感謝を示さないことも立派な感謝では /Not showing gratitude is also a fine gratitude

この月曜日に、計7年間勤務したモスクワを離れてロンドン経由で日本に帰国しました。モスクワ~東京間の直行便は7月末まで欠航。イギリスには多くのロシア人が住むということで彼ら向けアエロフロートがフライトをアレンジしたという。ロンドンからは日本航空で約11時間。半分も埋まっていなかったのでは、と思える機内では食事時間以外はマスク着用して羽田空港に降り立ちました。

日本航空でのサービス中で感じる素晴らしく、日本のおもてなしの美を表すと思うのですが、着陸近くなると「これから乗務員がご搭乗への感謝を表すために皆さまのもとでうかがいます。」と言って丁寧に挨拶をしてくださいます。以前に搭乗していたモスクワ~東京便でも同様のサービスがあったので、きっとこれはマニュアルにあるものなのだろうと推測します。

ヘッドフォンをして、本を読んで集中していた私。通路に乗務員が来ていることも気に留めずにいると、肩をたたかれました。なんだなんだ?と思うと「今日はご搭乗ありがとうございます。フライトはいかがでしたか?」と流ちょうな日本語を話す外国人の乗務員がそこにいました。「とてもよかったです、ありがとうございます。」とお伝えしましたが、私にとってはむしろ集中を邪魔されたことが不愉快でした。

感謝を示してもそれが果たして相手にとってありがたい感謝なのか、相手の集中を邪魔していないだろうか、相手の状態を邪魔せずに何も言わずに通り過ぎることも立派な感謝の表し方なのでは?と思った瞬間でした。

今振り返っても判断が大変難しいと思います。以前にはこのように声をかけられることはありませんでした。単に、今回は機内の乗客が大変少ないために一人一人に丁寧に声をかけてくださったのかもしれません。「なぜ私には声をかけなかったんだ?」というクレームが後からくるかもしれません。私のように、できる限りこちらの時間を遮ってもらいたくない、という客もいるでしょう。多くの航空会社が自分の国の特徴も考慮しながら特有のサービスを提供しようと切磋琢磨する中であらゆるタイプの機内サービスが生まれているのだと想像します。乗客を乗せて飛ぶ飛行機が始まったのは決して古くないはず、それと同時にスチュワーデスという女性に人気のある職業が生まれて、今では男性も普通に見られるようになってフライトアテンダントと呼ばれる現在。かつては、今普通にみられる機内サービスも大変ありがたく、飛行機に乗ることも憧れであったのかもしれませんが、今も同じようにサービスを提供することが本当に大切なことなのか、そして感謝を一方的に相手に伝えることが、果たして相手への本当の感謝なのだろうか、マニュアルに沿ったおもてなしの気持ちなど要らないなぁ…と思って飛行機を後にしました。

搭乗前には乗客に対して、ホテルで部屋の掃除を頼む・頼まないの選択肢があるように、搭乗前に「わたしにおもてなしは不要です!」「わたしにはぜひ日本式のおもてなしをお願いします!」のチェックマークシートを準備するのはいかがでしょうか?

私の意見としては、本当の感謝の気持ちを表すのって実はシンプルでは?と感じます。機械的にドリンクを順にサービスすることや食事を渡すことが多く見受けられるフライトアテンダントの皆さん。どれほど疲れる仕事か、想像ができます。それでも「今日も良い天気ですね。」子供と楽しそうにしている家族がいれば「かわいいお子さんですね。」外の風景をカメラでたくさん撮影している乗客がいれば「カメラがお好きなんですか?外の景色もきれいですよね。私がこれまで観てきた景色と比べても五本の指に入りますよ。」なんて言葉をかけられたら会話が弾みませんか?

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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