ちょっとした一言の大切さ / A few simple words make things big different

今日はちょっとしたことで深く考えさせられることがありました。

お昼過ぎに社用車を利用してオフィスを出発。14:30くらいだろうか、目的地に到着し車を降りてドライバーと別れた。行きのみ車が必要で、帰りは自ら地下鉄で帰宅。(夕方からのモスクワ中心街の渋滞は大変ひどく、歩いたほうが早いのではと思うくらい進まない。場所によっては500mくらい進むのに1時間近くかかった経験もあり、車での移動は大嫌いだ)

19:30過ぎにドライバーからロシアで大変ポピュラーに利用されているメッセンジャーアプリ、What’s upに“Извините, а вы когда вы выйдете?”(すみませんが、いつ出発しますか?)とのメッセージ。こちらはしばらく携帯を見ておらず、20時過ぎくらいに気づく。?と思い連絡すると、どうやらこれまで私が降りた場所でずっと待っていたらしい。彼の勤務シフトは午前中なので夕方前には勤務を終えるべきところ、こんな遅くまで待たせてしまうことに。彼は私に連絡してくる頃に夜の勤務シフトのドライバーに交代し、私がまだ建物内にいることを伝えて、夜間担当のドライバーが引き続き私を同じ場所で待っているという。すでに私は建物を出て帰っていることを伝えて勤務を終えてもらった…。

ここで「なぜドライバーは電話してこなかったのか?一本電話すればそれで済んだ話では?」という疑問もあるものの、今回のテーマは、ほんとに小さな一言が後に大きな問題となりうる芽をつむことにつながる、というもの。

社用車を総務スタッフに手配するとき、メールに赤字にて「One wayだけ必要です」と強調したことから問題なく伝わっていると思っていたものの、ドライバーは「その指示は聞いていない」という。手配ミスはこれまでにほとんど無く安心しきっていたこともあるのだが、あのとき、車を降りる時に一言「今日の帰りの車は不要だからね、もう帰っていいよ。」と、その一言をかけられなかったことが心残りとなってしまった。たった一言、まったく時間も取らず、仮に分かりきっていることとしても、もしかしたら50回に1回かもしれないけれど、その一言が役立つことがあるかもしれない。出発するまえの目的地確認、降りる時に何時頃に車を必要とするか、車は要らないのか、それをドライバーと確認することをスタンダードとする。そして、以前にも書いた“自分で決めたスタンダードを守る”の通りに決まったこととしてルーティン化すること。今日はまた一つ学習した。

ところで、この一言でお互いの理解を確認することの大切さ。

オフィス内でももちろん大切なことだけれど、相手によってやり方を考える必要があることも学んでいる。例えば、タイミングの問題。経理スタッフが電卓で計算をしているとき。相手を気遣うならば計算が終わるまで声をかけるのを待つこと。大概計算してきた途中で止まるとやり直しとなってしまう可能性が高い。スタッフ同士で仕事に関する議論をしている最中。いくら上司だからといって自分の権限で会話に割って入って自分のことを優先するのは上司として失格だ(ただし緊急時を除く)。例えば相手の性格の問題。部下によっては仕事中にむやみに声をかけられることを嫌うスタッフがいる。たった一言だからいいでしょう、と思うのだが「XXXさん、私はメールでコンタクトしてもらうほうが集中力が切れないのでうれしいです。メールしてもらえませんか?」と言われてしまう。なので、彼女とは簡単なメールで済ますことも多い。会議のときはきっちりと時間を割いて議論し合うけれども。また、こんなスタッフとは彼女が席を立って歩きだしたタイミングが目に入ったときに声をかけるのが有効だな、と感じている。一方でこちらもちょっとした時間のかからない報告は私が席にいる時には声をかけて、とお願いしているので、スタッフも進捗があれば適宜「XXXさん、この件進捗があって、YYYです。いまZZZからの連絡を待っています。」そんな風に報告してくれる。といっても自分自身も集中力が切れるのを極度に嫌うので頻繁に声をかけられるのはさすがにやめてくれ、と。そんなときは苦笑いしつつも若干しかめっ面をして「…ごめんね、ちょっと今は…。」というと、部下も慣れたもので「あっ、今はまずい…」と思って近づいてこなかったり。あるいはもう席を外す…、だって「席にいるときにはいつでも声をかけていいよ。」と言ったのが自分なので言い訳ができない…。

マネジメント業務は非常に人への気を遣う、まさに現代の日本人の極度なおもてなし精神と同じかそれ以上に大変な仕事なのだ、と感じている今日この頃です。

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門にて長く勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に激動の日々を過ごした中で当時悩み、もがいていた管理業務の情報、体験談を少しでも多くの方々と共有したい、との思いがきっかけとなりブログを始めました。今はロシア、ウクライナの友人たちと連絡を取りながらロシア語の勉強を続け、ただただ平和な世界が来ることを願う日々です。

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