクワに駐在していたからこそ訪れることができた場所であり、人間とは…考えさせられる経験となりました。

広島の平和記念資料会館

今年の年末は広島に行き、幼い頃に一度だけ訪れたことがある平和記念資料会館に出かけてきました。わずか一つの原子爆弾だけで、1945年末までに約14万人もの命を奪ったという事実。ナチスによるユダヤ人虐殺とは異なる種類の残虐な殺戮。今の広島の街中に広がるゆっくりと流れる川、きれいに舗装された通り、たくさんの人、モノで溢れかえったアーケード街。街中を走っている路面電車のレールの所には、当時大やけどを負ったおびただしい被爆者たちがレールの上に頭を載せて横たえられていたそうです。川沿いを散歩していると、いくつもの記念碑が設置されていました。

スミソニアン航空宇宙博物館(エノラ・ゲイ)

広島の原子爆弾といえばエノラ・ゲイ。ワシントン中心街から離れた場所にあり、当時は公共バスでたどり着きました。この飛行機が1945年に広島上空から原子爆弾を投下したB-29爆撃機。この機体を実際に目の前にして当時のことを振り返ることができたことも貴重な経験です。

さて、すでに2024年1月2日。今年も自分に与えられた命、自由というものに改めて感謝の気持ちを感じ、自分の立てた目標を達成できるように一日一日を精一杯生きよう、努力しよう思いをもらって良いスタートを切ることができました。仮にこの文章を読んでくださる人がいれば、皆さん一人一人にとっても目指しておられる目標に向かって着実に前進できる素晴らしい年となりますように。

(なお、この記事では私の記憶に基づいた記載があります。歴史の事実と全てを正確に照らし合わせることができていないことをご了承ください。当ブログでは、万が一にも生じる掲載内容で生じた損害に対する一切の責任を負いません。)

基本ロシア語文法 イントネーション / Basic Russian Grammar – Intonation

イントネーションとは?「基本ロシア語文法」(著:佐藤純一氏)によれば以下のように定義されていました。

断定・疑問・感嘆・命令・ためらい・問い返しなどの意味をあらわすために、文は一定の声の調子をとります。これをイントネーションといいます。外国語を話すとき、イントネーションが正しくないと、意味が通じなかったり誤解されたります。

日本語で断定の意味の文章を話すときには文末を下げるし、同じ文章のままで疑問形にしたいときには文末を上げる。例えば、「あなたはロシア語を勉強している。」それをそのまま疑問形にするならば「あなたはロシア語を勉強している?」となります(きっと「~勉強していますか?」あるいは「~勉強しているの?」と言った方が自然なのかもしれませんが今回の内容はイントネーションに重きを置くということでご了承願います)。

こう考えると、基本的にロシア語も日本語も同じなのかもしれません?(この文章もイントネーションを利用した疑問形になっています)そして、ロシア語の会話を聞いていればロシア語としてのイントネーションは自然と身につくものだろうと思うと、イントネーションは教科書をじっくり読んで勉強するよりもとにかく実践あるのみ、ということなのかもしれません。

以下のような断定を表す文のイントネーションでは、文末の音が下がる。

Это Маша.(これはマーシャ(女性の名前)です。)

Маша здесь.(マーシャはここにいます。)

Маша гуляет в парке.(マーシャは公園の中をを散歩しています。)

同じ文章でもイントネーションが変わると疑問文になる。(疑問文にするためにイントネーションを変える、とも言えるのかもしれませんが)なお、以下で黄色でマークした部分は文章の中で強調される(イントネーションが高くなる)箇所ですが、厳密に文法ルールを調べて記載したものではありません。あくまで私個人の知識・経験に基づいて記述しています。ロシア語のイメージを掴む程度に利用いただければ幸いです。

Это Маша?(これはマーシャですか?)例えば、マーシャという女性を写真の中でどれかな、と探していて見つけたときの反応。

Маша здесь?(マーシャはここにいますか?)

Маша гуляет в парке?(マーシャは公園の中を散歩していますか?)

イントネーションの付け方を変えると、先ほどとは質問の意味が変わってくるのがまた面白い。

Это Маша?(これが(あの)マーシャですか?)例えば、昔の写真を見た時に、えっ!今の姿からは到底想像できない!これがあのマーシャなの?といった驚きを表す。

Маша здесь?(あのマーシャがここにいるの?!)何十年も会っていないのにまさかあのマーシャがここにいるなんて。信じられない!、そんな時に言えるかもしれません。

Маша гуляет в парке?(あのマーシャが散歩してるんですか?)ずっと病気で入院全く外を出歩くことがなかったのに、あのマーシャが外を散歩できるようになったの?もっと良い例があるかもしれませんが…こんな時にも使えるのかな、と思いました。

イントネーションの大切さを説明している動画を発見しました。この女性の説明自体も綺麗で明快なイントネーションで勉強になると思っています。

動画の中で例として取り上げられている例として以下の会話があります。イントネーションを正しい場所に正しい音程で使いこなすことで全く異なる意味の文章となることの良い例となっています。(イントネーションにどのようなな違いがあるのかについて、もし関心のある方がいらっしゃればぜひ動画の4:11~をご覧ください)

После сытного обеда бабушка интересуется у внука:

- Наелся?

А он ей отвечает:

(パターン1)- Еще бы – столько сьел!

Или

(パターン2)- Еще бы столько сьел!

(日本語訳)たっぷりと昼食をとった後、祖母は孫にこう尋ねました。

「お腹いっぱいになった?」

孫は祖母に答えました。

パターン1:「 これ以上食べれないよ、もうお腹いっぱいだ!」

パターン2: 「お腹いっぱいになればいいのに!(まだ食べたいな!)」

Логическое ударение (усиление голоса) - 上記の動画4:00

используется для того, чтобы подчеркнуть особое значение определенного слова в конкретном предложении

論理的なアクセント(音声強調)
特定の文における特定の単語の特別な意味を強調するために使用されるもの。

つまり「声で強調することは文章の意味を理解するために重要なこと」である、ということを理解できます。自分自身の反省点も交えながら振り返ると、言葉は自分が思っている以上に強弱をつけるほうが相手に伝わりやすいのかな、と思っています。とりわけ日本語での会話はロシア語に比べると音声の強弱が明快でないケースも多いでしょうか、どうしても伝わりにくくなりがちかもしれません。今回改めてイントネーションの大切さを認識することができました。

オープンイヤー型ワイヤレスヘッドフォンSHOKZ OpenComm vs OLEAP PILOTを使ってみて思うこと / Review Open-ear headphone SHOKZ OpenComm vs OLEAP PILOT

ロシアに駐在していた少なくとも今から4,5年ほど前のこと、休暇を利用してアメリカに出かけた時に現地の空港通路にあるショップで偶然に見かけたのがShokz(当時はAfterShock)でした。当時はまだ日本でも全然有名ではなかったと思います。自分の耳の中にイヤフォンを入れて音楽・音声を聞くことは自分の耳への影響を考えると極端に避けています。その点で骨伝導は以前から大変興味があるもので、空港で商品を試すことなく購入することはしないタイプですが、思わずその商品の魅力に惹かれて購入しその場で早速使用し始めました。非常に軽快な装着感に大変満足。きっと音質を気にする方であれば選択しないのかもしれませんが、当時は専ら英語やロシア語ニュースのポッドキャストを聞くためであり私にとっては十分でした。特に心配であったのは、柔らかいので簡単に壊れてしまわないかという点でしたが、今でも、現在は使用していないものの無事に形を残したままケースに保管しています。

時は流れて、帰国してからオンライン会議用にShokzが出している、ということを知り購入したのがShokz。ネット上で話題になっていましたが、ShockをTeamsで使うときの大きなマイナスポイントは、マイクをミュートにしているとずっとビープ音が鳴りやまないこと。ミュートになっていることを知らせてくれるその機能は必須ではないのですが。解決策が分からず、当時の対策は、自分が発言しないときにはマイクをパソコンのマイクに変更してミュートにしておき、発言のタイミングでマイクをShockに戻す、というもの。

そんな機能をついに改良されたというニュースを会社の先輩から教えていただきました。Teamsで使用する際には以下の設定方法に習うならば解決できるそうです。

https://qiita.com/minorun365/items/25185594ac85d03f5459

そんなわけで、現在は専らJabra社のヘッドフォンが自分自身のメインのツールとなってるためにOpenCommを利用する機会がありませんでしたが、久々に利用開始してみたところ、確かにかつてのビープ音が無くなっていることに驚きました。Teamsのデバイス設定を確認すると、確かに上記記事にて説明されている通りの設定になっていました。ついに何も問題なくOpenCommを利用できるではないか!?そう思うと一気に利用頻度も高まってきています。これまで在宅勤務の際には音量にあまり大きな注意を払うことなくスピーカー(YVC-200)を利用して会議を行ってきたものの、住宅事情もあって近隣住民へ迷惑となっている恐れもあるのではと考えるとワイヤレスのヘッドフォンを利用する価値があるのかもしれません。

このYoutubeの動画では、両者の違いが大変丁寧に説明されているな、と思いました。おすすめです。

技術的なことを書けるほどの見識はありませんが、ここではあくまで実際に使用したユーザーとしての視点で感じた点を書いてみます。

比較製品

  • SHOKZ OpenComm

(注)執筆時点での最新モデルはOpenComm2:ttps://jp.shokz.com/products/opencomm2

私が所有しているのは現在販売されているOpenComm2の前の世代のものでOpenCommです。仮にこの記事を参考にされる方がいらっしゃれば最新モデルの情報をよく確認されることをお勧めいたします。Youtube動画で確認したところ、大きな変更点として挙げられていたのは2つ。マイクの位置がOpenCommでは左であったものがComm2では右側に変更されたこと。そして、Comm2ではマイク上にミュートボタンが付いたこと。これにより、Teamsで会議の時にミュートのON/OFFを手元のボタンで操作が可能となったということです。この機能はきっとShokzファンの方にとっては嬉しい変更ではないだろうか、と想像します。後でも記述していますが、OLEAPにはオレンジ色のミュートボタンが装備されていて気に入っています。

装着感

耳の大きさは人それぞれでこの装着感の良し悪しは人によりますが、OpenCommのほうが断然上かな、と私は断言できます。1時間ほど装着した後では、徐々に耳のあたりから痛みを感じるようになります。私の頭の大きさにも依存しているものと思いますが…挟まれている頭が痛くなってきます。Oleapのイヤホンは耳珠の部分に被さるようで、何か耳が圧迫感を感じることも原因なのかな?と勝手に想像しました。それで、短時間の会議での使用であればOleapでもOK、しかし、長時間の装着であればOpenCommが絶対的にオススメというのが私の意見です。

音声

Shokzは骨伝導での音伝達。一方のOleapのイヤホンは耳孔に挿入することはありませんが、耳元で音声がスピーカーからダイレクトに届くもの。構造が異なります。

上記の通りOleapで聞く音声は耳元で音声が直接届くためクリアな音がします。Shokzの製品は骨伝導ということで少々こもったような音というのでしょうか、この製品を使う際に試しに自分の両耳の穴を指で塞ぐと頭の中全体に音が広がって聞こえるような、何とも面白い音響効果です。オープンイヤー型でもあるためどうしても外の音を耳から拾ってしまう。周りが騒々しい環境の中でOpenCommを利用する場合いには音声を聞き取ることが難しい状況もあります。

Oleapの良さと言えば充電口はUSB-C。他の機材でもUSB-Cを利用しているためわざわざOleapのための専用充電ケーブルを持参する必要がないこと。また、右側スピーカー側ついているオレンジ色のボタンはミュートボタン。ボタンを手元で操作するだけでミュートのON、OFFの変更ができるのは便利です。他方のShokzですが、ケーブルは専用開発された独自の接続デザイン。このケーブルが壊れてしまうと充電ができない、という問題が出てしまいます。大切に扱っているので今のところ問題はありませんが、この形状になっているのは何故なのでしょう…。新しいShokzのOpenComm2ではミュートボタンもついたとのことで、ますますShokz製品の魅力が高まりそうです。

収納ケース

両者共に特徴のあるケースです。もっとコンパクトでバッグに入れやすいケースにしてくれればよかったのに…と思うことも。持ち運び用のイヤフォンはどうしてもコンパクトに優れたものが勝ることとほとんど利用する機会も少ないことからノイズキャンセリング機能つきのイヤフォンをカバンに常備しています。代用できそうなもっとコンパクトなケースを見つけて利用しようかな、と思いつつも持ち運びの機会がほとんどないために今はオリジナルのケースを利用継続しています。

厳しい教師が優れた成果を上げるのはなぜか ― ジェリー・カプチンスキー氏の教育方法から学べること/ Why Tough Teachers Get Good Results – learning from Mr. Jerry Kupchynsky’s teaching methods

日記を書き留めていた昔のノートを取り出して中身を整理をしていたところ、ちょうど10年前のWall Street Journalによる記事の切り抜きが出てきました。自分自身の父親と重なる部分もあってずっと印象に残っていた記事でしたので、ぜひここに記述してみようと思いました。

Why Tough Teachers Get Good Results

引用: Wall Street Journal, By Joanne Lipman Sept. 27, 2013

記事のタイトルは「厳しい教師が優れた成果を上げるのはなぜか」

昔、生徒が失敗すると「ばかもの」と言う先生に教わったことがある。私たちのオーケストラの指揮者で、名前はジェリー・カプチンスキー。ウクライナからの移民で気性が荒い人だった。誰かが音を外すと、オーケストラを止めては怒鳴っていた。「第1バイオリンで耳が聞こえないのは誰だ!」私たちに指に血がにじむこと練習させた。手や腕の位置を修正する時には鉛筆で突っついた。今なら首になっているだろう。だが、先生が数年前に亡くなると40年間に教えた生徒や同僚が全国から古い楽器を携えてニュージャージー州にやってきた。追悼コンサートにはニューヨーク・フィルハーモニックに劣らないほどの人数が参加した。ミスター・Kと呼ばれていたぶっきらぼうの先生にみんながこれほどの感謝の気持ちを抱いていたことに驚いたが、昔の生徒が成功していたことは衝撃的だった。音楽家になった生徒もいたが、ほとんどが法律や学問医学など音楽以外の分野で活躍していた。

このミスター・K氏の教育手法をまとめてみると以下の8つになるようです。

  1. 多少の痛みなら子供のためになる(A little pain is good for you)― 技能の獲得には「建設的でつらい意見」を言う教師が必要である。
  2. 基礎訓練が大事(Drill, baby, drill.)
  3. 失敗しても構わない(Failure is an option.)― 学習に失敗は必要だと分かっている子供のほうが成績がいい。
  4. 優しいより厳しい方がいい(Strict is better than nice)
  5. 想像力は習得できる(Creativity can be learned)― 伝統的な教育は創造性を損なうと批判されている。しかし、テンプル大学のロバート・W・ワイスバーグ心理学教授の研究によると、それは逆だという。トーマス・エジソンやフランク・ロイド・ライト、ピカソなど創造性豊かな天才を研究した結果、教授は生まれながらの天才は存在しないという結論に達した。天才の多くは猛烈に努力して、(外の世界)には突然のひらめきや大発見のように見えるものを徐々に達成する。
  6. 根性は才能に勝る(Grit trumps talent)ー ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース心理学教授(によれば)、根性で将来の成功を予測できることが分かった。この場合の根性とは、長期的な目標に向かう情熱や粘り強さである。
  7. 褒めると人は弱くなる(Praise makes you weak…)
  8. ストレスは人を強くする(…while stress makes you strong.)

一時期、”GRIT(Guts: ガッツ, Resilience: 粘り強さ, Initiative: 自発, Tenacity: 執念)”という言葉をよく聞くようになった ー そして今ではそれほど聞かなくなったような…? ― この言葉が定義されるよりもずっと昔から、ヒトは成長するためにはこの4つの要素を必要不可欠なこととして行っていた。そして後世の人が題してその要素をGRITと名付けた、ということでしょうか。

私自身の育った環境に照らし合わせてみると、このカプチンスキー氏の教育と自分の父親のそれとが似たものを持っていることもあってかこの教育方法に実感を持てました。中小企業のエンジニアで音楽とは全く関係のない仕事でありながらも趣味でヴァイオリン演奏を楽しんでいる姿。まったく音楽に興味もなく外で遊ぶことしか考えていなかったこの私にも毎日ヴァイオリンを必ず練習しないと怒る姿。どんなに嫌でも5分でもやれ!と。そんな当時の厳格な教育方法を見ていると、このカプチンスキー氏と似たものを感じました。果たしてカプチンスキー氏の生徒の皆さんのように数十年後に活躍できているかは別としていただき…、絶対に必要不可欠だと思うのは、基礎訓練の大事さ。才能は関係なく頑張り続ける根性。そして、新しいことに挑戦する限り失敗しても許されること。毎日小さなことの継続でしか大きな成長につながらない。そのためには基礎の積み重ねと粘り強い根性さが不可欠。そして、失敗はどうしても避けられない。失敗しても大丈夫。自分で自分を笑ってしまえば大丈夫。

それ以外の要素ついて言えば、この教育方法がすべての人にとって成功するために絶対的なものであるか、私には分かりません。厳しく接すると、それをバネにして伸びる人もいれば心が折れてしまう人もいる。頑張って頑張って才能を持つ人に勝ることもあれば、どんなに頑張ってどんなに根性があったとしても常に先を進み続ける才能を持つ人に勝ち目がないこともあります。褒めて伸びる人もいれば褒めてわがままになる人もいる。ストレスも時によって人のやる気を奪ってしまう強い負の働きを持つ力です。適度なストレスは、自分が人間社会に生きていることを実感させてくれますが、過度なストレスは人の心を立ち上がれないほどに押しつぶしてしまうことも。

何十年も経ってからミスター・Kの元生徒の一人が言った。「先生は自律を教えてくれた」。この生徒は元バイオリン奏者で、アイビーリーグの大学を卒業し、医者になった。「自発性だ」と言ったのはテクノロジー企業の役員となった元チェロ奏者だ。プロのチェリストとなった生徒は「立ち直る力」だと言った・「私たちに失敗する方法を、そして自分で再び立ち直る方法を教えてくれた。」

少なくとも、これまでの限られた私の経験から言えるのは、何かを学習するときには心の中に湧き立つ感情やドキッとするようなアクセント、そういったものを体験するときに記憶に残ることが多い。言い換えると、その感覚を経験する時が学習する機会となるのではないかな、と。カプチンスキー氏の教育方法はその感覚を経験することができるという意味で必要な要素を兼ね備えている方法なんだろうと思います。若い頃には声を荒げてしっかりと怒ってくれる上司がいて、その経験があってこそ今に生きているものがあります。自分の父親、ヴァイオリン、家や会社で経験を重ねてきたことがカプチンスキー氏の教育方法との重なり…その幾つもの類似点もあってより一層共感を得た記事であったのかもしれません。

人はそれぞれに自分が好きで取り組んできたものがあると思います。例えば、ある漫画を大好きでその内容であれば全て把握していたり。ゲームが大好きでひたすら打ち込んでみたり。サッカーや野球 ― 在宅勤務をしていると、近くの学校で大きな声を出して野球の練習に一生懸命に打ち込んでいる学生たちの声が聞こえてきます。情熱を注げるものがあることは大変素晴らしい ― 、あるいは勉強の一つの分野にとことん取り組んでみたり。それらがどんな媒体であっても、そこから得られた自分にしか分からない感情の湧き立ちを大切にして、その経験を他の分野においても適用してゆくこと。そうすれば他者とは比べることのない、自分なりの成功や満足感につながるのではないでしょうか。

サーシャ・スカチレンコ氏の”あまりにも奇妙で滑稽な”事件を見て思うこと / Thoughts on the “so bizarre and ludicrous” case of Sasha Skochilenko

つい最近日本のニュースでも取り上げられていましたが、ロシアの芸術家サーシャ・スカチレンコ氏がスーパーマーケットの値札を反戦メッセージに取り替えて、”フェイクニュース”を広めた罪で禁固7年の刑を宣告されました。逮捕された2022年4月11日以降の彼女の身に起こったことをまとめたドキュメンタリーがあります。(制作:https://www.currenttime.tv/)

私自身は、日本でもロシアでも実際の裁判所で公判を体験したことがないので、実際の雰囲気を自分の言葉で語ることができません。このような若い女性が戦争反対に声をあげたことで緊迫した状況が伝わってくる動画はきっと我々の知らないロシアの一部を見て取れる貴重なものだと思います。

楽しく過ごすレストランでの美味しい料理を堪能したり、高級なホテルのバーでお酒を楽しみながらの談笑、そんな駐在生活で楽しむ日々を過ごすその隣り合わせで繰り広げられているこんなドラマが。毎日のあっという間に過ぎ行く、忙しくも楽しくもあったロシアでの駐在生活も、実はプーチン大統領の手のひらの上で遊ばれているのでは…そんなことを冗談半分に思ったこともありますが中らずと雖も遠からずなのかもしれません。

2023年4月13日付で掲載されていた彼女のインタビュー記事を読んでいると、人生にとって何が本当に大切なことなのかを、不自由の無い自由を享受しているであろう私たちの多くにとって考えさせられる内容が述べられていました。

«Есть ощущение, что развязка будет неожиданной». Художница Саша Скочиленко дала «Вот Так» интервью из СИЗО, в котором сидит уже год

私は人生の中で正しい道を選択していたことも分かりました。それは、親しい関係づくりに多くのことに力を注いできたことです。自分の人生を創作活動に捧げ、多くの場合それを無償で行い、生活するのも大変で何とかやり繰りしてきたけれど、そのすべては人々からかつてないほどの助けと愛の形で自分に返ってきた。

(拘留される前までの)外での生活では、私は過去数年間…自分に何が起こっているのかを考える時間がまったくありませんでした。ここでは自分の人生を考え直すための時間がたくさんありました。たとえば、有名なミュージシャンやアーティストになることをいつも夢見ていたけれど、いざ有名になってみると、これは人生の中で全く重要なことではなかったことが分かりました。それは大概わずかな成果でしかない終わりの無い道で、どこにも通じていません。 世界のすべての名誉は、自由、愛、親しい友情に取って代わることはできません。

…希望のない真っ暗な憂うつの中に生きている人々の中には、人生の価値を — 自分のものも他人のものも — もはや何も感じず、もはや理解していない人もいる。何のために横の繋がりを築かなければならないのか理解できないし、どうすれば横の繋がりを築くこともできない。これが多くの問題の根源であるように私には思える。

インタビュー記事より翻訳

法廷での彼女の最終意見陳述の全文が以下のサイトに掲載されています。

https://zona.media/article/2023/11/16/o-da-zhizn

https://en.zona.media/article/2023/11/16/yes-life

最近、書棚にあった「収容所群島」(著:ソルジェニーツィン)の2巻まで読み返したところですが、時代は変われど今のロシアで行われている裁判は — スカチレンコ氏が”такое странное и смешное(あまりにも奇妙で滑稽な)”と表現した — この作品に描かれているソ連時代のそれと大きく変わっていないのではないでしょうか。少なくとも昔と違うのは、この彼女の最終意見陳述にあるように、”彼女が逮捕されていなかったら、彼女したことは(彼女を通報した)一人のおばあさん、レジ係とスーパーマーケットの警備員のみが知るところであったところが、(メディアを通して)ロシア国内と全世界が知ることになった”、ということかもしれません。もし興味ある方がいらっしゃれば、是非ともこの「収容所群島」を手に取ってみることをお勧めしたいです。

Appsheetで作る、毎日のやることチェックリスト/ Daily to-do checklist created with Appsheet

Appsheetを利用して自分で、自分が必要としているアプリをノーコードで作成できる。とっても素晴らしいな、と思います。ノーコードで作成できる、といってもそれなりに設定が求められますが…。苦戦しつつも以下の要件定義をAppsheetを使って作成してみました。

【要件定義】

  • 毎日必ずこなすべき日課を一覧にする。完了、未完了のステータスを簡単に管理できること。
  • 毎朝起床すると、今日のやるべき事のタスク一覧が表示され、”Not yet”(まだ着手していない)の状態となっていること。
  • タスクを完了すると、アイコンをクリックして”Done”にステータスを変更し、そのタスクは自動的にソートされる。同時にログとして記録される。
  • 毎日所定の時刻になると、”Done”のステータスは自動的に”Not yet”に戻る。
  • 日付も毎日更新する。(この機能はSpreadsheetに関数”=today()”を入れているため、Appsheetの機能を利用せずに毎日正しい日付を自動で取得する)。
  • どのタスクに何分費やしたか、どんな内容のことを行ったを記録できるメモ欄もあるので、必要な時にはEdit画面から補足情報を記録する。

以上の繰り返し。

参考にさせていただいた記事は下記の通りです。これらの記事が無ければ今回のアプリは実現できませんでした。大変貴重な情報に感謝いたします。今後も自分でこうしたい、と思えるものを実現できるように今後も改良してゆきます。

Google Apps Script で毎日決まった時間にスクリプトを実行するトリガー設定 (tonari-it.com)

Google Apps Scriptで呼び出したトリガーを削除する方法 (tonari-it.com)

AppSheet で簡単に作る!自分だけのタスク管理アプリ | ヨシヅミ-吉積情報株式会社|Google 認定プレミアパートナー (yoshidumi.co.jp)

作成の手順

まずはGoogle Spreadsheetで必要な項目、内容を記載します。Date列には関数の”=today()”を入力します。

GoogleのSpreadsheetを利用してこのように。

シート1”Task”の一覧。

続いて記録を残すための別のシート、”Log”も作成します。

つづいてAppsheet → ”Create an app”と進みます。さらに進んでゆくと、下記の画面になるので、ここからいよいよカスタマイズの開始です。

まずはDataページの作成からスタートします。Appsheetのタイトルを”Daily task checklist”に変更し、Logシートも追加します。(虫眼鏡アイコンの右隣りになる”+”をクリック)

Table: Tasksは以下の設定に。

続いてTable:Logは以下の設定に。

次に”Actions”へ移ります。

設定の内容は下記の通り。まずは一つ目。完了したタスクを”Done”に移動するためのアクションを作成してゆきます。

もう一つ作ります。”Save log”。完了したタスクをLogページに保存するものです。

つづいて”Automation”へ。

こんな感じです。Log column [Status] is changedの内容は以下の通り。

Setting画面にてセットしてゆくと、Conditionの中身は自動的に入力されます。詳細を見ると以下のようになっています。

Save Logの内容は以下の通り。

保存すると、Save Log 2が発生し、以下の画面のようにエラーが生じていました。赤マルがある限り後続処理が進みません。プロセスに問題があるのか、エラーの原因は残念ながら理解できていません。強制的にSave Log 2を削除します。(削除の後、動作確認テストをする限り問題はないようです)

DeleteしてSaveします。続いて”View”を整えてゆきます。

まずは”Tasks”から。

続いて”Log”へ。

さて、ここで動作を確認してみます。以下の状態が初期状態です。

英語とロシア語を完了したのでチェックマークを押しました。すると、自動的に両者が”Done”に移動しました。

このアプリでデータベースとして利用するSpreadsheetに戻ってみると、当初はすべてのStatusが”Not yet”でしたが、データベース(Spreadsheet)を覗いてみると、きちんと”Done”に更新されています。

以下の通りLog sheetにもログが正しく残っています。(ここでは詳細の説明を省いていますが、どれだけ時間を費やしたか、備忘録を残しておきたい時にはステータスを”Done”にする前に編集画面から記録を残してSaveすることもできます)

そして、明日も再び同じタスクを繰り返すことになりますが、ここで設定したいのは今日から明日の日付に変わった後に以下の二つが保証されることです。

  1. Statusが”Not yet”に戻ること、
  2. Time spentとMemoに記録した今日の内容がクリアされていることです。

それを実現するために、GASを利用しています。Apps Scriptを開き、Edit画面へ。

以下のコードを書きます。1:00にこのコードが走るように設定しています。

最後の二行にある数値では、

#上から2行目、左から3列目のセルを起点に6個下のセルまでを指定し、Valueを”Not yet”にします。

#上から2行目、左から5列目のセルを起点に6個下のセルまで、かつ隣のF列も含めるため列数を2としています。この範囲のセルをすべて空欄にするものです。例えば、今日のタスク実行で、タスクに要した時間やメモ書きを行った場合には、このコードがクリアしてくれます。そして明日は再び空欄の状態からタスクを開始できます。

この内容をSaveして実行すると…以下の警告メッセージが表示されます。このままAdvancedをクリックすると警告メッセージが表示されました。

”Advanced”をクリックし…”

さらにGo to Recet Status to Not yet(unsafe)”をクリックすると…

無事にコードが走りました。Triggerの場面にゆくと、以下のように新しいTriggerが作成されていることが分かります。

右側に見える鉛筆マークをクリックすると下記の画面になります。GASに記述したコードを自動的に実行させるために必要となるトリガーです。ここでは、毎日24時~25時の間に関数targetFunctionが自動的に実行されるように、という指示を表しています。

さて、実際の結果がどうなっているかを翌日に確認してみました。無事にTriggerが予定通りに実行されたことが記録されています。

昨日にStatusを”Done”にしていたものも、朝にアプリを開くと以下のように”Not yet”のステータスに戻っています。

Logシートにもしっかりと記録が残されています。

まだ改良の途上ですが、どのタスクを継続して毎日実行できているか、何分ほどタスクに時間を費やすことができているかなどをグラフで可視化することもできそうです。いざ自分で作り出そうとすると、この機能も欲しい、あの機能も…ときりがありませんし、いざ設定しようとすると上手くゆかずに時間だけが経過してしまうことも。まずは小さく始めて実際に動かしてみる。それから徐々に機能を追加していったり。その積み重ねが次につながる大きな一歩となるはずです。

基本ロシア語文法 発音と文字(2)

参照している参考書:「基本ロシア語文法」著:佐藤純一氏、発行:東京・昇龍堂出版株式会社

(この記事ではロシア語単語のアクセントはシンプルにアクセントを置く部分のすぐ後ろに「’」を置いています。)

母音でアクセントが無い時の発音

母音に該当する下記の文字にアクセントがないとき、発音が変わるので要注意。

“о”の場合:

молоко’ (マラコー、意味:牛乳)普通、母音のоは「オ」となりますが、この単語のように複数のоが使われていると、アクセントがないоは、短い「ア」に近い響きに。他方、ウクライナ語では、まったく同じ綴りでロシア語と同じ意味を持っているこの単語の発音は、モロコー、とすべてのоは「オ」の発音になるからこれまた面白い。

次に”я”。

例えば、язы’к(意味:言葉、舌)やяпо’нский(意味:日本の)。ちょっぴりロシア語に触れた方に言われることがあります、「英語のRを反対にした文字があるよね」、と。昔初めてロシア語を見たときに、なんだかカッコよいな、と思った文字の一つでした。通常は「ヤー」と読む”я”ですが、この単語ではяにアクセントが無い。そんな時には短い「イ」の発音に。язы’к(イズィク), япо’нский(インスキィ)こんな響き。

終わりに“е”

なんとなくですが、本来の音である「エ」が消えて、「イ」になる感じ。Какая беда!(カヤ ビダー!、意味:なんてこった!)

子音の同化

б, д, к, в, з, жは、単語の語末にあるときと、無声子音のすぐ前にある時には音が無くなる、という現象。

пе’рвый эта’ж(エターシュ、意味:1階) 、За’пад(ザーパトゥ、意味:西)ザーパ”ドゥ”ではなくてザーパ”トゥ”。

из ко’мнаты(イス コームナティ、意味:部屋の中から) これは意識していなかった。改めて考えてみると、深く考えずに発音してしまっていたなぁと。逆に音の有声化になることもある。т, к, с、この3つは有声子音の直前にあるときには有声子音として発音する。例えば、

я поеду’ к бра’ту в воскресе’нье.(ヤー パエドゥ グ ブラートゥ ヴ ヴァスクレセーニィエ、意味:私は日曜日に兄弟のところへ行きます)こんな時には「ク」 ブラートゥではなくて「グ」になってしまう。

要するに、無声子音の前にくれば、無声化。有声子音の前にくれば有声化の影響を受けるということだろう、と。もしかすると、理論よりも聞いて発音していればきっと口が勝手に覚えてくれるに違いない。無理な論理でそうなっているのではなく、人間が発音しやすいような形に発音がなされ、それを規則として言語化しただけなのだろうから。どうしても感覚に頼ってしまう私の個人的な見解ですが、規則を覚えることも大切な一方で、音の響きをたくさん聞き実際に発声することは同じくらい、いやそれ以上に大切なんだと思います。好きな音楽をたくさん聴いて自然と覚えてゆくのと同じように、その言語が奏でる音楽を耳から取り入れて体で覚えてゆく、そんなプロセスが上達に役立つのだろうな、と感じています。

最後に、例外的な綴りとその発音について

特殊なのは例外なのだから特殊であって、というからにはあまり数も多くないはず。と思えば、その時その時、その単語に出会ったときに覚える、ということでよろしいのだろう、きっと。сегодня(セヴォードゥニャ意味:今日 英語の”g”に相当する”г”が「ヴォ」と発音する例外)、Как научи’ться бы’стро счи’тать в уме’?(下線部分のсчは、「スチ」ではなくて「シ」という響きに。意味:頭の中で素早く計算できるようになるにはどうすればよい?)коне’чно!(カネェシナ!意味:もちろん!) сче’т, пожа’луйста(シショートゥ パジャールスタ、意味:お勘定お願いします)といった言葉は頻繁に使うので、覚えていて損はない、嫌でも覚えてしまうので大丈夫そうです。

外国語を学習するにあたり、自分の好きなテーマについて学習している国の言葉で聞くことはきっと役に立つのかな、と思います。例えば、インテリアが好きな人はインテリアを説明するロシア語のYoutube番組。プログラミングを勉強している人はロシア語で説明されているプログラミングのYoutubeを、といった風に。細かい部分は分からないとしても、画像を見ているとなんとなく繰り返される言葉やフレーズのイメージが頭に入ってきますし、海外ではどんな嗜好なのかを知る機会ともなります。そして、大抵の場合、自分の好きなテーマはそれなりに知識を持ち合わせているので、あっ、これはもしかしてこのことを言っているのかな?と推測することも容易かもしれません。また、素敵な響きを持つフレーズを覚えることで、その文章の中に存在するロシア語文法の規則も併せて学んでしまうとか。

例えばこんなフレーズ。なんだか情景も思い浮かんできます。

Большое окно выходило на горы, в него лился тёплый солнечный свет. (大きな窓からは山々が一望できて、窓には暖かい日差しが降り注いでいました。)Диана Уинн Джонс, Дом с характером, 2008

時間が限られている中、いかにして自分の学習していること同士を繋げて効果的に勉強することができるか…とても重要な関心事です。

その他、役に立った有益な情報について
  • ロシア語にアクセント記号を表示する方法について役立つ情報が記載されていました。

https://expressrussian.com/russian-letters-with-accents/

  • アクセントを置く部分に「’」マークを挿入する。それが一番シンプルなのかもしれません。今回の記事でも採用した方法です。

https://russiangram.com/

基本ロシア語文法 発音と文字(1)/ Basic Russian Grammer - Letter and Pronunciation (1)

(参考書:「基本ロシア語文法」著:佐藤純一氏、発行:東京・昇龍堂出版株式会社)

今回はロシア語のアルファベットから。基礎に戻ってロシア文字と発音を見てゆくことにします。新しい言語を学習する時には文字を一つ一つ見てゆくことは、とっても大切と思います。しかし、その言語にたくさん触れることで得られるものが多いのも事実。分からないものがあっても(初めは分からないことだらけですが…)、また、この「分からない!」という何とももどかしい、気持ちの悪い状態を早くすっきりしたい、整理してから次に進みたい、という思い。きっと誰もが持つと思います。そうはいっても、多分今は分からないので ― でも続けていればきっと必ず分かる日がくる ― この分からないものを認めたうえで前に進むことの大切さを意識したいです。きっとここで前に進めるかが、上達を左右する要素の一つではないかな、と感じています。

ロシア語のアイウエオ

日本語にも母音と呼ばれるアイウエオがあるように、ロシア語にも同じようなものがある。私には専門的な用語がわからないので、とにもかくにもきっと大切だろうと思うのは、日本語のアイウエオに該当する母音のようなものがロシア語には10個存在する、ということだ。

а(ア), э(エ), о(オ), у(ウ), и(イ), ы(ウとイを同時に言う感じ)それに加えて、日本語のヤユヨのようなものに該当するものが4つ。я(ヤ), е(イェ), ё(イョ。キーボードでロシア語設定済みであれば、この文字は日本語キーボードの左上にある「半角/全角」ボタンを押すと表示できる。これが分からず、しばらく発見するのに苦労した), そしてю(ユー)。

子音に該当するものが21個存在する。詳しくは、ネット上で「ロシア語 子音」と検索すると、すでに多くの方々が大変丁寧に説明してくださっているサイトに出会うことができます。ここでは省略して次へ。

軟子音

子音に該当する文字がя, и, ю, е, ё(以上、軟母音字と呼ぶ)の前にあるときは、日本語のピャ、ピュ、ピョのようになること。例えば、日本語でも言います、ピューレ。ロシア語ではпюре(ピュー。ロシア語ではアクセントの位置が日本とは異なり、レの部分に)。上に列挙されている文字が連続して利用されている単語であれば、тётя(チョーチャ。叔母の意味)。例が少なすぎるのできっと100%伝わっていないとわかっていても、そんな感じです。例外もあるので注意が必要だけど、多分例外を覚えるよりも基本的なことを押さえておけば大丈夫。時には完璧を目指さずにどんどん進むことのほうが、語学の上達には大切なことなのかもしれない。というか、やっぱり自分自身の性格が出るのかもしれない。とにかく言葉に触れて間違って、あれ?基本とちがうぞ?と思ったらそれが例外。そんな感じ。

硬音記号と軟音記号

特定の音声を表すのでなく、ただ発音上の記号として用いる字母が2つある。大学生1年生で初めてこの文字を知った時には、思わず、「そのままじゃん!」と思ったような記憶があります。他の文字にはきちんとした読み方があるのに、この二つは以下の通り、”硬音記号”、”軟音記号”というお堅い専門用語がそのままロシア語になっているだけだったから(正確に言えば、ロシア語のお堅い専門用語を日本語に翻訳しただけ)。でも、よく考えてみると、この二つは単語の中に目的を持って利用される特別な”記号(ズナーク)”であることに納得。

“ъ” トゥヴョールディ ズナーク(意味:硬音記号)日本語のキーボードの「「」があるところ)、子音字と軟母音字の間にあって、その両者を分離して発音することを表す。トゥヴョールディ=硬い、ズナーク=記号。という意味で響きも硬いような。この記号を見つけたらお宝を発見した気分で。文字のフォルムがまたお洒落です。

例:подъезд(建物の玄関口。オフィスビルでも、アパートでも幾つか存在する玄関口のどこに行けばよいのか、そんな会話をする時によく耳にする単語と思います)。この記号が無かったとすれば、”де”(私なりの勝手なイメージでは、ロシア語のдは、英語のzを発音するとき(舌が上あごにつかない、ジーという音)のそれを、あえて上あごに舌をつけてヂェ、と発音する感じ)となってしまうところ、подとездが明確に分かれて発音することを表しています。

“ь” ミャーフキー ズナーク(意味:軟音記号)子音の文字の後にこの記号が来ると、その子音が軟子音であることを表している。と言っても細かいことは分からないので、とにかく音が柔らかくなる、と覚えました。ミャーフキー 、響きからして何とも柔らかそううではないですか。いやでも至るところに出てくるのを目にしますので、いつの間にか慣れてしまいます。例えばсемья (セェミヤー)。このようにこの記号が軟母音字であるяの前に来るときには、その前後の軟子音と軟母音とが分離して発音することを意味している、ということのようです。もしь がなくてсемяとなれば、セミャー、という日本語で言えば、”家族”と言いたいところを”エイヤー!”と威勢のいい掛け声に。分かりにくい例を無理に持ってきましたが、この記号を無視して発音すると本来とは全く異なる意味になってしまう、ということをここでは強調したかったのでした。

アクセント

アクセントはロシア語でударение(ウダレーニエ)と言います。アクセントは非常に重要です。これがずれてしまうと全く違う意味になってしまうこともあるので…。日本語でアクセントを意識する…ということは無いと思うのですが、日本語でも文章の音の高低差を間違えることで話が「ん?」となることってありますね。それに近いものがあるのかもしれません。

(ご参考)NHK放送文化研究所 アクセントとイントネーション

参照しているこの教科書には、「アクセントのある音節の母音は、強く、長めに、はっきりしした音色で発音する。反対に、アクセントのない音節の母音は、弱く、短く、あいまいな音色で。」とあります。とにかくたくさん聴いて、たくさん発生していれば、いつか感覚でできるようになるので大丈夫。教科書を読んで、どんな感じかを文字の説明でイメージしたあとは、ひたすらロシア語をたくさん聴いて、そのロシア語という”音楽”のリズムを体で覚えるほうがずっと大切。アクセントの場所を間違えると全く違う意味になったり、全く相手に伝わらないことがあるから面白いです。自分の名前もロシア語で発音すると全く違う響きになり、自分の名前に母音が幾つあるのか、なんてことはロシア語を学習するまでは意識したことありませんでした。音程の変化がそれほど感じられない日本語と違い、ロシア語はもっと音楽的なのかもしれません(と個人的には考えています)。

例えば、замок(ザーマク=城) замок(ザモーク=鍵)。以前にも書いたかもしれませんが、 карусель(カルセーリ=メリーゴーランド)。モスクワで仕事をしていた頃、ロシア人のドライバーと会話していて”カルーセリ”、とウダレーニエを間違った部分に置いて話したところ、相手のロシア人はきょとんとした顔で会話がストップしてしまいました。「あー、カルセーリ!」と少し経ってから納得の顔。ウダレーニエの大切さを実感した瞬間でした。

そんなわけで今日はここまで。書き始めてみると、調べることも多く出てきて思ったように進まない。一つ一つのテーマを突き詰めて考えるとやっぱり言葉って深いんだなぁと感じます。自動翻訳があるからもう外国語を勉強する必要はない。そんなことは今もこれからも、そして将来もきっと無いと思っています。会話をする相手が人間である限り、言語を理解することはその人の心との交流でもあり、決して機械には置き換えることができないはずです。少なくとも、自動翻訳の発達により、どんな国の人とも会話をすることは負担なく実現できるのだと思います。そんな時代には、言語を学習する、ということは崇高なエンターテインメントになっているかも?

自分の専攻(ロシア語)*勉強(熱意と時間)=強力な個性 / Russian * Studying (passion and time) = Strong individuality

とある知り合いから、Youtuberのヨビノリで宇宙の成り立ちや量子力学の勉強をするとよい、という勧めをいただき、最近じっくりと見ることが増えてきました。そんな中、このチャンネルで、関西学院大学の新入生を対象に行われた講演でとても印象的だったのが、「個性を身につけたければ勉強をすれば良い」という話でした。自分の強みとなるしっかりと大きな円を作ることの大切さ、それは自分が所属する学部・学科の勉強をすることだ、ということ。その根拠は、大学生のほとんどは勉強しない!!つまり、勉強(を一生懸命に行うと、それ)は意外と強みになる。専門分野の知識があること、それ自体が個性になる。ということでした。

振り返ってみて、自分自身が大学で勉強したロシア語。私の知るかぎり、1学年で約70人ほど一緒にロシア語を学習した人で、今でもロシア語と深く関わっている人って一体どれだけいるのだろう?卒業する時点で、当時の私を含めてロシア語と深い関係のある分野に進んだ人はおらず、いたとしても卒業生の片手で数えられるくらいではなかっただろうか、と思います。さらに時も進み、ロシア語を離れることにした人もいれば、後から思いも寄らず、私のようにロシア語に再び浸かる環境に戻ってくる人もいる…。人生は何があるかわからないから面白い。勉強もろくにせずに何とか卒業したものの、まさかロシア語にここまで関わるとは露程も思わず。ロシアやウクライナから届く画像やストーリーを聞き、それを周りの友人に伝えることで現地のことを近くに感じてもらえる。そんなちょっとしたことでも自分に出来る役割に喜びを味わっています。

モスクワで働いていた頃、現地を調査のために訪れていた大学時代からの旧友と再会したことがあります。非営利団体と定められた契約期間の中でロシアに関係するテーマの研究を続けているようでした。その先のことを考えると不安が有ることを認めてはいたけれど、自分の打ち込めるものがあるっていうのは、毎日が生き生きと生活するためにとても素晴らしいことだと思う。同じように、現地の日本人社会には、日本で勤務していた一般企業を退職して、非営利団体の期限付きのモスクワ駐在派遣の立場を選んで転職した男性もいました。親がこの先のことを心配している、と言っていた(もちろん本人も)。それでも、その選択が単なる現状からの逃避ではなくて、自分の意思で選択したものであればやっぱり素晴らしい。あの時は、ロシアを取り巻く情勢がこうも変わるとは誰もが想像すらできませんでした。モスクワシティにドローン攻撃があったと聞いた時、その近くに住むロシア人の友人に連絡すると、「大丈夫。何も変わりなく生活しているよ」とのこと。ニュースで映し出される情勢と、現実の世界に身を置く人が眺める景色はきっと違うのだろう。

私自身、社会人になってからというもののすっかりロシア語の勉強から離れていたけれど、モスクワでの駐在生活を通じてロシアとの距離がぐっと縮まり、今でもロシアやウクライナの友人とやり取りが続く中、こんなことを考えることが増えました。大学時代から勉強し、曲がりなりにもずっとロシア語と関わりのある生活を送り、むしろその関係が強くなってきた今、自分が専攻した分野を真剣に学ぶ良いチャンスなのでは?と。そして、やっぱり言語が好きなんだな、と。冒頭の知り合いの方との話をきっかけとして、書棚にずっと残していたロシア語文法の教科書を取り出して読んで見ることにしました。正直なところ、文法の勉強は一番嫌いかも。使える時間も限られていてどこまでできるか分からないけどまずはやってみる。ということで、少しずつ基礎から復習しているところです。有言実行なのか、ただの意気込みで終わるのか…今後の勉強の成果をこのブログでも書いてゆこうと思います。

なお、素直に感じていますが、NHKのラジオ講座をしっかりやるだけで語学は十分に成長できる。そう思います。他の国のことは知りませんが、日本にはこれほどに素晴らしい学習教材が無償で提供されている、そう思うとどれだけ恵まれている国なのだろうって思います。自動翻訳がどれほど発展しても、語学を学ぶことの面白さは永遠に残ると信じています。

最後に、私の好きな英語学習の動画リンクを載せました。この動画を見ていると、おばあちゃん先生が、この年齢になっても人に教えることを心から楽しんでいる様子が伝わってきます。こんな風に楽しく自分の好きなことを学び、尚且つ、その好きなことを誰かに教えるチャンスまであれば、どんなに幸せなことでしょう。

NATO phonetic alphabet – Russian version / NATOフォネティックコードのロシア語版を作成してみた。

■目指したこと:

  1. NATO phonetic alphabetなるものがある。そのロシア語版を作成すること。
  2. 希望すれば、音声自動読み上げ機能を利用して表示されたロシア語の発音を聞けること。

■構成要素:

main.py

voicing_rus.py

nato_phonetic_alphabet_rus.csv

■作成の流れ:

音声読み上げに必要となる”pyttsx3をInstallした(”pip install pyttsx3”)

自分の利用しているPCにダウンロードされている音声読み上げ機能を確認し、ロシア語の”name”を確認する。その結果、”Microsoft Irina Desktop – Russian”をnameとして指定すればよいことが分かった。

以下のWikipediaサイトからロシア語版のphonetic alphabetリストを作成し、csvファイルに保存した。

Russian spelling alphabet – Wikipedia

下記リンクのウェブサイトを参考にしながら、main.py, voicing_rus.pyファイルを作成した。

■苦労したこと:

voicing.pyで、関数内に”self”を呼び出す必要があったが、その入力がないために以下のエラーが発生したこと。必要な個所に”self”を入力することでエラーを解消できた。なお、他の任意のアルファベットを代用してもエラーを解消することができた。

それで、”self”を利用するのは一つの流儀であり、必ずしもselfでなくてもよい。でも、きっとselfとしておくのがマナーである、と理解した上で”self”を利用しています。

エラー画面:

“takes 0 positional arguments but 1 was given”

■作成するにあたり参考にしたサイト

Pythonの学習に利用しているUdemyのコース:

100 Days of Code: The Complete Python Pro Bootcamp for 2023 | Udemy

Day26: 244. Solution & Walkthrough for the NATO Alphabet Project

上記以外にYoutubeで参考にしたサイト:

■エラー解消のために参考にしたサイト

https://office54.net/python/error/python-typeerror-argument

python – TypeError : takes 0 positional arguments but 1 was given – Stack Overflow