一を見聞きして十を想像する感度を / Being sensitive to be quick on the uptake

永田音響設計(http://www.nagata.co.jp/sakuhin/concert_halls.html)の音響設計家豊田泰久氏によって音響設計されたコンサートホール「ザリャージエ」。とても素敵なホールのデザインでした。気になるのは、この方が設計された有名なハンブルグにあるホール”Elbphilharmonie”の音響が決して高い評価を受けていない、という記事(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60008)。私は音楽に疎いため判断はできませんが、このモスクワの現代的なホールの音響に対する評価はどのようなものなのでしょうか。静寂の中にサーっと走る空調設備の音?が耳障りであったのが残念です。

今晩、2018年9月にオープンしたクレムリンのすぐ横に位置するコンサートホール「ザリャージエ(Концертный зал «Зарядье»)にピアノ演奏を聴きに出かけてきました。

「お客様にお願い申し上げます。携帯電話の電源はマナーモードの設定にしていただけますようよろしくお願いいたします。」

いつも演奏会前には必ず聞くフレーズです。すでに日本での記憶が薄いのですが、少なくとも私の経験からすると、モスクワで訪れた演奏会では最低一回は演奏会中に携帯電話が鳴り出すように感じられます。今日は二回ありました。それも、ピアノが静かに余韻を残して演奏を終える曲の最後の部分でいきなり鳴り出したので周りも失笑…。雰囲気が台無しに。

不思議に思うのですが、なぜ演奏会が始まる前のアナウンスで注意を聴いたときに自分の携帯電話を確認しないのでしょうか?

アナウンスの注意を全く聞いていない。

アナウンスを聞いても自分の携帯は問題ない、と決めてかかっている。

演奏会で自分の携帯が鳴ったとしても演奏の妨げにはならない、という価値観を持っている。

と、いくつか理由がありますが、仕事でも全く同じことが言えます。何度注意しても使用後の会議室ではケーブル、椅子が滅茶苦茶なカオスのままとなっている。昼食スペースがゴミと使用したあとの汚い食器が散乱したままとなっている。総務スタッフが何度注意しても、です。ほんのちょっとした原則、「もし、自分が相手の立場で同じことをされたらどう思うか?」「もし次の人がこの状態で来たらこのカオスを見てどう思うだろうか?」、そんなことを想像してみればよいのに、と思うのです。総務スタッフも立派に、定期的にメールでリマインドをしていますが、それだけでは一向に改善されるとは思えません。罰則規定を設けるべきか?それも根本的な解決とはなりません。根気よく、ことあるごとに目についたときに本人に直接注意し、原理原則を合わせて伝えることで改善されてゆくことを待つしかないと考えています。

少なくとも、私の周りには改善を期待できるロシア人スタッフしかいないので、あとは彼らにきっかけを与えられるように、自分に賛同してくれるロシア人スタッフのサポートを得ながら毎日さらに良い会社となるように闘っているところです。

私自身、数多くの失敗を行ってきました。失敗した後には、なぜもっと前にこの潜在的なリスクを正しく認識していなかったのだろう…あの時にアクションをとっていればこんなことにはならなかったのに…と反省し、悔しく思うことだらけです。自社で起きていなくても他社で発生した問題を耳にしたとき、新聞を読んでいて事件が発生したとき、セミナーに参加してはっと思うことを感じたとき。今はたとえ社内で問題が起こっていないとしても、そのようなきっかけを得たときに、“はて、自社は果たして大丈夫だろうか?”と一歩立ち止まって考え、自分自身で納得するためにも自社の状態を振り返ってみることが大切です。この感度をどれだけ高く保つことができるか、ロシアで働く管理責任者としての重要な能力である、とあらゆる失敗を経て今はっきりと断言できます。不完全な人間なので避けることはできませんが、あの悔しさ、悲しさはできる限りもう二度と経験したくはありません…。

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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