2019年、過去22年ロシアビール市場のトップの位置にいたCalsbergグループのロシアビール「バルチカ」(市場シェア28%)が初めてトップの座を明け渡し、AB InBev Efesが1位(同29%)となった。
バルチカは1996年から変わることなくトップに君臨し続けてきたが、高価格帯のクラフトビールの売れ行きが伸びた一方で低価格帯の商品販売が芳しくなかったことが市場シェア低下の原因のようだ。
Calsbergのロシアを含む東欧市場での業績をみると、ビール販売は6,2%減(287млн дал)、売上は0,4%($1,6 млрд)減。ただし、ロシアを除いた他の国々の営業利益は伸びている。
かつて、2014年まではCalsbergの利益の40%以上はロシア市場からもたらされていた。ところがその後のルーブル価値暴落により利益は一気に下落。そして2017年には重要な市場は中国へと移った。今ではCalsbergの営業利益に占める東欧市場のそれはわずか16%となり、会社にとって一番小さな地域となった。
AB InBev Efesは”Сибирская корона”, “Стрый мельник”といったブランドのビールを生産していて、トルコビール会社Anadolu Efesとの合弁会社。ロシアとウクライナで幅広い種類のブランドを市場に提供している。
ロシアでのビールの需要は地方の中小の大きくない生産者のクラフトビールが伸びており、これは世界的なトレンドとなっている。
出典 Vedomosti 13.02.2020