基本ロシア語文法 発音と文字(2)

参照している参考書:「基本ロシア語文法」著:佐藤純一氏、発行:東京・昇龍堂出版株式会社

(この記事ではロシア語単語のアクセントはシンプルにアクセントを置く部分のすぐ後ろに「’」を置いています。)

母音でアクセントが無い時の発音

母音に該当する下記の文字にアクセントがないとき、発音が変わるので要注意。

“о”の場合:

молоко’ (マラコー、意味:牛乳)普通、母音のоは「オ」となりますが、この単語のように複数のоが使われていると、アクセントがないоは、短い「ア」に近い響きに。他方、ウクライナ語では、まったく同じ綴りでロシア語と同じ意味を持っているこの単語の発音は、モロコー、とすべてのоは「オ」の発音になるからこれまた面白い。

次に”я”。

例えば、язы’к(意味:言葉、舌)やяпо’нский(意味:日本の)。ちょっぴりロシア語に触れた方に言われることがあります、「英語のRを反対にした文字があるよね」、と。昔初めてロシア語を見たときに、なんだかカッコよいな、と思った文字の一つでした。通常は「ヤー」と読む”я”ですが、この単語ではяにアクセントが無い。そんな時には短い「イ」の発音に。язы’к(イズィク), япо’нский(インスキィ)こんな響き。

終わりに“е”

なんとなくですが、本来の音である「エ」が消えて、「イ」になる感じ。Какая беда!(カヤ ビダー!、意味:なんてこった!)

子音の同化

б, д, к, в, з, жは、単語の語末にあるときと、無声子音のすぐ前にある時には音が無くなる、という現象。

пе’рвый эта’ж(エターシュ、意味:1階) 、За’пад(ザーパトゥ、意味:西)ザーパ”ドゥ”ではなくてザーパ”トゥ”。

из ко’мнаты(イス コームナティ、意味:部屋の中から) これは意識していなかった。改めて考えてみると、深く考えずに発音してしまっていたなぁと。逆に音の有声化になることもある。т, к, с、この3つは有声子音の直前にあるときには有声子音として発音する。例えば、

я поеду’ к бра’ту в воскресе’нье.(ヤー パエドゥ グ ブラートゥ ヴ ヴァスクレセーニィエ、意味:私は日曜日に兄弟のところへ行きます)こんな時には「ク」 ブラートゥではなくて「グ」になってしまう。

要するに、無声子音の前にくれば、無声化。有声子音の前にくれば有声化の影響を受けるということだろう、と。もしかすると、理論よりも聞いて発音していればきっと口が勝手に覚えてくれるに違いない。無理な論理でそうなっているのではなく、人間が発音しやすいような形に発音がなされ、それを規則として言語化しただけなのだろうから。どうしても感覚に頼ってしまう私の個人的な見解ですが、規則を覚えることも大切な一方で、音の響きをたくさん聞き実際に発声することは同じくらい、いやそれ以上に大切なんだと思います。好きな音楽をたくさん聴いて自然と覚えてゆくのと同じように、その言語が奏でる音楽を耳から取り入れて体で覚えてゆく、そんなプロセスが上達に役立つのだろうな、と感じています。

最後に、例外的な綴りとその発音について

特殊なのは例外なのだから特殊であって、というからにはあまり数も多くないはず。と思えば、その時その時、その単語に出会ったときに覚える、ということでよろしいのだろう、きっと。сегодня(セヴォードゥニャ意味:今日 英語の”g”に相当する”г”が「ヴォ」と発音する例外)、Как научи’ться бы’стро счи’тать в уме’?(下線部分のсчは、「スチ」ではなくて「シ」という響きに。意味:頭の中で素早く計算できるようになるにはどうすればよい?)коне’чно!(カネェシナ!意味:もちろん!) сче’т, пожа’луйста(シショートゥ パジャールスタ、意味:お勘定お願いします)といった言葉は頻繁に使うので、覚えていて損はない、嫌でも覚えてしまうので大丈夫そうです。

外国語を学習するにあたり、自分の好きなテーマについて学習している国の言葉で聞くことはきっと役に立つのかな、と思います。例えば、インテリアが好きな人はインテリアを説明するロシア語のYoutube番組。プログラミングを勉強している人はロシア語で説明されているプログラミングのYoutubeを、といった風に。細かい部分は分からないとしても、画像を見ているとなんとなく繰り返される言葉やフレーズのイメージが頭に入ってきますし、海外ではどんな嗜好なのかを知る機会ともなります。そして、大抵の場合、自分の好きなテーマはそれなりに知識を持ち合わせているので、あっ、これはもしかしてこのことを言っているのかな?と推測することも容易かもしれません。また、素敵な響きを持つフレーズを覚えることで、その文章の中に存在するロシア語文法の規則も併せて学んでしまうとか。

例えばこんなフレーズ。なんだか情景も思い浮かんできます。

Большое окно выходило на горы, в него лился тёплый солнечный свет. (大きな窓からは山々が一望できて、窓には暖かい日差しが降り注いでいました。)Диана Уинн Джонс, Дом с характером, 2008

時間が限られている中、いかにして自分の学習していること同士を繋げて効果的に勉強することができるか…とても重要な関心事です。

その他、役に立った有益な情報について
  • ロシア語にアクセント記号を表示する方法について役立つ情報が記載されていました。

https://expressrussian.com/russian-letters-with-accents/

  • アクセントを置く部分に「’」マークを挿入する。それが一番シンプルなのかもしれません。今回の記事でも採用した方法です。

https://russiangram.com/

基本ロシア語文法 発音と文字(1)/ Basic Russian Grammer - Letter and Pronunciation (1)

(参考書:「基本ロシア語文法」著:佐藤純一氏、発行:東京・昇龍堂出版株式会社)

今回はロシア語のアルファベットから。基礎に戻ってロシア文字と発音を見てゆくことにします。新しい言語を学習する時には文字を一つ一つ見てゆくことは、とっても大切と思います。しかし、その言語にたくさん触れることで得られるものが多いのも事実。分からないものがあっても(初めは分からないことだらけですが…)、また、この「分からない!」という何とももどかしい、気持ちの悪い状態を早くすっきりしたい、整理してから次に進みたい、という思い。きっと誰もが持つと思います。そうはいっても、多分今は分からないので ― でも続けていればきっと必ず分かる日がくる ― この分からないものを認めたうえで前に進むことの大切さを意識したいです。きっとここで前に進めるかが、上達を左右する要素の一つではないかな、と感じています。

ロシア語のアイウエオ

日本語にも母音と呼ばれるアイウエオがあるように、ロシア語にも同じようなものがある。私には専門的な用語がわからないので、とにもかくにもきっと大切だろうと思うのは、日本語のアイウエオに該当する母音のようなものがロシア語には10個存在する、ということだ。

а(ア), э(エ), о(オ), у(ウ), и(イ), ы(ウとイを同時に言う感じ)それに加えて、日本語のヤユヨのようなものに該当するものが4つ。я(ヤ), е(イェ), ё(イョ。キーボードでロシア語設定済みであれば、この文字は日本語キーボードの左上にある「半角/全角」ボタンを押すと表示できる。これが分からず、しばらく発見するのに苦労した), そしてю(ユー)。

子音に該当するものが21個存在する。詳しくは、ネット上で「ロシア語 子音」と検索すると、すでに多くの方々が大変丁寧に説明してくださっているサイトに出会うことができます。ここでは省略して次へ。

軟子音

子音に該当する文字がя, и, ю, е, ё(以上、軟母音字と呼ぶ)の前にあるときは、日本語のピャ、ピュ、ピョのようになること。例えば、日本語でも言います、ピューレ。ロシア語ではпюре(ピュー。ロシア語ではアクセントの位置が日本とは異なり、レの部分に)。上に列挙されている文字が連続して利用されている単語であれば、тётя(チョーチャ。叔母の意味)。例が少なすぎるのできっと100%伝わっていないとわかっていても、そんな感じです。例外もあるので注意が必要だけど、多分例外を覚えるよりも基本的なことを押さえておけば大丈夫。時には完璧を目指さずにどんどん進むことのほうが、語学の上達には大切なことなのかもしれない。というか、やっぱり自分自身の性格が出るのかもしれない。とにかく言葉に触れて間違って、あれ?基本とちがうぞ?と思ったらそれが例外。そんな感じ。

硬音記号と軟音記号

特定の音声を表すのでなく、ただ発音上の記号として用いる字母が2つある。大学生1年生で初めてこの文字を知った時には、思わず、「そのままじゃん!」と思ったような記憶があります。他の文字にはきちんとした読み方があるのに、この二つは以下の通り、”硬音記号”、”軟音記号”というお堅い専門用語がそのままロシア語になっているだけだったから(正確に言えば、ロシア語のお堅い専門用語を日本語に翻訳しただけ)。でも、よく考えてみると、この二つは単語の中に目的を持って利用される特別な”記号(ズナーク)”であることに納得。

“ъ” トゥヴョールディ ズナーク(意味:硬音記号)日本語のキーボードの「「」があるところ)、子音字と軟母音字の間にあって、その両者を分離して発音することを表す。トゥヴョールディ=硬い、ズナーク=記号。という意味で響きも硬いような。この記号を見つけたらお宝を発見した気分で。文字のフォルムがまたお洒落です。

例:подъезд(建物の玄関口。オフィスビルでも、アパートでも幾つか存在する玄関口のどこに行けばよいのか、そんな会話をする時によく耳にする単語と思います)。この記号が無かったとすれば、”де”(私なりの勝手なイメージでは、ロシア語のдは、英語のzを発音するとき(舌が上あごにつかない、ジーという音)のそれを、あえて上あごに舌をつけてヂェ、と発音する感じ)となってしまうところ、подとездが明確に分かれて発音することを表しています。

“ь” ミャーフキー ズナーク(意味:軟音記号)子音の文字の後にこの記号が来ると、その子音が軟子音であることを表している。と言っても細かいことは分からないので、とにかく音が柔らかくなる、と覚えました。ミャーフキー 、響きからして何とも柔らかそううではないですか。いやでも至るところに出てくるのを目にしますので、いつの間にか慣れてしまいます。例えばсемья (セェミヤー)。このようにこの記号が軟母音字であるяの前に来るときには、その前後の軟子音と軟母音とが分離して発音することを意味している、ということのようです。もしь がなくてсемяとなれば、セミャー、という日本語で言えば、”家族”と言いたいところを”エイヤー!”と威勢のいい掛け声に。分かりにくい例を無理に持ってきましたが、この記号を無視して発音すると本来とは全く異なる意味になってしまう、ということをここでは強調したかったのでした。

アクセント

アクセントはロシア語でударение(ウダレーニエ)と言います。アクセントは非常に重要です。これがずれてしまうと全く違う意味になってしまうこともあるので…。日本語でアクセントを意識する…ということは無いと思うのですが、日本語でも文章の音の高低差を間違えることで話が「ん?」となることってありますね。それに近いものがあるのかもしれません。

(ご参考)NHK放送文化研究所 アクセントとイントネーション

参照しているこの教科書には、「アクセントのある音節の母音は、強く、長めに、はっきりしした音色で発音する。反対に、アクセントのない音節の母音は、弱く、短く、あいまいな音色で。」とあります。とにかくたくさん聴いて、たくさん発生していれば、いつか感覚でできるようになるので大丈夫。教科書を読んで、どんな感じかを文字の説明でイメージしたあとは、ひたすらロシア語をたくさん聴いて、そのロシア語という”音楽”のリズムを体で覚えるほうがずっと大切。アクセントの場所を間違えると全く違う意味になったり、全く相手に伝わらないことがあるから面白いです。自分の名前もロシア語で発音すると全く違う響きになり、自分の名前に母音が幾つあるのか、なんてことはロシア語を学習するまでは意識したことありませんでした。音程の変化がそれほど感じられない日本語と違い、ロシア語はもっと音楽的なのかもしれません(と個人的には考えています)。

例えば、замок(ザーマク=城) замок(ザモーク=鍵)。以前にも書いたかもしれませんが、 карусель(カルセーリ=メリーゴーランド)。モスクワで仕事をしていた頃、ロシア人のドライバーと会話していて”カルーセリ”、とウダレーニエを間違った部分に置いて話したところ、相手のロシア人はきょとんとした顔で会話がストップしてしまいました。「あー、カルセーリ!」と少し経ってから納得の顔。ウダレーニエの大切さを実感した瞬間でした。

そんなわけで今日はここまで。書き始めてみると、調べることも多く出てきて思ったように進まない。一つ一つのテーマを突き詰めて考えるとやっぱり言葉って深いんだなぁと感じます。自動翻訳があるからもう外国語を勉強する必要はない。そんなことは今もこれからも、そして将来もきっと無いと思っています。会話をする相手が人間である限り、言語を理解することはその人の心との交流でもあり、決して機械には置き換えることができないはずです。少なくとも、自動翻訳の発達により、どんな国の人とも会話をすることは負担なく実現できるのだと思います。そんな時代には、言語を学習する、ということは崇高なエンターテインメントになっているかも?

自分の専攻(ロシア語)*勉強(熱意と時間)=強力な個性 / Russian * Studying (passion and time) = Strong individuality

とある知り合いから、Youtuberのヨビノリで宇宙の成り立ちや量子力学の勉強をするとよい、という勧めをいただき、最近じっくりと見ることが増えてきました。そんな中、このチャンネルで、関西学院大学の新入生を対象に行われた講演でとても印象的だったのが、「個性を身につけたければ勉強をすれば良い」という話でした。自分の強みとなるしっかりと大きな円を作ることの大切さ、それは自分が所属する学部・学科の勉強をすることだ、ということ。その根拠は、大学生のほとんどは勉強しない!!つまり、勉強(を一生懸命に行うと、それ)は意外と強みになる。専門分野の知識があること、それ自体が個性になる。ということでした。

振り返ってみて、自分自身が大学で勉強したロシア語。私の知るかぎり、1学年で約70人ほど一緒にロシア語を学習した人で、今でもロシア語と深く関わっている人って一体どれだけいるのだろう?卒業する時点で、当時の私を含めてロシア語と深い関係のある分野に進んだ人はおらず、いたとしても卒業生の片手で数えられるくらいではなかっただろうか、と思います。さらに時も進み、ロシア語を離れることにした人もいれば、後から思いも寄らず、私のようにロシア語に再び浸かる環境に戻ってくる人もいる…。人生は何があるかわからないから面白い。勉強もろくにせずに何とか卒業したものの、まさかロシア語にここまで関わるとは露程も思わず。ロシアやウクライナから届く画像やストーリーを聞き、それを周りの友人に伝えることで現地のことを近くに感じてもらえる。そんなちょっとしたことでも自分に出来る役割に喜びを味わっています。

モスクワで働いていた頃、現地を調査のために訪れていた大学時代からの旧友と再会したことがあります。非営利団体と定められた契約期間の中でロシアに関係するテーマの研究を続けているようでした。その先のことを考えると不安が有ることを認めてはいたけれど、自分の打ち込めるものがあるっていうのは、毎日が生き生きと生活するためにとても素晴らしいことだと思う。同じように、現地の日本人社会には、日本で勤務していた一般企業を退職して、非営利団体の期限付きのモスクワ駐在派遣の立場を選んで転職した男性もいました。親がこの先のことを心配している、と言っていた(もちろん本人も)。それでも、その選択が単なる現状からの逃避ではなくて、自分の意思で選択したものであればやっぱり素晴らしい。あの時は、ロシアを取り巻く情勢がこうも変わるとは誰もが想像すらできませんでした。モスクワシティにドローン攻撃があったと聞いた時、その近くに住むロシア人の友人に連絡すると、「大丈夫。何も変わりなく生活しているよ」とのこと。ニュースで映し出される情勢と、現実の世界に身を置く人が眺める景色はきっと違うのだろう。

私自身、社会人になってからというもののすっかりロシア語の勉強から離れていたけれど、モスクワでの駐在生活を通じてロシアとの距離がぐっと縮まり、今でもロシアやウクライナの友人とやり取りが続く中、こんなことを考えることが増えました。大学時代から勉強し、曲がりなりにもずっとロシア語と関わりのある生活を送り、むしろその関係が強くなってきた今、自分が専攻した分野を真剣に学ぶ良いチャンスなのでは?と。そして、やっぱり言語が好きなんだな、と。冒頭の知り合いの方との話をきっかけとして、書棚にずっと残していたロシア語文法の教科書を取り出して読んで見ることにしました。正直なところ、文法の勉強は一番嫌いかも。使える時間も限られていてどこまでできるか分からないけどまずはやってみる。ということで、少しずつ基礎から復習しているところです。有言実行なのか、ただの意気込みで終わるのか…今後の勉強の成果をこのブログでも書いてゆこうと思います。

なお、素直に感じていますが、NHKのラジオ講座をしっかりやるだけで語学は十分に成長できる。そう思います。他の国のことは知りませんが、日本にはこれほどに素晴らしい学習教材が無償で提供されている、そう思うとどれだけ恵まれている国なのだろうって思います。自動翻訳がどれほど発展しても、語学を学ぶことの面白さは永遠に残ると信じています。

最後に、私の好きな英語学習の動画リンクを載せました。この動画を見ていると、おばあちゃん先生が、この年齢になっても人に教えることを心から楽しんでいる様子が伝わってきます。こんな風に楽しく自分の好きなことを学び、尚且つ、その好きなことを誰かに教えるチャンスまであれば、どんなに幸せなことでしょう。

Жизнь как по нотам / 美しいメロディを奏でる素敵な人生を(我流解釈)

昔の日記ノートを整理していると出てきた、当時切り抜いて保存していた新聞記事より。中身は読んでいなかったけれど、きっと、当時はそのタイトルと文章に散りばめられた音符との洒落た文章構成に魅了されてノートに保存していたんだろうと思います。

ロシア中部に位置する都市ウファにある、子供のための芸術学校の校長先生が寄稿した記事。2018年が成功裏に終わった実り豊かな年であったことを語っている記事で、その内容に特筆すべきものはないのですが、ドレミファソラシド(До, Ре, Ми, Фа, Соль, Ля, Си, До)が太字で記事の中に散りばめられています。何だか素敵な発想ですよね。そう思って、インターネットで検索してみると同じような発想で書かれた詩、動画などがヒットしましたので決して珍しくないようです。

Все успехи и достижения складываются из кропотливого, ежедневного труда учавщихся и их наставников. Случаются и победы, и маленькие неудачи. И это естественно – весь творчество, подобно черным и белым клавишам рояля, являет собой гармоничый аккорд.

すべての成功と成果は、生徒一人一人と先生たちが一生懸命に日々積み重ねてきた努力の賜物。うまくいったこともあれば、ちょっとした失敗もあります。 これは当然のこと。それらすべての”創作物”は、ピアノの黒鍵と白鍵のように調和のとれた和音となっています。

とか、

Пусть новый 2019 год подарит нам не меньше событий и эмоций, которые выстроятся в прекрасном звучании любимых ДО, РЕ, МИ, ФА, СОЛЬ, ЛЯ, СИ

新しい年、2019年が私たちのために、愛しくて美しい響きを奏でるドレミファソラシ…の音となって一層の出来事と熱い気持ちを与えてくれますように。

など。音楽と掛け合わせた文章表現が素敵だな、と思います。

ロシア語の辞書を見ると、”как по нотам”の意味は、Как по нотам (разг.) — без неожиданных затруднений; как было подготовлено. Всё прошло, как по нотам.(kartaslov.ruより)とあり、「予想外の困難もなく、すべてが前もって準備されていたかのよう」な意味となっていて、必ずしも音符の意味を持つнотаの意味とは関係がなさそうです。

とっても短いこの表現ですが、その意味するところは深いなぁ、と思いながら色々と調べていました。率直に言って、いまだに100%の理解に至っていないのですが、この記事について言えば、上記の意味と共に、ドレミファソラシドの美しい音から成る音楽とをかけ合わせて「子供たちが芸術学校で学んだことは、これからの人生においても大きな役割を果たし、素晴らしい人生を送ることに役立つに違いありません。」と言っているのかな、と理解しました。(面白い方法だな、と思った学習方法をYoutuberの方が言っていたのを思い出しますが、全く分からない言語が出てきたら、それをGoogleの検索ボックスに貼付し、検索結果を画像で表示させるそうです。そうすると、頭の中にイメージで入ってくるので、そのイメージを意識して脳に納得させることが有効だ、とのこと。)

(参考記事)

Детская школа искусств – не кружок
по интересам, а «увертюра» к взрослой жизни

ところで、Youtubeでこんな面白い動画を見つけました。音楽を演奏することがどれだけ脳にとって有益か、ということ。音楽を演奏している時、脳の中では花火が飛び交っているようです。外国語の勉強もボケ防止に役立つ、なんてことも聞いたことがあります。音楽、言語…、言葉も音楽の一種と思いますので、きっと両者の結びつきは深いものと信じています。ふと目を上げると、壁際では長いこと埃を被っているしまったギターが部屋の飾りと化しています。今年こそは、と憧れのジャズギターを練習しようと決意して、時は既に3月…。

以下の動画は、ユーモア溢れるロシアの先生による”Жизнь как по нотам”

ウクライナ語とロシア語 / Українська мова and Русский язык

ここ最近、外国語学習アプリのDuolingoを利用してウクライナ語をちょっぴりかじっています。住んでいる街のウェブサイトを見ると、ここにもウクライナから避難してきている人たちがいるのだとか。何かできることはないかと、秋くらいだったか、ロシア語通訳のボランティアとして登録をしました。昨年末には、一度お電話をいただき、お役所の事務手続き関係の通訳が可能かどうか?とのことでした。その後、具体的なボランティアの話は現在までにありませんが、自分のロシア語のレベルがどれくらいなのか?この点を客観的に明確に説明できる何かがあったら良いなあ、と感じました。「通訳ができるかできないかは、まずは呼んでいただき、こりゃあ使い物にならないと思ったらそこで首にしていただくなんてどうですか?」なんてちょっぴり冗談ありの柔らかい雰囲気でご担当の方と会話した後、結局お話をいただけていないので、すでにあの電話の時には首になってしまったのかもしれませんが。

とある報道を見た記憶では、ロシアがウクライナに侵攻してからはロシア語を話したがらないウクライナ人が増えているのだとか。その気持ちも分からないでもないです。実際、2022年9月からは、キエフではロシア語を学校で教えるのをストップしたということです(以下のYoutube動画より)。もしかして将来にウクライナの人と話す時に、少しでもウクライナ語が分かったらいいな、という気持ちから最低限でもDuolingoを開いているところです。

9月からキエフの学校ではロシア語を勉強しなくなることについて、「それは良いと思う。」と答える女性が大変流暢なロシア語で会話を続けていることを見ると、ロシア語とウクライナ語を簡単に切り離せるものではないことを感じさせられます。

先週、ウクライナ西部に住む友人とオンラインで会話した際、実際に現地ではどうなのかを尋ねてみました。ウクライナの人たちはロシア語を話すことに否定的になっているのか?そんな人たちが増えているのか?と。これは一人の個人的な意見なので、これが大多数の見解であると決めつけることはできません。彼が言うには、— 確かにロシア語を話すことに否定的な人もいるのは確か。そうはいっても、今は東部から西部に人が流れてきている。彼らの多くはロシア語を話す人たち。西部の人もロシア語が分かる。会話をするとなるとロシア語にならざるをえない、別にそれがどうした?必要があるからロシア語を話す、それだけだ。— ということでした。

今思い返せば、約何十年か前。ロシアでのおよそ8か月の語学留学を終えてからバックパッカーの旅を始めたばかりの事。多少はロシア語が上達したと思って訪れたウクライナ西部の中心都市リヴィウでのことでした。路面電車に乗り、車内で切符を購入しようとしたもののそのタイミングを逃した途端に(販売していた女性が反対方向に行ってしまったので、戻ってきて目が合った時に声をかければよいかと思ったのですが)、私のすぐ隣に立っていた男性に強い調子で何かを言われ、次の停車駅だったかで路面電車が停車したところで強制的に降ろされたことを思い出します。ロシア語で話しても相手はウクライナ語でまくしたて来て何を言っているのかさっぱり分からない…それでも罰金10ドルほど支払う必要があることだけは分かり、支払って解放されたことがありました。果たしてあのお金はあるべき場所に収められたのか、単に彼の懐に入っただけなのかは…私には分かりません。あの時、ウクライナの西部ではこれほどまでにウクライナ語が浸透しているのか…という印象を持ったことを今でも覚えています。というのも、キエフでは普通にロシア語が聞こえてきたものですから…。

ウクライナ語を学ぶといっても、「あなたは誰?」「私は学生です。」といった初歩的な表現です。「誰?」はウクライナ語では”Хто”(フトー), ロシア語では”Кто”(クトー)。「話す」は、どちらの言語も”говорю”。読みはというと、ウクライナ語では”ホヴォリュー”、ロシア語では”ガヴァリュー”。面白い、似ている。でも頭が混乱してくる…。今自分はロシア語を話しているんだ、いやウクライナ語だ、などどうやって頭の中で彼らは区別できているのでしょうか…?

そう言えば、以前にモスクワで交友があったウクライナ出身の男性は、会話していて「ヤー ハバリュー」といつも発音していました。ガヴァリューじゃないんだ?いや単なる聞き間違えかな?なんて当時は思ったこともありましたが、今思えば、きっと母国語であるウクライナ語の発音と混ざってしまい、ガとハの違いが自然と会話にも出ていたのだろうな、と。きっとそうに違いないです。

他にも、ロシア語とウクライナ語を比較してみると、「家」は、ロシア語では”дом”(ドーム)、ウクライナ語では “будинок”(ブディーノク。ロシア語の”будильник”(ブヂーリニク、目覚まし時計の意味)にそっくり?)。

「牛乳」は両者共に同じスペルで、”молоко”。でも読みはというと、ロシア語は”マラコー”。ウクライナ語では”モロコ”(何だか、2022年のサッカーワールドカップで大躍進した国、「モロッコ」の響きに似ているような響き)。

ロシアで、相づちのような場面でよく使われる”Так”(ターク)。ウクライナ語ではYesの意味だとか。実質同じような意味ですね。

言葉って面白い。

ロシア語学習のすすめ ー DuolingoとNHKラジオ講座 / Recommendations for learning Russian language -using Dulingo and NHK Radio Course

5月に入ってから、10年ぶりだろうか、久しぶりにNHKロシア語ラジオ講座の教科書を購入してみました。近所の書店に入り、店頭に並ぶ各言語の教科書の数を見ていると、ロシア語だけが残り少なくなっている。もしかしてロシアによるウクライナ侵攻が引き金となってロシアが注目されることにもなり — 幾つかの書店を回るといずれもロシア特集コーナーが設けられていました — ロシア語を学んでみようと思う人が増えたのだろうか?と思ったり。たまたま入った書店で、たまたま見かけた光景だけで判断はできないのですが、ちょこっとだけでも言葉に触れてみようかな、と思う人たちが増えても不思議ではないのかもしれません。

Duolingo

NHKのラジオ講座の話をしているにも関わらず最初に書くのはDuolingo。只今はまっています。以前から気になっていた中国語を少しずつ勉強すべくDuolingoの無料版で毎日少しだけ学習を初めてみました。せっかくならロシア語も、と思い始め続けて約2か月。毎日の連続学習記録を絶やさずに間もなく連続60日を突破しようとしているところ。すっかりDuolingoの良さに魅了されている現状です。

Duolingoは、詳しくはインターネット上で検索するとYou tubeなどでも詳しく紹介されていましたが、可愛らしいキャラクターや、一度もレッスンせずに一日を終えようとするとリマインドメッセージが届いたり、他の登録者とのランキング競争で自分の順位が降格圏内に入ってしまうと警告メッセージが表示されたり。毎日レッスンすることをモチベートしてくれる工夫がそこかしこにされています。

ロシア語レッスンは日本語ユーザー向けのコースがなく、English speaker向けを選択せざるを得ません。そんなわけで、ロシア語文章を英語に翻訳する際に形容詞をどこに持ってくるか悩んだり、単語の並びが入れ違いになってしまって間違いを重ねたり。日本語で学習できる中国語よりも英語でロシア語を学習する分だけハードルが高いです。一つ一つの課題は短いものですが、曖昧な理解に留まっていた単語の格変化を正しく理解しなおすこともできますし、レッスンの中で間違えた箇所が必ずもう一度最後に出てきて、正解するまではレッスンを完了できない。お手本の音声に従ってフレーズを声に出して、正しく発音できていないとクリアできない音読の課題もあります。短い中にも工夫満載だと思います。時にロシア語を話す友人とZoomで会話する時には、思ったよりも口が動くことから、きっとDuolingoのおかげなのかも?なんて考えることもあります。

ちょっとした隙間時間で勉強できるのはDuolingoの大きな強みの一つではないでしょうか。毎日たったの5分としてもそれを毎日継続すればきっと目に見える成長を感じる日がくるのだろうか、と思いながら…。なお、Duolingoを長いこと利用していてDuolingoを勧めているYoutuberのチャンネルを見たところ、「Duolingoの学習に毎日15分は費やすようにしている。ある程度の進歩のためにはそれぐらいの時間は最低必要だと考えている。」という発言がありました。なるほど…。この15分は短いようで長い。続かないこともあります。成長するためには毎日の継続の大切さが語学に関わらずあらゆる分野にも共通して言えること。しかし、たとえすぐに話せるチャンスも必要性もないとしても、たとえ一緒に学ぶ友人がいないとしても、いつか話せるようになるために先の見えない新しい言語の勉強を継続するのだ。…そんなモチベーションが持続しない場合もあるかもしれません。わずか15分のNHKの語学講座でもだんだんと15分も無理。となってしまうことも十分起こりえます。そんな時には無理することなくDuolingoで毎日5分もかけずに語学の勉強。そして、仕事の休憩時間を利用して少しずつレッスンをクリアすれば、1日の終わりには合計15分以上の勉強をしていることもよくあります。そして毎日継続できていることで達成感も感じられます。お勧めです。

NHKラジオ講座テキスト

私の場合は、包み隠さずに言えば、NHKのテキストを手に取るのは用を足す時の読み物として利用することが多いかもしれません。NHKの語学講座は、文法の説明も丁寧にされていて、大学1年生の頃に習ったロシア語講義の内容を復習しているかのようです。今読み返すと、やっぱりロシア語は難しい…そう思います。

高いモチベーションを持っていないと一人で毎回のラジオ講座15分を継続することは大変ではないだろうか…と。そんな中、ロシア語5月号で面白かったのは、テキストの後半にある応用編。テーマは”ゴンチャロフが見た日本“。「1853年にロシア艦隊4隻が長崎に入港して、その後1年半に及ぶ日ロ交渉が始まり…旗艦パルラーダ号に乗っていたのが、作家のイワン・ゴンチャロフ…。長崎での交渉が終わると、ゴンチャロフは任務を解かれて1855年2月にペテルブルクに戻ります。…彼はすぐに旅行記を雑誌に連載しはじめ、「日本におけるロシア人」と題された章は、特に評判になりました。…ゴンチャロフは初めて出会った日本人の様子を、時には辛辣に、時にはユーモラスに、見事に描き出しています。」(参照:NHKテキスト まいにちロシア語5月号85ページ)この5月号に紹介されている文章は、この章からの引用のようです。単にロシア語の勉強というよりも、昔の日本を紹介する当時のロシア語文献から当時の様子を知ることができる。これを読むだけでもロシアと日本の結びつきや歴史を知るきっかけになり楽しく読んでいました。大学時代にはNHKのラジオ講座テキストを購入してもほとんど開かずに積みあがっていくことが多かったのですが、年を取ってからは自らの意思で率先して開くNHKロシア語テキスト。それは、貴重な知識の宝庫で、こんな軽くて薄い本の中にこれだけの面白い内容が詰まっていることに感動を覚え、やっぱり言語を学ぶのって楽しいな、と認識しています。

おすすめのロシア語辞書 / Russian dictionary which I would recommend

今のロシアは、そしてこれからも、現在の政権が存在し続ける限りロシアビジネスの将来は無いのだろうか…一体今後どうなってしまうのだろう…という暗く、どんよりとしたロシアの景色しか浮かんでこないこの頃。ロシア語の需要は果たして今後も存在するのでしょうか。モスクワで通訳をすることで生計を立てていたロシア人にとって欧米や日系企業のロシアビジネスからの撤退や事業停止はとてつもなく大きな衝撃に違いありません…。

最近は、ウクライナ情勢を巡ってウクライナにいる友人と連絡を取ることが多くなりました。定期的に届く現地の悲惨な状況と、それを遠くの世界で起こっていることのように伝える平和な日本。そのギャップに戸惑いを感じつつ、限られている中で自分にできることを細々と行う日々です。

ロシア語でやり取りをする機会も増え、自分のロシア語の未熟度を知る機会ともなっています。以前ですが、ロシアに手紙を出したい、という日本の友人からの手紙をロシア語に翻訳したところ、その文章を見て「意味は伝わるけれどもロシア人だったらそんな表現はしない」と笑われてしまったこともあります。「いや、あえて外人が頑張って書いたロシア語にこそ価値があるんだ!」と言い訳をしましたが、やっぱりロシア語の美しさが伝わるような表現ができるようになりたい、と思います。どんなに辞書で調べて単語を習得したとしてもネイティブのような表現方法をするには到底及ばない。難しいです…。

大学時代に習ったロシア語。文法でぶつかる壁と言えば格変化。学生時代には、シュセイヨタイゾウゼン(主格、生格、与格、対格、造格、前置格)と機械的に覚えましたが、今でも単数形、複数形の場合、男性形と女性形の場合とでどっちだったっけ…?と悩みます。

モスクワで勤務していた際、ロシア人スタッフが頻繁に利用していたオンライン辞書は以下のものでした。不思議と、一人だけでなく、別のスタッフと会話していても同じサイトを開いていたので、きっとこのサイトの使い勝手が一番高いのだろうか、なんて思ったことを覚えています。

https://www.multitran.com/

インターネットでオンラインロシア語辞書のおすすめをパッと探したところ、以下のサイトでいくつかのオンライン辞書が勧められていました。(先ほど記載の辞書もその一つとして挙がっています)

私のおすすめの辞書

自分自身の勝手な好みで判断していますが、いろいろな辞書を探す中、現時点では以下の辞書が一番のお気に入りです。

https://kartaslov.ru/

先ほどの格変化の例で言えば、以下のページを開き、調べたい単語を入力すると全ての格変化の形がパッと表示されます。

https://kartaslov.ru/просклонять-существительное/лес

ウェブサイトの構成も分かりやすく、類義語や他の単語との組み合わせパターン、その単語の使用例をロシア文学の中や有名な人の発言からの引用といった有益な情報も載っています。

単にロシア語を浴びるように聞いていても上達しないけれども、かといって教科書を開いて文法の勉強だけをしていてもやっぱり上達しない。それは義務教育で学んだ英語学習で証明済み。駐在員時代に面白かったのは、学生時代にロシア語を専攻していてモスクワに派遣されて仕事をしている人たちの中には、必ずしも一生懸命に勉強を学生時代にした人ばかりではないこと、そしてそのような人が流暢にロシア語を操るようになっている、ということです。

私には何が最も適切な学習方法なのかは分からないのですが、いろいろな方法を試しながら、それをしばらく続けてみて自分に合っているのか合っていないのかを検証してみる。そして自分に相応しいと思う学習方法を身に付ける。外国語学習はその作業の繰り返しでしかないのでは、と。定期的にロシア語に触れて、声に出して読むこと。これを毎日続けること。短い文章でも大丈夫。これが私にとって今のところベストかなと思っています。たった5分、といっても、毎日5分続けること自体がかなりのチャレンジであることを実感しています。そして声に出すことで、その言語を話すときの筋肉の使い方を覚える。頭の中で黙読して読み進めることと声に出すことには、とてつもなく大きな大きな違いがあると思っています。

さて、お気に入りのオンライン辞書で”россия(ロシア)”という単語を入力して検索したところ、以下の引用句がヒットしました。

Иногда кажется, что Россия предназначена только к тому, чтобы показать всему миру, как не надо жить и чего не надо делать.

Пётр Яковлевич Чаадаев (1794–1856) — русский философ

(時々思うのだが、ロシアは世界中に対して、どのように生活すべきではないのか、そして何をすべきではないのかを示すためだけの運命にあるように思われる。)

100年以上も前に語られた言葉ですが、現在のロシアに照らし合わせてみたとき、どのように皆さんは感じられるでしょうか…。

外国語を習得するときの大切な要素ーその言語が持つリズムを掴むこと / The important factor in learning a foreign language-grasping the rhythm of that language

先日、オフィスで勤務していると、おそらくインドの子会社スタッフとの電話会議の会話の様子が会議室から漏れてきました。耳にしていると、日本人は日本式のイントネーションで、インド人はあのインド独特の口調です。そして早い。お互いにリズムもスピードも違う。日本式というと、ゆったりと流れるように話す、アクセントがあまり文章の中に表れない、そんなイメージがあります。その会議での日本人の英語をよく聞いていると、英語を話しているのだけれど、「そうですねー、あのー、えーっと…だからそのー…」というフレーズがあたかも聞こえてくるような。一方のインド人の英語はというと、一定のリズムで早口で休止もなくまくしたてるように続く — 何に例えることができるか考えてみました。それは小学生の頃に学校で一生懸命に覚えたスリランカの首都名称スリジャヤワルダナプラコッテ。これを休止なくひたすら早口でリズミカルに言い続けている。あるいは、日本語で例えるならば、言葉が汚いのですが、「おいおまえらなにしとんねんいいかげんにしやがれこらおとといきやがれ」これをテンポよく早口で繰り返している ー そんな風に全く異なる双方の英語の会話が続いていました。同じ言語を利用していてもこれだけ話者によって異なるとは大変面白いものがありますね。

語彙の数を増やすことや文法を学ぶこととは別に — これは恐らく英語に限らず、どの外国語を習得するにあたっても言えることと思うのですが — 話すときのリズムやイントネーションが大切だ、と感じている点が、まさにYoutubeの中で専門家の方によって理路整然と説明されていました。

この動画の中で、ネイティブスピーカーが話す英語に秘められた3つのポイントが紹介されている中、その一つとして”English is stress-based language”である、と。英語は重要な単語の正しい箇所にストレスを置いて発音すること。これを行えるだけであなたの英語はネイティブに伝わります、ということです。多くの言語は一つ一つの音が重要な意味を持つ”Sound-based language”である、とも。Sound-based languageの場合、1つでも音が失われたり正しく発音しなかったりすると言葉の意味そのものが失われてしまう。でも英語の場合は音は決して重要ではない、と。強調すべき音節に、ただしい強調をつけること。そうすれば発音が悪くてもネイティブスピーカーは理解してくれるでしょう。だから文法の間違いも気にしないで。…そうはいっても、このポイントを習得するだけではとても英語を話せるようになるわけではないはずです。恐らく、指摘せずとも英語学習に置いて語彙数を増やすこと、文法を習得することに重きが置かれているために、それだけではだめですよ、他に相手との会話の上で大切なことを忘れないでくださいね、と伝えたいのだと思いました。

現代において、英語は全世界で利用されている国際語であるため、今の時代は言語発祥の地で話されるものが絶対的に正しいですとはいえないのかもしれません。しかしながら、英語を第二言語として勉強する人は、アメリカや英国の英語を正解として勉強しているはずで、そうであれば、第二言語として勉強する私たちは、やっぱり各言語が持つ特性を意識し、その言語が持つリズムやイントネーションを習得しようと意識することが大切ではないのかな、と思っています。日本語を話すときは棒読みでもよいけれど、英語を話すときには英語の持つ強弱を意識して付ける、といったように。そうすることで自然と強く発言した部分が強調され、長く発音され、リズムも生まれてくるであろう、そう思っています。ロシア語も然り。

具体的な有益な情報は上記のYoutubeが字幕付きで説明してくれています。なお、オリジナルのビデオを発見(以下Link)。こちらは字幕がないのですが、プレゼン資料もついていて、このビデオを見るほうが分かりやすい部分があるかもしれません。

「本当に言葉ができる人っていうのは、自分が話す相手に応じて、相手が分かりやすいように話すことができる人のことだ。」/ “A person who really knows to speak a language is a person who can imagine the person who he/she speaks to”

「本当に言葉(外国語)ができる人っていうのは、自分が話す相手に応じて、相手が分かりやすいように話すことができる人のことだ。」

そのように友人から聞いたことがあります。これを聞いた時、とても深いなぁと思ったことを覚えています。ロシアで勤務しているとき、日本からやってくる出張者の中には大変流暢で発音も素晴らしい方々がいました。本社の方針やトレーニングのために準備してきた内容を英語で説明しています。ロシアの会社では英語ができるスタッフを原則採用するようにしているので、スタッフも問題なくコミュニケーションを取ることができますし、会社で働くスタッフは日本人よりもずっと上手に英語を話す人が多い印象がありました。そんな中でも英語を苦手とするスタッフも中にはいます。きっと速いスピードで話される英語の内容についてゆくのは容易ではないでしょう。それでも話し手はとめどなく流れるように英語の塊を次から次へと生み出していました。もしかすると、人によっては、英語を話していること自体に話し手自身が満足しているかのように思えたかもしれません。

言葉を話す上で大切なのは、学習を重ねれば重ねるほど、その人の人間性がより重要になってくるのかもしれません。どれだけネイティブスピーカーのような”綺麗な”発音ができるようになるのか、どれだけ正確に文法を正しく用いるか、どれだけ語彙力があるか、テクニカルな部分は重要ですが、きっと、話し手が仮に外国語のスキルが弱いとしても、その人に備わった素晴らしいものがあれば、聞き手はその重さを察してくれるのだと思います。テクニカルな部分が弱ければ、熱い議論や瞬発力を要するような場面では全く歯が立ちませんが、じっくりと話を交わす場面や、発言力が弱くても文章にすることで”発言する”ことだってできるはずです。語学学習をする上で、どうしても語彙力、文法、発言といった部分に焦点が当てられますが、そのテクニカルな部分中心の言語学習から早く抜け出したいものです。

日常の仕事の場面では、― とりわけ駐在員として会社で働く上では ― 言葉の瞬発力や言語力の高さを要求されるケースが多くあるのは事実ですが、テクニカルな部分をある程度固めたのであれば、それ以上に単に外国語の勉強に時間を費やすよりは自らの人間性を深めるようなことに時間を費やすことが総合的な言葉力を高めることに繋がるのだろうなぁと思ったり。

人間性が高くなると、人は聞き手のことを考えることも出来て、ただ自分が発言をしたい、という気持ちだけではなく、相手は私の発言を分かってくれているのだろうか?どうしたら相手の心に言いたいことが伝わるだろうか?と考える。それが相手の身になった上での発言となり、本当の意味で言葉の使い方に長けた人になるのだろうなぁ…そんなことを考えると、冒頭に挙げた友人の言葉とても意味が深いです。

言語学習に役立つおすすめのこと / Recommendations for learning foreign languages

人によって考えはそれぞれですが、一企業人として働くにあたって、仕事は英語で行う。これがあるべき姿だと考えています。たとえ流暢にロシア語で仕事ができるとしても、何年か経てば後任がやってくる。その後任者はロシア語は全く無知。となると仕事のやり方も大きく変わります。後任が決まったタイミングで言葉を変えてゆけばいいではないか、との声もあるかもしれません。しかし、通常業務をロシア語で回す前提で仕事が組まれている場合、なかなか英語を標準語とした仕事の回し方に整備してゆくことは骨の折れることだと感じています。ロシア人スタッフにも意識して英語を使う機会を与えること、私たち日本人自身も英語へのハードルを下げるためにも日頃から英語を生活の一部としておくことが大切に違いありません。

おすすめのYouTubeの英語学習ページ

世の中には英語学習のノウハウを説明している記事があらゆるところにありますので、ここではそのようなものに対抗しようということは決してありません。あくまで私が語学学習の中で発見した気づきや言語学習そのもにに関して感じた点を書き連ねてみました。

English with Lucy – British English

https://www.youtube.com/channel/UCz4tgANd4yy8Oe0iXCdSWfA

Subscriptionの数が本日時点で3.88M。非常に多くの数の購読者がいるページ。講師の方が綺麗、という理由も大きいかもしれませんが、この方のプログラムの中身が分かりやすく、学習に適度なスピードとイギリス英語。自分自身は今は自宅隔離のためできませんが、通勤時間に聞いたりと移動中に定期的に聞いています。私は英語の学習のためにBBCの英語学習アプリやBBCニュースを利用することが自然と増えてきて、なぜだかイギリス英語の響きが好きになりました。そういえば、ずっと昔に通っていた英語個人塾の先生はいつも「イギリス英語のあの発音が好きなの」と言っていました。イギリス英語には人を魅了する何かがあるのかもしれませんね。

Oxford Learner’s dictionaries- Collocations

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/collocations/

英語の文章を書くときに、その言葉の次に~ingがくる?それともto do?といった文法の悩みは尽きません。私は文法が苦手ですし嫌いですし、正確な英語を何としても書こうとも思いません。間違った英語でもいいから大切なことはとにかく相手に伝わること、悩まずに早く書いて相手に送ること。社内のビジネス英語はそれでよいのではないかと。ただし、外部に書く英語では慎重になります。そんなわけで~ing?いやto do?だろうか?と考えてしまいます。そんな時、Collocationsの辞書は持っていて損はそないなあ、と感じてます。「語と語のつながり」を教えてくれる辞書。仕事中に常に眺めている余裕はありませんが、たとえ文法に関心が無いとはいえ避けて通れない道。矛盾して聞こえますが、長期的には正確な英語を身に着けることは大切であって、そのためにも自分自身で定期的に辞書を見て言葉の並びを学習しています。もしかすると、一番ベストなのは翻訳する文章をGoogle Translateでパッと処理することなのかもしれませんが…

会社がOffice365を法人契約しているのであれば、パソコンにダウンロードしているOutlookではなく、ブラウザ上のOutlookを利用すると、ワンクリックでどんな言語も英語に翻訳できる、これはなかなかよいなあ、と感じました。翻訳精度は不明ですが、ロシア語でやり取りしているメールもクリック一つで英語に転換でき、全体の概要をサッと理解するためには役立つ。おすすめです。

さて、言語学習について面白いなぁ、というTEDでのプレゼンを見つけました。

この方はこの動画投稿時点で8カ国語を操るようです。この中で納得したのは、言語の学習方法は人によって異なる(多くの人とコミュニケーションを取りながら学習する人もいれば文法学習に集中する人もいたり)、共通しているのは各人が学習が長続きするためのモチベーション維持の方法を持っていることだ(学習成果をグラフにする、学習に使う文房具にこだわるなど)、ということです。面白いですね。

私は言語を一つの音楽だと思っているので、通常の音楽を聴くように、心地よい人の声、かつ内容が関心のあるものであれば長く聞いていたいな、と思います。音楽のリズムから曲を掴むように、まずはリズムを感じ取ることが大切だと感じています。また、学生時代とは異なって時間がない社会人。そんなわけで、机に腰を落ち着けて黙々と勉強していた学生の頃のスタイルとは異なり、少ない時間の中で楽しみながら学べる。歩きながら学習する、そんな風に言語学習を別のことと結び合わせて効率的に行うことの大切さも感じるところです。例えば、ミニマリストの生活に興味を持ったので、英語圏のミニマリストのYoutubeをのぞいてみる、コンピュータが好きなので、最新機種の紹介をしている英語圏の人の動画説明を見てみる、そんな風に自分の好きなことと言葉学習を繋げてしまうと自然と障壁も高く感じずに学習が進んでゆくものであろうと思う日々です。

そして最近も改めて認識させられることがあったのですが、日頃から声に出すことの大切さ。外国語は聴いているだけでは、たとえ頭で理解したつもりでも、いざ話すとなると違いますね。思ったように声にならず声が小さくなってしまう。頭で考えていたように舌が動かず発音ができない。そんなギャップを解消するために日常的に声に出すこと。それを心がけています。