冬になると、モスクワの街中のいたるところでIlluminationが咲き乱れます。ここではロシアのシンボルでもある聖ヴァシリー聖堂が煌々と行き交う人々を照らしています。
ロシア人の名前には名前、性に加えて父親の名前から作成される「父性」が存在する。名前に父性を付けて呼びかける時は、より目上の人や距離がある人に対して使う言葉。通常、仕事では社内の言葉は英語のため、Anna, Sergey,といった風に名前で呼び合う。(より親しい間柄の場合には、Anna→Annya、Sergey→Seryozha、のように砕けた表現があるけれども今回のテーマからは対象外)ただ、時としてお互いの意見がぶつかったり、理解し合えず埒が明かないこと、いい加減にしてくれよ全く、なんて言いたくなる時がある。そんな時、かしこまった言い方でAnna Alexandrovna! Sergey Ivanovich!といったように名前+父性で相手に呼びかけることも一つ効果的ではないでしょうか。
仕事では名前+性をセットで使うことが多く、各人の父性まで覚えきれていないのですが、ここぞという時に、「ねえ、ちょっとお願いだから聞いてください、Anna Alexandrovna。」と言われたらロシア人スタッフはきっとあなたのことを「おおっ、この人はロシアを分かっている。」といって態度が変わるかもしれないですね。
ロシア人とビジネス上の関係で、かつお互いに距離がある場合には、ビジネスメールは名前+父性はセットで書き出したほうがこちらのリスペクトが伝わり相手への印象も良いでしょう。
また、子供が何度言われても親の言うことを聞かない時、親は一言「Anna Ivanovna!!」と。いつもは「Anochka」といった優しい言葉で呼びかけていたのに、そんな風にかしこまって呼びかけることがある。
見知らぬ人とでも、会話を初めてすぐに、「あなたの名前は何というのですか?(Как вас зовут?)」と尋ねられて、そこから名前を相手に呼び掛けて会話が続くことも多い。
ロシアで仕事をしていると、我々が持っている名前というものの大切さを何だか感じさせられる機会が日本以上に感じられるのではないでしょうか。