自分が上手くいっているときもそうでないとき
とりわけ上手くいっていないとき
これがその人の人間性を表すのではないでしょうか
人がうまくいっていることを妬んでしまう傾向が誰にもあります。気を付けているつもりでも私もやっぱりあります
そして自分が何だかうまくいっている時には周りのどんなことも気にしなくなっていますヒトというのは面白い生き物だと思います
我々はみな完全ではないので、その時どんなに相手が悪いとしてもそこまで相手を落としこむこと、決してすべきではないです
しかしながら、周りを見渡してみると相手を批判する人、けっこういるのではないでしょうか?
自分だって同じ失敗をしかねません、いつの日にか。そうであれば、自然と人の失敗についても寛容になる要素があるはずです
ロシア人のスタッフでもイコンを机に置いていたり、机のパーティションに飾っているスタッフを見て思いました
ロシア正教会に属しているスタッフで聖書を学んでいると唱える人でも、その行状を見ればその人が必ずしも「人を許すように」という有名な教えを実行できていないのだな、と
知識で知っていることと、知恵となって心に沁み込んでいることとは違うのですね
「相手がわたしに対する態度を変えない限り、私もその人に対する態度を変えない!」そう主張したスタッフがいました。— こんなヒトに幸せな将来はやってこないでしょう
もう10年前くらいでしょうか、日本でタクシーに乗ったときに言っていた運転手の言葉を今でも忘れられません
「人は自分が上手くいっているときには他人に対しても優しくできて親切を示せるけれど、自分が苦しい状況に陥った時に周りにどう振舞えるか、その時にその人の真の人間性が試される」(正確なフレーズは覚えていないのですがこんなことを言っていました)— 深いことばだなぁ、と
とりわけ人の評価を担当するマネジャーの持っているべきスキルを語るとすれば、過去に自らが逆境で苦しんだ経験、そこでもがき苦しみ、解決方法を模索した日々、その問題を解決できたときの喜び — こんな実体験に基づく他人の心を理解する力です
部下との会話をする中で、「あー、これね、うん分かるよ、この課題はそう、難しい場面に直面してどうにもいかなかったよね」— そう言ってくれる上司がいるだけで、どれだけ部下の心は救われるでしょうか