今回の記事でも、誤解を恐れずに言えば、本来、仕事というのは簡単。そう考えています。ただし、お客さんの心を読むこと、コントロールすることは出来るわけがなく、そればっかりは最高難易度の仕事です。
とりわけ、会社の管理に関する業務は自らでコントロールできる割合が高い故に、問題解決できる確率も高いはずです。その意味で、仕事は簡単。
…のはずですが、ところがそうはいかない。なぜ?!いつも自らの思いと現実との大きな乖離に悶々としつつも、そのギャップにある人間という生き物について深く考えてしまいます。
一人ひとりが、同じ会社で働く仲間として同じゴールを目指している。お互いにそれを分かっているはず。なのに、一人ひとりにエゴがあったり、どうしても他人よりも自分が(自分の課が)上の立場にいたい、有利になりたい、一言何か言わなければ気がすまない。何か文句を言わなければ納得しない。結局、物事の結論がまとまらない、先に進まない、いらいらする。お互いに険悪になる。そんなことが皆さんの周りでもないでしょうか?私は何度も経験してきました。その度に、「なぜこの人はこんな考え方をするのだろう?何か昔に経験してきたこと、家庭での環境が彼・彼女の考えを形成するのに影響を与えたのだろうか?」と考えることあります。
ただただみんなが、一言いいたいことを我慢して、”今回は彼・彼女の言うことを聞いてあげよう”、”思うことはあるけれども、会社全体のことを考えて提案してくれているのだろうから支えてあげよう”、(年齢が上であれば)”私もそんな時代があったなぁ、私にできるアドバイスを言葉巧みに伝えるけれど、彼・彼女のよい経験になるに違いないのだから、言われた通りに従ってあげよう”など、そんな風に優しく、謙虚にいることができれば、やっぱり仕事は簡単に進むはずだと思うのです。いかに人間という生き物が難しいか…イライラするのを通り越して、ただただ感心してしまいます。
街を歩いていて、弱い犬ほどよく吠える。そう思います。人間社会も同じではないでしょうか?能力があまり高くないスタッフほどやたらと些細なことに口を出してくる、文句を言う。会社という組織にいる以上、そんなスタッフの声もあからさまに無視をすることはできず、会社全体にとっての、その状況での最善な回答を導き出す。悔しいですが、毎回自分で考えている物語のようにはいきません。それでも、自らの目指す方向に持ってゆくためには、日頃から可能なところで仕事では”あえて負けておく”ことの大切さ。それによって、こちらが譲れない決定の時には、相手に認めてもらえる関係を築いておくこと。結局のところ、将来を見据えた一日一日の行動が重要であることを学んでいます。本当のWin-winな関係というのは、日頃のLose-winの回数をどれだけ積み重ねて、相手を尊重しているかを示すことにあるのだと思っています。