ロシアのユーモアがあれば仕事での苛立ちも吹き飛ぶ? / Does Russian funny humor take away your frustration at work?

モスクワで勤務していた時、素直にロシア人スタッフを見てすごいと思い、彼らに教わったことの主な3つと言えば以下が挙げられます。

  1. 為替に対する意識の高さ。自国の通貨を信頼せず、自分の資産状況やUSDやEURの為替情報に敏感であったと思う。もしかすると長期休暇を海外で過ごすことを楽しみにしているが故に、為替レートが自身の旅行資金に直結することから必然であったのかもしれない。ロシア国内だけで生活している人にとっては大きな影響はないのかもしれないけれど、為替の暴落により簡単に自分の資産価値が3分の1になってしまうようなことを経験すれば、誰しもそうなるのかも。
  2. 「何で日本人の会議はそんなに長いのでしょうか?」…本当にそう思いました。果たして自分が今費やしている時間は投資なのか、いやいやただの消費なのか…。スタッフはよく見ています。一方で、「やります!」と約束した仕事が終わっていないにも関わらず、終業時間になったので帰ってしまったスタッフのいない机を見た時には「頼むよ…もっと時間を上手に使って仕事できなかったのだろうか。終わらなかったらせめて報告してから帰ってくれないものか…」と思ったものです。
  3. ユーモアのセンス(Русский юмор)。これは本当に素晴らしい。毎日をたくましく生きているスタッフ。笑いたいときに大いに笑い、悲しい時には大いに涙を流し。そんなストレートの感情表現は時に疲れましたが、そんな素の様子で冗談を言い合ったりしてわいわいがやがやのコミュニケーションを見るのが好きでした。

多くのスタッフがあまりにも就業規則で定める始業時間から遅れて出社するため、ある時に「始業時間の9時には業務開始できるように余裕を持って出社を」というお触れを出して、遅刻した時にはその理由を書いて受付スタッフに提出してもらったことがありました。ここではどのような勤務シフトが相応しいのかという人事システムの議論には入らず、あくまで笑ってしまったユーモアの話です。ロシア生活時代の書類を整理している中で発見したもの。全ての用紙は残っていませんが、何よりもモデルとなるべき人事部門のスタッフがこうも毎日のように遅刻していたのかと。そして、その彼女の書いた理由は怒ることも忘れてしまう思わず笑ってしまう内容でした : )

以下は手元に残っているものから。

「寝ていたかったから寝てました!」

「時計を冬時間に変えるのを忘れていました。」

ちなみに、ロシアでは通年同じ時間を利用しており、2014年に基準となる時間を冬時間とする変更があった。2017年はすでに3年が経過している…ありえない…。

(参考)ロシア/モスクワの時差と現在時刻

「もう一度(遅刻の理由を)質問してきたら私は辞めます。」

この彼女の言葉を受けてこの報告用紙の運用を止めたわけではありませんが、この後の日付のものは残っておらず。結果的に時間も全体的に改善されましたのでこの用紙の運用も自然に消滅してゆきました。人事も試行錯誤の連続。頭を抱えて真面目に取り組んでいたのにこんな風に返ってくるとは。一本取られてしまいました : )

その後も彼女はいつも楽しそうに仕事をして、自分のキャリアステップのために次の会社に転職してゆきました。幸いにも良好な関係を保つことができていたので笑って楽しく読むことができましたが、文面だけで判断すると挑戦的なコメントとも言えそうです。人と人との関係は時として緊張が走ることもあるけれど、そんな時にもユーモアを通じて緊張ももみほぐせると良いですね。