街のスタンドで見つけた仕事広告冊子”Работа & зарплата (Job & Salary)” (Link: http://rabotamedia.ru/)の見開きページにこんな面白い記事がありました。月曜日が憂鬱に感じるのはどこの国でも同じなのかもしれませんね。「仕事に行く気にならない時、あなたはどうしますか?」とのアンケートへの回答結果には日本では想像できない回答結果が。日本で同様のアンケートがされたらどんな結果が出るのか分かりませんが、インターネットで幾つか検索してみてもロシア人の回答にあった、「仕事を休む」という回答は、見つかりませんでした。回答にあたってのそもそものマインドに両国民の間で違いが見られるのは興味深い特徴ではないでしょうか。
月曜日 ― つらい日
1.仕事日に向けて早めに準備を始めること
金曜日。明日は休日だ、ということで気が緩んでしまい、終えられる仕事を後にしてしまう人が多くいるけれど、これは誤った選択です。月曜日には新しいタスクが現れます、金曜日に終えられることは月曜日に持ち越さないようにしましょう!
2.早めに寝ること、例えば23時までに就寝すれば、翌日はより気持ちよく起床できるでしょう。爽やかな気持ちで起床でき、朝食を楽しみ、ゆとりを持って出発ができます。渋滞や地下鉄のうんざりする人ごみもなんのその、気持ちよくオフィスに到着できます。
3.月曜日の朝を気分を盛り上げてくれることから始めてみませんか。同僚と最近のニュースを話してみたり、お茶やコーヒーを飲みながら5~10分ほど同僚とちょっとした会話を楽しんでから(послетничайте с ними)仕事を始めるのはどうでしょうか。
4.仕事中に何回か短い休息をとること。オフィスを出て外で新鮮な空気を吸うことほどよいことはありません。身の回りを楽観的に、ポジティブに見てみましょう。きっと憂鬱な気持ちも軽くなるでしょう。
8時間?もしくは5時間?
英国のJohn Ashton教授によると、勤務日数は週4日に短縮されるべきである、ということ。それが仕事上の成果と家族生活、ストレスの影響を最小限に抑えるために、近しい人との関係をより良くするためのバランスを保つ上で大切だ、という。仕事のアウトプットが高い人は業務時間のうち、5時間以内に結果を出している、というデータがあるようです。
(参照Link)
https://www.theguardian.com/society/2014/jul/01/uk-four-day-week-combat-stress-top-doctor
アンケート結果 「仕事に行く気にならない時、あなたはどうしますか?」
面白いなぁ、と感じたのは「仕事に行く気が起こらない時、あなたはどうしますか?」との質問に対して、26%もの人が、「仕事に行かない」と答えていること。きっと冗談も交えて回答した人も含まれていると思うので、この数字を正直に信じてはいけないのだと思います。それにしても、13%「オフィスに行かなくてもよい、それらしき理由を考え出して仕事に行かない」、8%「無給休暇あるいは有給休暇を取得する(ロシアの給与計算は複雑です、別の機会に記述予定です)」、5%「誰にも言わず、ただ仕事に行かない」(ひどすぎます)
モスクワで働いていて、ロシア人スタッフからすると私自身も含めて多くの日本人は業務の開始時間にとりわけ厳しいようで、この点でお互いに理解し合うことは難しさを感じます。多少遅れる分には許されるもの、との暗黙の理解があり、遅れる人は数分~10分以内の範囲で遅れてやってきます。すごいのは、それ以上遅れてくることはない、ということ。遅刻はしているのですが、決してひどい遅刻ではないのです。その数分の遅れに対してどれだけ厳しく接するべきか?この点は多くの日系企業マネジメントが格闘しているテーマだと思います。
業務時間に関して、日本的美徳の意識を変える
始業時間になっても共同スペースでスタッフ同士がコーヒーやお茶を飲みながら歓談している様子を今でも見ます。かつての私であれば、この点に目を尖らせていましたが、今では「この時間も大切な仕事時間の一部なんだ」という思いを持つようになりました。よく聞いてみると、彼らもただ世間話をしているだけではなく、イベントの情報交換や、お客さんとの仕事上のハプニングなど、業務に関係あることで盛り上がっているようです。ただデスクにいないから、別の場所で話をしているからさぼっている、そんな風に形だけで判断することがないように気をつけたいと思います。形から入るというのは正しいことでもあり、間違っていることでもあるのかもしれません。
今のモスクワの若い世代も日本の若い世代も考え方が我々とは異なっており、仕事に対して柔軟な考えを持っています。仕事は一日8時間労働の契約、勤務時間が終わればオフィスを出て友人と遊ぶ、家族との時間を楽しむ。そんな当たり前を犠牲にしてきた我々日本人は、私たち日本人の働き方そのもののあり方を考える必要があるのでしょうか。ロシアに来て有りのままに生活しているロシア人スタッフと一緒に働く中で多くのことを学ぶことができています。
さて、先週の金曜日。ロシア人スタッフと週末の過ごし方を会話したところ、ダーチャで過ごすとのこと。その彼女と金曜日の午後から一緒に外出の用事がありました。彼女曰く、「XXXさん、オフィスを出る出発時間が遅すぎる。モスクワの金曜日は大変なんです。みんなダーチャに出かけるから渋滞もすごいの。私もダーチャで過ごすことがとても大切なんです、ダーチャに出かけるのが遅くならないように早めに出ましょう」と急かされました。結局長引いてしまい、ご主人から「まだか?」の電話にも「こっちはまだ忙しいの!仕事が終わっていないのよ!」と一蹴。そんなこともあって外出先では、「もうそろそろ終業時間だし、ダーチャの出発しないといけないのでは・・・?」と気を利かせたのですが、彼女が仕事モードに入ってしまったのが原因で、外出先での用事が終わったのは19時過ぎでした。「いいの、いいの、大丈夫」とのことで、金曜日はなんとも彼女のペースに周りの皆が苦笑しながら振り回されてしまいました。そんな事態を経験できるのもまたロシアでの勤務の楽しさの一つです。