イントネーションとは?「基本ロシア語文法」(著:佐藤純一氏)によれば以下のように定義されていました。
断定・疑問・感嘆・命令・ためらい・問い返しなどの意味をあらわすために、文は一定の声の調子をとります。これをイントネーションといいます。外国語を話すとき、イントネーションが正しくないと、意味が通じなかったり誤解されたります。
日本語で断定の意味の文章を話すときには文末を下げるし、同じ文章のままで疑問形にしたいときには文末を上げる。例えば、「あなたはロシア語を勉強している。」それをそのまま疑問形にするならば「あなたはロシア語を勉強している?」となります(きっと「~勉強していますか?」あるいは「~勉強しているの?」と言った方が自然なのかもしれませんが今回の内容はイントネーションに重きを置くということでご了承願います)。
こう考えると、基本的にロシア語も日本語も同じなのかもしれません?(この文章もイントネーションを利用した疑問形になっています)そして、ロシア語の会話を聞いていればロシア語としてのイントネーションは自然と身につくものだろうと思うと、イントネーションは教科書をじっくり読んで勉強するよりもとにかく実践あるのみ、ということなのかもしれません。
以下のような断定を表す文のイントネーションでは、文末の音が下がる。
Это Маша.(これはマーシャ(女性の名前)です。)
Маша здесь.(マーシャはここにいます。)
Маша гуляет в парке.(マーシャは公園の中をを散歩しています。)
同じ文章でもイントネーションが変わると疑問文になる。(疑問文にするためにイントネーションを変える、とも言えるのかもしれませんが)なお、以下で黄色でマークした部分は文章の中で強調される(イントネーションが高くなる)箇所ですが、厳密に文法ルールを調べて記載したものではありません。あくまで私個人の知識・経験に基づいて記述しています。ロシア語のイメージを掴む程度に利用いただければ幸いです。
Это Маша?(これはマーシャですか?)例えば、マーシャという女性を写真の中でどれかな、と探していて見つけたときの反応。
Маша здесь?(マーシャはここにいますか?)
Маша гуляет в парке?(マーシャは公園の中を散歩していますか?)
イントネーションの付け方を変えると、先ほどとは質問の意味が変わってくるのがまた面白い。
Это Маша?(これが(あの)マーシャですか?)例えば、昔の写真を見た時に、えっ!今の姿からは到底想像できない!これがあのマーシャなの?といった驚きを表す。
Маша здесь?(あのマーシャがここにいるの?!)何十年も会っていないのにまさかあのマーシャがここにいるなんて。信じられない!、そんな時に言えるかもしれません。
Маша гуляет в парке?(あのマーシャが散歩してるんですか?)ずっと病気で入院全く外を出歩くことがなかったのに、あのマーシャが外を散歩できるようになったの?もっと良い例があるかもしれませんが…こんな時にも使えるのかな、と思いました。
イントネーションの大切さを説明している動画を発見しました。この女性の説明自体も綺麗で明快なイントネーションで勉強になると思っています。
動画の中で例として取り上げられている例として以下の会話があります。イントネーションを正しい場所に正しい音程で使いこなすことで全く異なる意味の文章となることの良い例となっています。(イントネーションにどのようなな違いがあるのかについて、もし関心のある方がいらっしゃればぜひ動画の4:11~をご覧ください)
После сытного обеда бабушка интересуется у внука:
- Наелся?
А он ей отвечает:
(パターン1)- Еще бы – столько сьел!
Или
(パターン2)- Еще бы столько сьел!
(日本語訳)たっぷりと昼食をとった後、祖母は孫にこう尋ねました。
「お腹いっぱいになった?」
孫は祖母に答えました。
パターン1:「 これ以上食べれないよ、もうお腹いっぱいだ!」
パターン2: 「お腹いっぱいになればいいのに!(まだ食べたいな!)」
Логическое ударение (усиление голоса) - 上記の動画4:00
используется для того, чтобы подчеркнуть особое значение определенного слова в конкретном предложении
論理的なアクセント(音声強調)
特定の文における特定の単語の特別な意味を強調するために使用されるもの。
つまり「声で強調することは文章の意味を理解するために重要なこと」である、ということを理解できます。自分自身の反省点も交えながら振り返ると、言葉は自分が思っている以上に強弱をつけるほうが相手に伝わりやすいのかな、と思っています。とりわけ日本語での会話はロシア語に比べると音声の強弱が明快でないケースも多いでしょうか、どうしても伝わりにくくなりがちかもしれません。今回改めてイントネーションの大切さを認識することができました。