サンクトブルクでのSynergy Global Forum 2019を振り返って / Looking back on

会場に向かう、金曜日の朝のサンクトペテルブルクの地下鉄にて。朝からベンチでうなだれるように眠っている男性。一体どんな人生を過ごしてきて、そしていまこのベンチに座っているのだろう…半年働いてもらえるほどの金額、1枚の500,000RUBのビジネスフォーラムチケットを購入する人もいれば、日々の生活がやっとの人もいる世の中…そんなことを考えてました。

サンクトペテルブルクで10月4日(金)、5日(土)に開催されたSynerge Global Forum 2019。そこで感じたことを振り返って —

日頃から感じることに、ロシア人の多くはノートを取らないなぁ、と。会場ではじっくりと聞いている人が多い印象。あとは携帯でビデオをとっている人。日本の場合だと、ノートを取る人がもっと多いのではないだろうか。ノートを取っても取らなくても、大切なのは話の要点を頭に叩き込むこと。とあるロシア人に言わせると、「ノートを取っていると、書きとっている間に今話されている内容を聞き逃してしまうのが嫌だからとらない」のだとか。私自身を振り返ると、ノートになんでもメモを取ろうと一生懸命であった新入社員の時代。ベテランの女性社員に「ねぇねぇ、そんなにメモを取ってほんとに後で見返すの?」といわれてドキリ。メモを取るべし、とのハウツー本のアドバイスに従っていただけだったが、その本来の目的を見失っていたことがありました。メモを取るのはポイントのみでよし。すべての話される内容が重要なわけではなく、要所を押さえて聞き取り、後で時間がたっても思い起こせるようにメモを取っておく。振り返ることは前提として、要点メモは大切ですね。

セミナーなどで世界的に著名な方のお話を聞くのは、今回が初めてでとても貴重な体験でした。ロシアという場でどんな人たちが参加して、どんな様子で耳を傾けているのだろう、とても関心があり、実際に見て感じることができたことは素晴らしい経験となっています。それと同時に感じたのは、何度も出かけるものでもないんだな、と。高いお金を支払い、立派なお話を聞いて…その日は何だか賢くなったような錯覚に陥るのです。が、話の内容は決して目新しいものではなく、誰でも知っている内容が説かれているだけ。でも、なぜこのようなセミナーが世界各国で繰り返されているのかといえば、誰もが分かっていても、それを実際に行動に動かすことがどれだけ難しいことか…。だからこそ、このようなセミナーの需要が常にあるのだろうことが想像できます。私もそうです。どれだけ行動することが難しいことか実感しています、それも歳を取るほどに守りに入ってしまう…。

このようなセミナーに参加することの意義?それは、本屋に出かけて本をパラパラとめくることにもつながりますが (ハウツー本はもう自分自身のために買うことはないだろうなぁと。どれだけ大量の本を購入して、架空の自分の成長を妄想してきたことか…そしてお金の浪費…) 、”今の自分の方向性の正しさを確認することだろう”と。

話を聞くこと、本に書いてある内容をめくりながら確認してうん、そうそう、そうだよな、よし、自分の方向は間違っていないな。あれ、これは考えたほうがいいなぁ、今やっていることを継続することが目的化してしまっていて、本当の目的はなんだっけ…?など、熟考する機会に。

そして、もう一つの目的は、こんな風に大勢の同じような志を持っている人が世の中にいるんだ、自分自身も努力してゆこう、そんな気持ちにさせてくれるのが今回のセミナーでした。新入社員の1年目。メンターを務めてくれた年齢が倍ほどの方の言葉を覚えています。「正直、努力してもそれが本当に実るのか分からない。けれども、風が吹いたときに自分の行きたい方向に進むためには、船の帆を挙げておかなければならない。その帆を上げる準備ができているのか?それは日頃からの準備(努力)が大切なんだ」と。(我々は機械ではないので、日頃ぶつかる問題とも向き合いつつ、無理しすぎることなく自分なりに努力してゆきたいものです)

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門にて長く勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に激動の日々を過ごした中で当時悩み、もがいていた管理業務の情報、体験談を少しでも多くの方々と共有したい、との思いがきっかけとなりブログを始めました。今はロシア、ウクライナの友人たちと連絡を取りながらロシア語の勉強を続け、ただただ平和な世界が来ることを願う日々です。

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