最近見つけたYoutubeのサイトで面白い動画がありました。ロシアの道路がいかにひどいかを映し出しているものです。1分以内の短い動画です。0:30頃から見ていただければ、ロシア側の悲惨な道路事情からベラルーシ領土に入った途端に綺麗に舗装された道路へ様変わりする様子が一目で分かります。ロシアが — あれだけの広大な国土を持つ国 — ロシア全国の道路を良い状態に整備し維持できるお金のゆとりがあるとも思えず、きっと日本と比較してはいけないのかもしれません。
モスクワの道路事情は地方と比べれば申し分ありませんが、車で移動しているときに、スタッフとドライバーが道路の話をしていて、「XXXの幹線道路はとても状態がよい。ドイツ人が整備したものだから今でも十分走れる」なんて話をしているのを何度か聞いた覚えがあります。(実際のところ、Yandexでも調べてみましたが、モスクワ近郊でそれらしき道路が存在する情報は見つかりませんでした。この会話の背景を確かめることができていないので本当のところは分かりません。もしかするとモスクワとは別の地域のことだったのかもしれません。)
第二次世界大戦でドイツ軍に勇敢に立ち向かい、英雄都市という称号を与えられたヴォルゴグラード(旧スターリングラード)を戦勝記念日に訪れたとき。タクシーに乗るとあまりにもひどい穴だらけの道路。タクシー運転手曰く「ボルゴグラードではまだ戦争が終わってない!」なんて冗談も。生活が苦しくても、街のインフラが決して恵まれているとは言えなくとも、それを笑い飛ばす冗談で盛り上がる。そこにまたユーモアを感じます。先ほどの動画のコメントの中には
「ロシアではアスファルトは定着しない、ロシアの大地はアスファルトをはねつけてしまうから…」
「どうして綺麗に舗装された路面を走れるかい、危ないじゃないか、眠ってしまうよ」
「自動車パーツを販売するお店で働いているけど、(このビデオを見て)なぜ部品パーツの注文が多いのかよく分かったよ」
なんてものがありました。
なお、国土交通省のウェブサイトで発見できた2012年時点の日本とロシアの道路事情データによれば、日本の道路の長さは1,207,867km。対してロシアの道路は982,000kmという。日本に存在する道路の距離の方がロシアの道路よりも長いということになりますが、ロシアの国土と日本のそれとをパッと頭に浮かべるとどうにも信じがたいものがあります。ロシア的な皮肉を交えて言えば、「ロシア人担当者は道路が存在しているのに、穴だらけの道を見て道路だと分からず集計に含めなかったので、結果的に実際よりもずっと低い数値を公式数値として発表してしまった」ということにしておきたいと思います。
参考資料: