モスクワのように都会であっても、日本のようにふんだんに本の揃っており手に取ってパラパラと本をめくりながら時間が経つことを忘れてしまうような書店はほぼありません。その分インターネット上のオンラインショップや海賊版がより一般的なのかもしれません。
必要な本はインターネット経由で確認するしかなく、以下のインターネットのオンライン購読を購読しています。きっと他にも素晴らしいサイトがあると思うのですが、これらを好んで利用している現状です。
Kindle(日本語)… 毎月の購読料を支払えば読み放題となるのは嬉しいです、読み放題の本に制限があるのは…ビジネスとして理解できます。
SCRIBD (英語) … ロシア人スタッフに仕事上大切だと思うビジネスの知識を共有しようと思うと、大概の本は英語で発行されているものが多いため、色々と探している中でこのサイトにたどり着きました。購読料は高いな…と感じますが(先月は850RUB、日本円にして約1,500円/月の購読料)、英語で発行されている本を幅広く見ることができ、ダウンロード・Audio bookとして聞くことができるのはよい点です。スタッフのスキルアップに繋げようと、ここで見つける本を適宜共有しています。なかなか英語ではスタッフの理解をがっちりつかむには難しいものがあるな…というのが正直な気持ちです。
ЛитРес(ロシア語)… ロシア語の本を探していて、比較的このサイトを見ることが多いです。といってもロシア語であれば、ロシア人スタッフに尋ねて良いサイトを教えてもらうことが最善でしょうね。
さて、それぞれのサイトにあるジャンルを見ていて、その国の国民性が見えてくるのだろうか、と感じることがあります。
日本
マンガは日本の特徴ですが、それに負けず日本はテクニック向上や会社での対人関係に重きを置いたテーマが特に多いのではないか、と感じています。1日30分を続けなさい!、仕事が早い人は何が違うのか、朝4:30に起きる~、XXの法則、人から好かれて人生成功するためには、雑談力を上げるためには、プレゼンテーション能力の向上、パワーポイント資料の作成方法などなど、このようなジャンルの本が他の英語、ロシア語サイトと比較して多いように感じます。
アメリカ
ビジネス関係といえば、伝記やリーダーシップといったものが目に入ってきます。そして個々人の成長に関するジャンルではHappiness、Psychology…アメリカというビジネスの先端を行く社会に住む人々が疲れてしまっているがゆえにこのようなジャンルがとりわけ必要とされているのでは、と思ってしまいます。
ロシア
物語の本が圧倒的に好まれて読まれているのではないでしょうか、そしてビジネス書に関してはほとんどロシア人著者による良書がないと感じています。大体書店で見る本は欧米系の著者のロシア語翻訳版です。その点で、日本では欧米系の翻訳もあれば、日本人著者によるビジネス書も多くあり、ビジネスジャンルに関しては恵まれているのではないでしょうか。ロシアはせめてもう少しロシア語によるビジネス書、それももっと読者に楽しく読ませるような本の内容構成が必要です。お堅い内容が一層お堅い文章構成となっていれば、どんなに内容がよいとしても自然と本を閉じてしまう…。一方でロシアは世界に誇る長編作品も存在し、そういったものに囲まれて育ってきた人々が主要なロシア企業のポストを担っているとすれば、欧米系や日本のビジネスマンとは異なる感覚を持った人々を中心としたビジネス界に、若き新たな視点を持った若い世代が入り混じってゆく。そんな過程にあるのかもしれません。ロシアの書店を数年間見ているだけでも少しずつ本の質、デザイン、内容が変わってゆくのを見ることができるのは面白いことです。