ロンドンとモスクワを見て感じた両者の違い / The difference from Moscow that I felt in London while having a walk in London

老人と老犬 ― 火曜日の朝、Hyde parkにて。 どちらが主人なのか分からないほど老犬の堂々たるくつろぎぶりが微笑ましい光景でした。

イギリスのロンドンで数日過ごしてきました。到着した土曜日、ホテルのテレビをつけると、まさに議会はBrexitの議論の真っ最中。週末に議会が開かれたのは1982年のフォークランド紛争以来だそうです。EU離脱の採決を延ばす、いや延ばさないの議論が繰り広げられている様子が。イギリスで議会制度がイギリスで生まれ、そしてイギリスで崩壊するのでは。混沌してゆく世の中。人(国・議会)が人々(一般大衆)を導いてゆくことの難しさを感じざるをえません。

さて、ロンドンの街は多くの観光客のリラックスした、楽しそうな様子もあって、そんなBrexitの混沌はなんのその。大いに盛り上がっていました。街を歩いていて感じたモスクワとの違いを書いてみました。

直感的に分かりやすい標識

飛行機で到着してからパスポートコントロールまで歩く途上にて。今自分の歩いている場所がどの段階にいるのかを直感的に示してくれています。それにしても、飛行機を降りて狭いタラップを歩いてゆくと渋滞。なんだろうと思うと、空港警察が4人ほど立ちはだかり、乗客一人ひとりのパスポートチェックしていました。以前にはこんなことは無かったので驚きました。

ロンドンに来て毎回感じるのは、直感的に分かりやすい標識の表示方法。パッと見てパッとどこにゆけばよいのかが分かりやすくなっている点。その色使い。これらの要素を自分の作成する仕事のプレゼンテーションにも参考となっています。どのようなコンセプトが背景にあるのか分かりませんが、よく考えられているなぁ、と素直に尊敬しています。街中の広告にしても、このような空港の標識にしてもおそらく多くのお金がコンサルティング会社やデザイナーに支払われているはず。その仕事の結果をこうして無料で見ることができるのですから、くまなく観察してその色使いやデザインのコツを真似るべき。なんとお得な題材が街中に広がっているでしょう、素晴らしい。

街中の公園の構造

私はモスクワの公園が大好きです。モスクワ自体が大きいこともあるのでしょうが、首都モスクワの中には大きな公園が点在しており、街中に自然を感じます。ロンドンは日本の東京に近いでしょうか、大都市の一角に大きな公園が寄せられて存在している、そんな印象です。

そして、このHyde parkでは人間中心に考えられて整備されたまっすぐな道、人が自然をコントロールしている。木々の配置もなんだか人工的なものを感じています。一方のモスクワでは白樺などが豊かに広がる森の中をくねくねと曲がって続く散歩コース。どちらかというと、自然のありのままを生かしつつ、人のための道を後から整備している、そんな気がしています。

公園の鳥たち。さすがにこれはモスクワにはありません。こんな光景を見ていると、日ごろのストレス、嫌な気持ちも随分と和らぎますね。Hyde parkではリスをよくみかけますが、リスはモスクワの公園にも住んでいますよ。

写真に写っていませんが、池の周りを掃除するゆっくりと移動する車に追い立てられるように鳥たちが一斉移動しているところです。

歩行者向けに注意を促す道路の表示

初めて見たとき、このアイディアには惚れました。歩行者信号が青になったからといって、左右を見ずに一歩を踏み出すことはモスクワでは絶対にやってはいけません。決して高い頻度ではありませんが、すごい勢いで車が突っ込んでゆくこともあります。赤信号でも信号待ちが嫌なのか強引に信号無視している車も見かけることも。中国やインドネシアと比べればマナーは良いほうだ、という話を聞きますが、モスクワでは、いずれにせよ歩行者信号が青になった場合にはきちんと車が来ていないことを確認した上で一歩を踏み出しましょう。

工事現場の標識

こんな案内あったら思わず立ち止まってしまいます。工事現場を魅力的に、安心に見せるためにとても素敵なアイディアではないでしょうか。サイトを訪れてみると、子供たちに工事現場の危険や、建築の面白さを伝えようとしている、そんなサイトのようです。この工事現場では花の鉢植えも飾っていて、殺風景になりがちな工事現場に彩を添えていました。こんなちょっとした一ひねりを加えることで印象も変わるもの。勉強になりました。

Ivor Goodsite

地下鉄の駅と観光名所を示した地図

こんな地図はモスクワの地下鉄にはありません。率直に言って、決して分かりやすいとは思いませんが、こんな地図を掲示しているアイディアは素晴らしいですね。

施設の防災に関するレベルの高さ

2018年3月25日にシベリアに位置する都市ケメロヴォのショッピングセンターで発生した火災で64 名の死亡者を出し、そのうち41人が幼い子供たちであった事件。これ以降、ロシア各地で防災設備の監査が入り、ショッピングセンター、ビジネスセンターを始めとした設備の防災対策強化が高まっています。

https://www.bbc.com/news/world-europe-43552165

非常口ドアには内側からレバーを押し下げると容易に開くことができるタイプを設置することや、オフィスのドアは必ず内側から外側に開くタイプにすること(火災時には内側から多くの人が外に逃げるため、内側に開くタイプはその動きに反するため。押して広げられるようにしておくこと)、非常口へ通じる通路には不要なものを置かずに一定の間隔を確保しておくこと。ガラスなどは一定の時間、防火性のある材質を用いるべきことなど・・・各社は対策を求められています。

ロンドンに来ると、至るところでこのような写真のマークを扉の上に目にします。イギリスでは防火対策のルール徹底がどれほどなのか、私には分かりませんが管理部門を担う私としては大変興味があるところです。モスクワでもショッピングモールなどに出かけて避難経路図を見つけると、立ち止まって自社の地図と比べてみたり。そんな違ったショッピングモールの歩き方もお勧めです。

本や新聞を読んでいる乗客の数

モスクワの地下鉄に乗っていると、本を開いている人をほとんど見かけません。単に数が多くてなかなか目に付かないだけかもしれませんが・・・。大概携帯電話を操作している人が主です。読書と言えば携帯電話で電子書籍を呼んでいる人が多いのかもしれません。ロンドンでは新聞や本を読んでいる人々をよく見かけました。携帯電話が普及しているとはいえども、本を開いて読むことは目に優しい気がします。なお、これも思い込みかもしれませんが、最近出かけたサンクトペテルブルクでも街中や地下鉄で本を開いている人をモスクワ以上に見かけることが多かった印象です。

顧客満足度の情報提供

これはモスクワの空港でも頑張っています。顧客サービスの向上を目指しているのはどこでも同じですね。ロンドンの空港では顧客満足度情報のグラフがディスプレイに表示されていました。

Author: Author

ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門にて長く勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に激動の日々を過ごした中で当時悩み、もがいていた管理業務の情報、体験談を少しでも多くの方々と共有したい、との思いがきっかけとなりブログを始めました。今はロシア、ウクライナの友人たちと連絡を取りながらロシア語の勉強を続け、ただただ平和な世界が来ることを願う日々です。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *