駐在員の課題:ITへの共感・理解不足の解消 / Issues for expatriates: lack of sympathy and understanding of IT

一般的に、モスクワにオフィスを構える日系企業の大半は小規模であり、そこに派遣されてくる大半の駐在員は営業系の方がほとんどです。7年間の駐在生活の経験から感じることは、全体的にITに関する関心そのものが高くなく、そこにコミュニケーション言語である英語の問題も加わって、ITに関する理解不足が顕著である、そんな現実が多くみられるのではないかと思っています。 

 英語力の無さは現地スタッフとのコミュニケーション不足につながりますが、英語力に関しては、英語スキルそのものが低い、というのではなくて自らの意見を発信する力の問題だ、というのが私の意見です。英語で何かを発言する前の問題として、日本の会社では自分の意見を(言葉を選びつつも)はっきりと発言する場が少なく、間接的な表現が多かったがゆえに、ロシア人相手に物事を伝える際に直接的に物事を伝えてゆく方法に慣れることに時間を要するのではないかと。これは自分自身がそうであったために他の方々も同じ経験をされているのではないか、という推測も入っています。 

 ITに関してはこんな記事がありました。

モスクワの中小規模の日系企業に、この内容はピッタリと当てはまるではないか、と読んでいて感じました。すべて上手くいっていることが当たり前と判断されがちなIT。私も専門家ではないので実体験としてどれだけITの仕事が大変か、これを語ることは残念ながらできません。ただ、ITスタッフは全てにおいて何をやっているのか分かりづらい、インターネットが常に問題なく繋がり、ウィルスの問題や社内サーバーへの接続トラブルが何も起こらないのが当たり前、だからITスタッフはそもそもアウトソーススタッフに置き換えても何ら問題がない、という考えに至る危険もあります。 

実際、すべての業務がITに関わっている今、ますますITの重要性が叫ばれている今、会社のマネジメントクラスはITの勉強に割く時間を増やす必要があります…が、その割に勉強していない人が多い? 気も。また、個人情報や会社の機密情報にアクセスできるのもIT スタッフ。そうであれば信頼のできるスタッフをIT部門に据えておく必要がある。だからこそ高い給料を払うべきか、いや小規模の会社ではお互いの給与情報もボーナス金額もすぐに知れ渡ってしまう。そうなるとITスタッフだけ待遇を変えることは難しい(駐在員のITに関する知識レベルの問題だけではなく、ロシア人マネジャーの中でもITの重要性への共感度合は明らかに低い、というのが私の経験上の判断です)。他のスタッフとの給与のバランスを考えると給与は高くできない、であれば、国際会議への積極的な派遣など ー ITの分野は国境を越えてグローバルに共通の土台で会話するのに最も早い特性も踏まえて ― 本社の協力も得て別のモチベーションを用意するのか…悩ましい課題が尽きません。 

 会社で利用するノートパソコンの標準モデルの決定。それを選択するだけでも、訳の分からない大量のアルファベットや数字が並んだスペック情報を確認して最終的にこれだ、とたどり着く。 オフィス内でインターネット接続を無線LANとすることになった場合には、何冊にもわたる幅が3,4cmありそうな複雑なことが記載された技術書を読み込んで業者とやり取りをする。その大変さを知らないスタッフは週明けに出社したら何事もなかったかのように、サッとWifiの使用を開始する…。IT分野で働く人は目に見えた評価を周りから得ないとしてもモチベーションを失わない、黙々と自分の仕事をこなせる人が相応しいのかもしれませんね。

私自身、全くITのことを無知のまま駐在し、ITスタッフとの会話を通しておぼろげながらにその大変さを学び、その仕事の重要性を認識するようになり、そしてITの楽しさと可能性の広さにワクワクしている一人です。だからこそ、ITのことを全く人任せにしている人や、何か問題があれば自分で調べること無しにすぐにITスタッフを読んで解決してもらう姿勢の人を見ると、もったいない…そう思うばかりです。

日経XTECH(クロステック)ー おすすめです 

日々勉強中で、毎日知らないことばかりに遭遇していますが、お勧めはこの日経XTECH(クロステック)。

https://xtech.nikkei.com/top/it/

ここに載っている情報をすべて読むことはとてもじゃないけど無理としても、気になる情報を日々目を通すだけでも世の中のITの流れや、訳が分からないけれども何だか今熱い技術のことが目に入ってきて、ITスタッフの抱えている目につきにくい業務の奥深さや、ひたすら勉強をし続けなければならないことへの理解、そんなことに役立っているのではないかと思っています。 また、「建築」「土木」といった全く接点の無い分野の記事を読むときに、自分自身の管理業務のマネジメントにも生きてくる通ずるものを発見できることが面白く、興味深いものです。
 
 

Author: Author

ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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