頻繁に利用する街中でのカフェでマクドナルドで。コーヒーを注文すると砂糖とミルクを何も言わずにカップに添えてだしてくれる。でも全員が砂糖を使うとは限らない。ひと言聞けばよいのに。一体どれだけの砂糖が無駄になっていることだろうか…どれだけその未使用のものがそのままゴミ箱に行き、経費の無駄使いとなっていることか…。いつも思います。
たった一言、コーヒーとミルクは利用しますか?そう聞けばよいだけなのに。そんな一言があるかないかでどれだけ会社の経費削減に貢献できるのだろう、そんなことを考えて自ら考えて実践できるひとがどれだけいるのでしょう。という私もこんなことを言っておきながら、何も考えずに席について、あっ、私は要らないのだけど…言ってあげればよかった…と後になって気が付くこともあります。
こんなちょっとしたことことから、ルールに従って物事を行えること自体も能力ですが、それ以上に自らが正しいと思う、あるいはそう教え込まれてきたルールを客観的に、疑問をもって見つめることの能力の重要さを一層認識するモスクワでの日々です。
日頃から自分自身でルールから外れた状況を作り出し、それに対してどのように対応できるか、ある種のトレーニングを重ねておくことの大切さを否応なしに感じています。
現在のコロナウイルスがここまで大きくなる前には、毎週末にモスクワ郊外の街へ日帰りで電車での小旅行を楽しんでいました。初めての町で勝手も分からず、余裕をもって行動するべきなのですが、どうにも大概帰りの列車にぎりぎり5分前くらいに乗り込むケースが続きます。これは訓練というよりも時間の計算の甘さでしかありませんが…その状況でどうするのか、頭を使って悩み考えて答えを出す。そんなことも訓練の一つだなぁ、と思うところです。Voronezhの町で、翌朝モスクワに到着する夜行列車に乗り遅れないようにと約5kmをひたすら走ったあの経験は二度としたくありません…筋肉痛がその後も続きました。
人は不思議なものです、もういいや、次の列車でもいい、チケットを買いなおせばいいのだから、と思った途端に一気に力が抜けるものですから。幸か不幸か、ロシア郊外の町で列車を逃すともう次がなかなかないのでそうも言っていられませんが。
さて、今のモスクワのコロナウィルス状況。確実に経済、ヒトの生活、心境にマイナス影響を及ぼしています。誰もが想定していない展開にあらゆる危機を経験してきたロシア人にとっても新たなチャレンジとなっている様相です。増してロシアと比べればずっと安定的な経済、生活環境で過ごしてきたであろう多くの日本企業の駐在員にとっては、今回の事態は会社の業務運営への影響を抑えるためにも、スタッフに広がる動揺を緩和するためにも大きなチャレンジであること間違いないはずです。私にとっては全くの新しいタイプの経験であり動揺しないと言えば全くのウソになります。日々新たな情報が更新される中で見えない先を見通す努力とそれに備えた手を打つ行動力、リーダーシップ。
ルールを逸脱した状況でそのヒトの本質が試され、あらわにされるのだと。
「XXXさん、私たち、仕事があるだけずっとましだわ」 ― 部下の女性のそんな落ち着いた発言を聞くと、改めて女性のたくましさを再認識しました。
政府の発表情報サイト(26.03.2020発表)http://government.ru/orders/selection/401/39276/
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