夏はより大規模な仕事を、多少負荷がかかっても堂々と。たとえば、細かいストレスを感じる会社ルールの見直し、整備や古い会社設備のリノベーションなど。日光も多く、人の気分もおおらか。冬は寒く、日光も減り、心なしかオフィス内のスタッフも少しのことでぴりぴりしてしまうように感じます。精神的に負担がかかる仕事は、とりわけネガティブな感情を生み出しかねない後ろ向きの仕事は冬の到来までに可能な限り片づけておくこと。これは年間の仕事計画を考えるにあたって重要なことではないかなぁ、と実感しています。
また、冬になるとロシア人スタッフの病欠が増えることも事実です。2週間病欠でいなくなる、ということも決して珍しいことではありません。身体が弱い人が多い気がします。また、子供が病気になってしまい、共働きであることから夫婦のいずれかが子供のケアをしなければならない。そのために休暇を取るケースも見られます。以下参照URL先に病欠を取る場合のルールを説明した動画が掲載されています(ロシア語)。病欠になったスタッフは、病院にでかけ医師に診断してもらい、一定の日数を経た後に再度医師に診てもらった上で仕事に復帰してよいかの判断をしてもらう。そして専用の用紙を発行してもらい、それを会社の人事部に提出する、というのが一般的な流れです。
ロシア人の友人に「この時期になると、ロシア人スタッフがよく病欠で休むんだよなぁ」と話したところ、「日本人はロシア人と比べて良いものを食べているから身体が丈夫なんだ。ロシア人の食べているものは品質が悪く、その影響ですぐに病気になるんだ。」― 当たっている部分もあるかもしれません。それもあってロシアでは日本の食事が人気ですし、ロシアの食料品店でも健康志向の 食品が増えています。実際の売れ行きは分かりませんが、需要が無ければ増えないと思われますので、恐らく多くの人々がそれらの商品を購入しているのでしょう。病欠の話を聞くと、ー これも一度ならず発生するのですが、病欠の完了日を聞いており、その翌日から出社してくることを想定していたら、「医師の判断であと数日病欠が延期tなりましたのでもう少しお休みします。」…あります。-少ない人数で仕事を回しており、複数のプロジェクト(各部門の年間の達成目標)を抱えてその管理を担う私の立場としてはため息が出ること、あります。私の部下で病欠しているスタッフは働きぶりもしっかりしている人たちでずる休みすることはないようですので、このがっかり感をぶつける術もありませんが、病欠が起こることにより計画の変更を余儀なくされることは予め想定しておくこと。これは私の実体験からお伝えしたい点です。
スタッフからは「北欧では夏と冬とで日照時間が違うこともあって勤務時間の長さを調整している企業がある、うちもそうしないのか?」と尋ねられます。今の私が勤務する会社では季節別の勤務時間の変更に対応できるほど会社が成熟しているわけではありませんが、あらゆる可能性は考える価値があると思っています。私はまずはフレッスク勤務が第一歩であると考えていますが、その実現については、各企業の相手とするビジネスパートナーとの関係でどうしても相手の勤務時間に合わせる必要があること、トップマネジメントからのロシア人社員に対する信頼と社員の勤務実績と結果のコントロールバランスなどの要素を慎重に検討してゆかなければならず、そう簡単にはゆかなそうです。
なお、ロシアでは病欠をとると、その分ほぼ確実に収入が減ります。一定の分は法律により補填が保証されていますが、計算ロジックを見ると病欠にならないほうがよさそうです。
- 100%が保証される場合…累計8年以上(同一企業である必要はなし)の勤務経験がある場合。
- 80% — 5-8 年
- 60% — 5 лет未満
病欠の間の給与計算にはルールがあります。過去2年間の収入額総額を730で割り(つまりカレンダー日数)、一日当たりの日当を計算し、それに病欠日数を掛けたものが支払われる、という計算です。この過去2年間の収入総額には基準額があり、毎年変動するので確認が必要です。この基準額に満たない収入額の場合は実際の本人の収入額を利用する。基準額を超える場合には同基準額を利用する、となっています。そのため、いずれにしても労働者にとっては収入が減る結果となります。しかし、具体的に把握しているわけではありませんが、この収入減を補填する制度(例えば、年間の病欠10日間までは会社が本人が本来出社していれば受け取っていた額を保証するなど)を取っている企業は少なからずあるように思われます。
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