ロシアの冬。
ただでさえロシアでの生活は行動範囲が限られているのに、それに輪をかけて制限が与えられる。雪が降って解けて凍った足元をよちよちと歩くのも一苦労。夏は10分でゆけた距離が時計を見ると15分以上かかっている。太陽の日差しも浴びること機会も少なくなり、何だかいつも眠い気がするしだるい。なぜだか分からないけれど、冬になると人も怒りの沸点が下がってしまい、ちょっとしたことでも火がついてしまう。そんなこんなで皆早く春の訪れをイライラしつつもうずうずとしながら待ち遠しく焦がれている。
といっても冬のロシアは汚い部分も一時的に白の世界で覆われて、公園も川も全く違った様子を見せてくれるのはとても好きですが、今回のテーマは主に人に関して。
冬を過ごして、いかに基本的なことがとても大切なことか学んでいます。よく寝て、健康を保ち、病気にならないこと。それに尽きます。
毎日の仕事量が多く、やるべきことに追われる中でなかなか仕事を切り上げることは難しいのが事実。でも、明日のことを考えると明日はまた明日で闘わなければならない。でも今の仕事を途中で終えるのはダメ。なのでやる。でもそうすると帰れない。実際帰れない…。そうなると業務内容そのものを見直し、効率的に働く必要が出てくるので今度は体のケアだけではなく、テクニカルな面でも取り組みが必要となってくる、そんなわけですべては一緒になっていて切り離すことはできないですね。身体が強靭であっても、24時間という有限のものは誰もが同じであり、さすがに寝ずに仕事を続けることは不可能。やはり休息が必要です。
まず身体があって、次に業務改革。身体が元気であればまず自分の気持ちをコントロールすることも容易になる。眠い、だるい、体調が悪くて気持ち悪い…そんなことでは集中力も続かず、イライラしやすくなる。身の回りで起こる大多数の問題は、怒りのコントロールができなくなった時に発生するものが多いように感じています。それは心身のどこかにストレスを抱え込んでいることが原因ではないでしょうか。自分の人間力を高め続ける。限界の無い挑戦。
決して睡眠が最善の解決力ではないものの重要なポイント。心配事があれば今度は熟睡できなくなるので「さあ、よく休んで眠りましょう!」なんて言っても全く説得力がないのですが。
かつて、4:30起床で生産性Upを、といった類の本を読み、これだ!と思い実践したことが一時期ありました。実際に行うことは大変難しく、むしろ生産性ががっくりと落ちてしまいました。ミスも連発。ハウツー本は、「どのように」の技術面を中心に記載していますが、大切なのは「なぜそうすることが必要なのか」という本質を常に考えることが大切だと、かつて何十冊もそのジャンルの本を買い込んで読み漁ったあと、実際に取り組んでみてすべてが決してうまくいかなかった経験も踏まえて学習しました。例えば、4:30に起きること、何時間勉強したか、何時間机に向かっていたか、何冊本を読むのかなど、それ自体を達成すること自体が目的となり、本来の大切な本質を忘れてしまっていたことがあります。あとは、あらゆるハウツー本に手を出しているとき、それはきっと自分に自信が無いから、読んで自分は成長した気分になる、それに浸っているだけであると経験から考えています。もっと自分の経験から学んできた自分にふさわしい方法に沿って、かつ常に自分にもっと合った方法がないか試行錯誤し続けてゆくことが必要なのでしょう。
よい睡眠をとるためには、とくに冬は長めの休息が必要。4:30起床は無理。何よりもよい睡眠を。それと共に高い集中力を。その中で可能な業務効率化を。そして何よりも人間力の向上を。そもそも人間力、という言葉自体が多くの意味を包含していて形容が難しいです。