7年間、我武者羅に働いたモスクワでの生活。朝早くから夜遅くまで。土日もオフィスに行ったり、家で、またはカフェで仕事をしたり。そんな生活を過ごしていると自分自身の仕事を客観的に観察する余裕がなくなっていました。一体この経験がどのように自分の成長につながっているのか?その仕事の内容は本当に自分の成長の糧になったのだろうか?そういった振り返りが大切だと思います。どんなに忙しいからって自分が成長しているとは限らない。忙しくしている自分自身に”酔ってしまう”人もいるかもしれません。
今は日本に帰ってきて、ロシアの子会社をはじめとした世界中の販売子会社の数値をまとめ、分析しながら広い視点で仕事ができる、かつ、余裕をもって仕事ができることのありがたさを深く感じています。現場で苦悩した日々を経験したからこそ、それをどれだけ今現地で苦労している仲間に還元できるかが、みんなから感謝されることをしてゆくこと、それが自分自身の評価の尺度ではないかと思います。する必要のない苦悩は誰も経験しなくてよい、そう強く思います。限られた時間なのだから、もっと楽しいこと、人のためになるようなことに時間を使うべき。であれば自分自身の経験や知見を少しでも周りに分かち合いたい。
私の7年間は、ただただあちこちに飛び火する火消しに奔走していた日々。時として火事になりかけてお叱りを受ける。ようやく落ち着いて仕事が回りだしたと思ったらスタッフが退職してしまい自分自身がカバーに入らざるをえない。なかなか良い人材に巡り合えない採用活動の繰り返し。業務改革に取り組むぞ、と意気込んでいたら突然の税務署からの大量の書類提出要求。意味の分からない法制度の変更により対応に追われる…忙しさを経験することから得られることだってあります。今振り返ってみれば、自分自身がどこまでできるのだろうか、自分の強いところ・弱いところは何だろうか、そんな風に自分自身を吟味するよい経験でした。しかし、繰り返される火消し。それは組織としての在り方に何らかの問題があった、ということを認めるしかありません。今は次の世代の人たちが次のステップに向かって漸進しているとのこと。私が勤務していたロシアの会社の今後に期待しています。