書きたいことはたくさんあるのだけれど、あまりにも目の前の業務に追われて、ゆとりがなくなっている、というのが本当の気持ちです。これほどまでに先行きの見通せない、予測のつかない事態にこうも急激になろうとは誰が想像したでしょうか…原油価格の下落によるルーブルの暴落、そしてCoronavirusの蔓延は確実にモスクワにも大きな影響を及ぼしています。
「ロシアはこれまでもありとあらゆる危機を経験してきたので慣れっこです」なんて冗談を言っているスタッフもいます。決して嘘ではないのですが、今直面している状況は、長年モスクワに勤務する経験の中でかなりタフな経験となっています。この週末は疲れもあり、全く仕事から遠ざかっていました。全く何もせずに好きなYoutubeの動画やNetflixを観たり、キッチン回りを掃除したり。かつてならこのような”何もしない”時間を極度に嫌ったものですが、いまはこの”何もしない”時間の中で、今の置かれている物事を客観的に考える時間を持つことの大切さを感じます。
平時にどれだけ当たり前のことを当たり前にこなすことができているか、そのことの重要性と、日頃からの積み重ねが会社や個々人の力の差としてこのような臨時の場にはっきりと表れる - それを否応なしに体感しています。その一方で、ヒトというのは弱いもので、このような場になるまで日頃の当たり前の積み重ねの大切さを学習することができない生き物であるなぁ、ということも学んでいます。少なくとも、こんな体験をしたからには私自身、そしてロシア人マネジャーをはじめとするスタッフ全員が、この危機をまずどう乗り越えることができるか?乗り越える過程でどれだけ成長し、将来やってくるであろう次の危機に向けた意識と行動を高めることができるか?そこに会社と個々人の先がかかっているはずです。
さて、明らかに金曜日の夜にしても、この週末にしても通りを出歩く人の数が少ない気がいます。お店に出かけてもレジでの会話はコロナウイルスのことばかりです。「商品が少なくなってない?」「ないよりはあるだけましでしょ?」
さて、ニュース媒体Meduzaによれば、いくつかの情報が掲載されており、(別のビジネスニュース媒体)РБКがレポートしたところによればモスクワのロシア内務省は、コロナウイルス状況が一層悪化した場合のアクションプランを3月末までに準備するように指示をした、とのこと。この計画の中にはモスクワへの自動車の出入りの制限と、外出禁止令の導入といったものが挙げられています。
それ以外の媒体の情報も掲載されており、
19.03時点:モスクワのコロナウイルス感染者が800人に達する場合、モスクワ市を封鎖する計画を検討中であること、
22.03時点:モスクワではコロナウイルスの状況が今後悪化すれば、より一層の厳しい検疫手段を導入する計画がある。(大型ショッピングセンターや地下鉄の閉鎖、といううわさも聞いていましたが、 この記事によれば)”モスクワ市長セルゲイ・ソビャーニン氏は地下鉄の閉鎖、軍隊の投入の可能性といった噂はばかけだ話だ、ということで一蹴した”とのことです。(Мэр Москвы Сергей Собянин также развеял слухи о возможном закрытии метрополитена и вводе войск в столицу, назвав их чушью. )
最新の状況によればロシアでは367のコロナウイルス感染ケースが報告されており、そのうち191のケースがモスクワで報告されている、とのこと。
https://meduza.io/news/2020/03/22/rbk-politsiya-gotovitsya-k-vvedeniyu-komendantskogo-chasa-v-moskve