モスクワでの給与構造は今もって理解できません。家族・親戚同士での助け合いがなければモスクワで生活してゆくことは難しいのではないかと感じます。昨年、監査対応のために大学生にアーカイブから書類探しのアルバイトを頼んだ際、とにかく非常に安かったことに驚きを覚えたのを覚えています。確か500円/時間も払っていなったはずです。その学生はその金額でまったく問題ない、とのこと。賃金というのは、単なる市場平均だけではなく、会社が持つ無形価値とそれを認める被雇用者側の合意のもとで成り立つものであり、標準化して語ることができないと思いますので、難しいテーマです。ロシア人スタッフはそんなことお構いなしに、「私の給与は低すぎる。適切に評価されていない!」なんて平気で言ってきます。何も言わずに去ってゆくのではなく、このような話を直接言ってくれる人には感謝しないといけない、なんてアドバイスも受けたことがありますが、どうでしょうか・・いなくなっても困らない人間もいますので。
モスクワでの職探しは、概ねインターネットが主流です。多くのリクルートエージェント会社が存在し、その中で複数の会社と契約をして採用活動をするのが一般的ではないでしょうか。
以下に挙げるサイトが主流と思われます。私自身も人材採用を担当する中でよく見るウェブサイトはHeadhunterですが、それ以外のサイトも見聞きすることのあるサイトです。
- Headhunter (hh.ru) – https://hh.ru/
- Indeed – https://ru.indeed.com/
- Avito (avito.ru) – https://www.avito.ru/moskva/rabota
- «Яндекс Работа» – https://rabota.yandex.ru/
- Rabota.ru - https://www.rabota.ru/
モスクワの平均給与は直近のデータによれば89,045RUB(参照:ロシア統計局の公式サイトより。なお、ロシアの企業は毎月、毎四半期、毎年とそれぞれ定められた統計を提出することが義務付けられてます。今回のようにデータを調査する中で、定期的に提出しているデータがこのように統計データの一部として集計されているのであろうことを理解できました)
実際、モスクワで生活する者としての感覚では、一般的な給与レベルはこれほど高くありません。どこかのウェブサイトでは、【この平均給与には高い給与を得ているマネジメントクラスの金額が含まれており、その高い給与のために平均が上振れしているのであろう」とのコメントがありました。私も同意見です。食料品購入のために日頃出かけるお店の人材募集を見ていると、店頭スタッフは概ね40,000RUBというのが一つの目安なのかな、と勝手に思ってます。オフィススタッフについては50,000 ~ 60,000 RUBではないかと。その中でもIT業界の平均給与の高騰には目をみはるものがあり、200,000RUBを超えることは珍しくありません。他のスタッフとの給与バランスを考えると、小さな会社ではITスタッフにこれだけ払える会社はそう多くないのではないでしょうか。いかにITスタッフにその他の分野でのベネフィットを感じてもらえるか、いかに本人が葉たらやきやすい環境を作ってあげることができるか、そういったお金以外の分野での福利厚生の整備が重要になってきます。この点はまだ会社規模がまだ決して大きくない日系企業にとっても給与バランスの取り方に苦労する場面であろうと想像します。
参照したリンクでは、職探しをしている信仰心の熱い人は、St. Spyridon(Святой Спиридон Тримифунтский)― 仕事での成功に力のある方だそうです ― へ祈ることもアドバイスされていました。ロシア正教会の国らしい情報です。 祈りも大切でしょうが、それに合わせて行動することが重要ですね。
今回の記事の参考Link
https://hiterbober.ru/work/kak-ustroitsya-i-gde-najti-rabotu.html