ロシアで自分自身を客観的に観察し続けることの大切さ / The importance of continuing to observe yourself objectively in Russia

昨日、ついに本格的な冬が雪と共に始まりました。道行く人は、帽子、手袋を着用してすっかりみんな冬の装いになっています。厚手のコートに切り替えが必要です。通りにしばらく動かずに立っていると体の芯が冷え込んで震えてしまいます。

ロシアで駐在員として勤務する上で重要な点の一つに、自分自身をいつも客観的に観察し続けること。これが挙げられるのではないだろうか…と感じています。

ロシアに進出している日系企業は規模も小さく、各社で働く私たち日本人の人数も限られます。そして、日本人は大概重要なポジションを担っています。となると、どうしても部下のロシア人スタッフからの、私たちの相応しくない言動について直接指摘を受けるケースが少なくなります。私の経験上 — ロシアに限らずどの国でもそうだと思いますが — 私たちに対する評価は、彼らだけ食事や飲みに出かけている場所で、職場の中でも日本人がいないところで日々なされているわけです。わずか数人の、同じ本社から派遣されてきた日本人。その下に多くのロシア人の部下。日本人同士で指摘しない限り、なおさら自分の行動の正すべき点について注意をしてくれる人が限りなくゼロに近づきます。会社の中では自分の決定が多くの場合通ってしまう(その分責任も発生しますが)。部下もそれに従う。よく考えれば恐ろしいことです。日本にいる時には、上の人から(正しい、正しくないは別としても)何らかの指摘を受けていたのに今はそれがほとんどない。同僚が周りに多くいて何となく比較できる対象がいたのに今はそれがない。間違ってしまうと、「周りは自分の言うことを聞いていればよい、自分の意見が正しいのだ。」となってしまう可能性もあるのではないでしょうか。

社内のロシア人スタッフにしても、どうしても自分自身が仕事のノウハウを共有し、ロシア人スタッフもそれを受け入れる場面が多くなり、ロシア人スタッフと自分自身を単純に比較することは難しく感じます。(もちろん、ロシア人スタッフには、仕事だけではないとても優れた要素が備わっています。カラオケが上手、ダンスがうまい、会社のイベントでは常に率先して盛り上げてくれる。お菓子を作らせたら最高。お客さん向けのレストランの候補地をお願いしたら期待以上にアレンジしてくれる。そういった仕事以外での彼らのすばらしさには脱帽します。ただただその才能を羨ましく感じます。)

また、こちらから真摯に意見を聞きにいかない限り、相手も素直に気持ちを打ち明けてくれません。(それを打ち明けられてグサグサッっと感じることもあるのですが…。)他社の日本人と交流して自らを客観視することも可能ですが、他社の方々とのお付き合いはどうしても業務以外になってしまうのでお互いに相手の仕事について深くは理解はできない。そもそも日本人コミュニティの数も限られています。取引先のロシア企業には確実に比較対象となる方々いますが、それでも定期的に、かつ仕事に関してどっぷりと彼らの仕事ぶりを観察できるチャンスもないわけで、やっぱりできることは限られます。

やはり、自分自身で自らの言動を客観的に観察し、評価し続ける姿勢がとても重要であろうと信じています。

自らの行動、考え方があるべき原則からずれていないだろうか?長いことロシアで勤務するうちにロシアのやり方に傾倒して、日本のスタンダードを小馬鹿にしてしまっていないだろうか?自分は自分。これでいいのだ、と変に開き直ってしまっていないだろうか?自分自身に対するロシア人スタッフの評価を何とか得ようという努力を続けているだろうか?(たとえ本人が口にしてくれなくても、彼らの振る舞いから理解しようと努力しているだろうか?)

そういった自問自答を日々繰り返すことが欠かせないのだろう、と。

日本にいれば意識せずとも、自分自身がとてもかなわないレベルの方々が目に入ってくる。それがロシアにいると途絶えてしまう。そんなロシアの環境で、自分の能力を勘違いせず、どれだけ自分自身のレベルが広い世間と比べた時にまだまだなのか、を知ること。そうしていると、自然と日頃から謙虚でいられるのではないだろうか…それをロシア人スタッフにも訴えながら自分に言い聞かせているところです。

全てを自分で把握することと、全てが自らの意向どおりに進むことが異なることについて / Understanding everything by myself and everything goes according to my own intention are different

”Мужчна в кризисе 危機に面している男性” — 一体どんな内容なのでしょうか…街の中心部にある公共図書館にて。このテーマで講演が開かれているようで、ほとんどが女性によって占められていました。ロシアの図書館は平日は22時の遅くまで開いているところもあるようです。ほとんど利用はしていないのですが本に囲まれた生活にはいつも憧れます。どんなに電子書籍が広まったとしても、紙の良さには絶対にかないません。自分のお気に入りの本は紙のものをいつまでも手元に置いておきたいものです。

駐在員として現場で責任感を持って仕事をしていると、規模も決して大きくない会社であればなおさら、全て自分の思ったとおりになっていないと嫌になること ― よくあります。全てを自分で把握しておくことはもちろんですが、 それと全てが自分の意向通りのやり方で進むことは別物。この違いを受け入れることができることが、自分にとってもロシア人スタッフにとっても大切な一歩であると考えています。それは、自分の至らなさと良さをよく把握すること。シンプルな人間でいること。何でも自分で物事を管理しておこうとしないこと、みんなでお互いの良さを生かしてゴールをめざしたらいいじゃないか、そんなことではないかと思ってます。

仕事には目指すゴールがあります。しかし、そこにたどり着くためのアプローチは人それぞれ。ファイルの保存方法、仕事の進捗管理をExcelでやるのか紙の手帳で行うのか、資料の雑さの許容レベル、進捗管理の打ち合わせは今週の進捗結果の総括ができる金曜日がよいのか、いや週の初めの月曜日がよいのか…例を挙げるときりがありません。

それらの一つ一つの多くについて自分のやり方を周りに強要するべきか?(なぜなら、最終的な仕事の結果責任は自分に返ってくるので、自分のやり方を周りに強要し、彼らがついてくることが最善だから。)…いや、

多少細かいことは気にせずに、各自の裁量の限度を多く持たせてあげてその中で自由に行動できるようにしてあげるべきか?(なぜなら、いくら自分が最終的な責任者だからといっても、一つ一つの積み重ねは部下の協力無しでは成り立たないものであり、そうであれば彼らに気持ちよく働いてもらったほうがよいから。)

後者のほうが聞こえがよいように捉えられますが、部下の中には、裁量を与えるとどうしてよいのか分からなくなってしまう人間も出てくることを学んでいます。そういった人は上からきちんと指示とやり方を与えられて、それに従って仕事を進めることを好みます。人はある程度の自由を与えることがよいのだ、と信じていましたが、それができない人には自由そのものが苦痛となってしまう。残念ながら自らで物事を考えて、組み立てて仕事を進めることができないとしても、マニュアルに沿った処理能力は他人と比較して高いのかもしれない。仮にそのような業務がAIに取って代わってしまう可能性をはらんではいても、今その能力が必要であれば、その人に合った仕方で仕事を振ること。

多くの業務をこなしてゆく、仮に嫌としても、こなしていかざるをえない中で、自分の得意・不得意が見えてきます。自らの不得意な部分で誰か他の人が明らかに上を行っている様子が目に入ってきて内心落ち着きません。「いや、自分はもっとできるはず。こんなんじゃない。負けてなるものか」なんてプライドが邪魔してきます。その一方で、自分が思ってもいないことでも周りから見れば得意なことであったり。彼らは彼らで内心同じような気持ちを抱いているのかも。自分のできないこと、結果が期待できないことを素直に認めて(それも早めに)、相手に打ち明ける。助けてもらう。いつまでもそんな謙虚で、シンプルな人間でいたいものです。”多様性”とは、 ― それはよく言われる女性の活用、性的嗜好の異なる人たち、異なる文化背景、考えをを持つ人たちの活用だけにとどまらず ― 仕事のスキルの得意、不得意を組み合わせてゆくことで共にゴールを目指すこと、そんな多様性について意識することが、ロシア人スタッフと働く中で多くなりました。私自身、素直に自分の不得意な部分=弱い部分を嫌と言うほど意識させられています。しかも、それは私が責任を持って管理しなければならないにも関わらずうまくゆかない。悔しい気持ちがないといえば嘘になりますが、他の同僚や部下にお願いして助けてもらうしか術がありません。

お互いに「ごめん、これは苦手なんだ、なんとかしてもらえないかな…。」そんな人間性のある上司でいれば、部下も「私もこれできないんです…でも、あれはできます。」― きっと少しは気を楽にして気持ちを打ち明けやすくなるものです。そして、お互いに頼られると思って仕事を進めてゆけば、お互いに人間として、仕事のスキルもきっと伸びるはず。それをこれまで実際に現場で見ています。

さて、なかなか時間を割いて業務を事細かに教えることができないとしても、ロシア人部下も成長しています。たとえば自分の作成した資料をどんどん共有してゆくこと。ビジネスメールの書き方を勉強して、それを実践してゆくこと。いつの間にか、ふとした時に、「あれ?彼女これまでこんなファイル作成したことないのにすごいな…いや、これは以前に自分が作成したファイルだったっけか。」なんて場面に出くわすことがあります。「あれ?彼女のメールの書き方変わったな、シンプルで分かりやすくなったよ。(きっと自分のスタイルを多少意識してくれたのかもしれない…自己満足でなければよいのですが)」

時間がかかったとしても、少しずつ間接的に自分自身の勉強した結果を仕事で実践してゆくことでそれがスタッフの間に広まり、それが素材となってスタッフの意識に何かのきっかけを与えられること。そんな日々の積み重ね。 今はすぐに目につかなくても、スタッフの中には何かを感じ取って、学んでくれている人が少なからずいることを信じてゆきたいものです。 それだけ自らも日々勉強し、部下から喜んで学ぼうとするシンプルさが大切なんですね。

ロンドンとモスクワを見て感じた両者の違い / The difference from Moscow that I felt in London while having a walk in London

老人と老犬 ― 火曜日の朝、Hyde parkにて。 どちらが主人なのか分からないほど老犬の堂々たるくつろぎぶりが微笑ましい光景でした。

イギリスのロンドンで数日過ごしてきました。到着した土曜日、ホテルのテレビをつけると、まさに議会はBrexitの議論の真っ最中。週末に議会が開かれたのは1982年のフォークランド紛争以来だそうです。EU離脱の採決を延ばす、いや延ばさないの議論が繰り広げられている様子が。イギリスで議会制度がイギリスで生まれ、そしてイギリスで崩壊するのでは。混沌してゆく世の中。人(国・議会)が人々(一般大衆)を導いてゆくことの難しさを感じざるをえません。

さて、ロンドンの街は多くの観光客のリラックスした、楽しそうな様子もあって、そんなBrexitの混沌はなんのその。大いに盛り上がっていました。街を歩いていて感じたモスクワとの違いを書いてみました。

直感的に分かりやすい標識

飛行機で到着してからパスポートコントロールまで歩く途上にて。今自分の歩いている場所がどの段階にいるのかを直感的に示してくれています。それにしても、飛行機を降りて狭いタラップを歩いてゆくと渋滞。なんだろうと思うと、空港警察が4人ほど立ちはだかり、乗客一人ひとりのパスポートチェックしていました。以前にはこんなことは無かったので驚きました。

ロンドンに来て毎回感じるのは、直感的に分かりやすい標識の表示方法。パッと見てパッとどこにゆけばよいのかが分かりやすくなっている点。その色使い。これらの要素を自分の作成する仕事のプレゼンテーションにも参考となっています。どのようなコンセプトが背景にあるのか分かりませんが、よく考えられているなぁ、と素直に尊敬しています。街中の広告にしても、このような空港の標識にしてもおそらく多くのお金がコンサルティング会社やデザイナーに支払われているはず。その仕事の結果をこうして無料で見ることができるのですから、くまなく観察してその色使いやデザインのコツを真似るべき。なんとお得な題材が街中に広がっているでしょう、素晴らしい。

街中の公園の構造

私はモスクワの公園が大好きです。モスクワ自体が大きいこともあるのでしょうが、首都モスクワの中には大きな公園が点在しており、街中に自然を感じます。ロンドンは日本の東京に近いでしょうか、大都市の一角に大きな公園が寄せられて存在している、そんな印象です。

そして、このHyde parkでは人間中心に考えられて整備されたまっすぐな道、人が自然をコントロールしている。木々の配置もなんだか人工的なものを感じています。一方のモスクワでは白樺などが豊かに広がる森の中をくねくねと曲がって続く散歩コース。どちらかというと、自然のありのままを生かしつつ、人のための道を後から整備している、そんな気がしています。

公園の鳥たち。さすがにこれはモスクワにはありません。こんな光景を見ていると、日ごろのストレス、嫌な気持ちも随分と和らぎますね。Hyde parkではリスをよくみかけますが、リスはモスクワの公園にも住んでいますよ。

写真に写っていませんが、池の周りを掃除するゆっくりと移動する車に追い立てられるように鳥たちが一斉移動しているところです。

歩行者向けに注意を促す道路の表示

初めて見たとき、このアイディアには惚れました。歩行者信号が青になったからといって、左右を見ずに一歩を踏み出すことはモスクワでは絶対にやってはいけません。決して高い頻度ではありませんが、すごい勢いで車が突っ込んでゆくこともあります。赤信号でも信号待ちが嫌なのか強引に信号無視している車も見かけることも。中国やインドネシアと比べればマナーは良いほうだ、という話を聞きますが、モスクワでは、いずれにせよ歩行者信号が青になった場合にはきちんと車が来ていないことを確認した上で一歩を踏み出しましょう。

工事現場の標識

こんな案内あったら思わず立ち止まってしまいます。工事現場を魅力的に、安心に見せるためにとても素敵なアイディアではないでしょうか。サイトを訪れてみると、子供たちに工事現場の危険や、建築の面白さを伝えようとしている、そんなサイトのようです。この工事現場では花の鉢植えも飾っていて、殺風景になりがちな工事現場に彩を添えていました。こんなちょっとした一ひねりを加えることで印象も変わるもの。勉強になりました。

Ivor Goodsite

地下鉄の駅と観光名所を示した地図

こんな地図はモスクワの地下鉄にはありません。率直に言って、決して分かりやすいとは思いませんが、こんな地図を掲示しているアイディアは素晴らしいですね。

施設の防災に関するレベルの高さ

2018年3月25日にシベリアに位置する都市ケメロヴォのショッピングセンターで発生した火災で64 名の死亡者を出し、そのうち41人が幼い子供たちであった事件。これ以降、ロシア各地で防災設備の監査が入り、ショッピングセンター、ビジネスセンターを始めとした設備の防災対策強化が高まっています。

https://www.bbc.com/news/world-europe-43552165

非常口ドアには内側からレバーを押し下げると容易に開くことができるタイプを設置することや、オフィスのドアは必ず内側から外側に開くタイプにすること(火災時には内側から多くの人が外に逃げるため、内側に開くタイプはその動きに反するため。押して広げられるようにしておくこと)、非常口へ通じる通路には不要なものを置かずに一定の間隔を確保しておくこと。ガラスなどは一定の時間、防火性のある材質を用いるべきことなど・・・各社は対策を求められています。

ロンドンに来ると、至るところでこのような写真のマークを扉の上に目にします。イギリスでは防火対策のルール徹底がどれほどなのか、私には分かりませんが管理部門を担う私としては大変興味があるところです。モスクワでもショッピングモールなどに出かけて避難経路図を見つけると、立ち止まって自社の地図と比べてみたり。そんな違ったショッピングモールの歩き方もお勧めです。

本や新聞を読んでいる乗客の数

モスクワの地下鉄に乗っていると、本を開いている人をほとんど見かけません。単に数が多くてなかなか目に付かないだけかもしれませんが・・・。大概携帯電話を操作している人が主です。読書と言えば携帯電話で電子書籍を呼んでいる人が多いのかもしれません。ロンドンでは新聞や本を読んでいる人々をよく見かけました。携帯電話が普及しているとはいえども、本を開いて読むことは目に優しい気がします。なお、これも思い込みかもしれませんが、最近出かけたサンクトペテルブルクでも街中や地下鉄で本を開いている人をモスクワ以上に見かけることが多かった印象です。

顧客満足度の情報提供

これはモスクワの空港でも頑張っています。顧客サービスの向上を目指しているのはどこでも同じですね。ロンドンの空港では顧客満足度情報のグラフがディスプレイに表示されていました。

サンクトブルクでのSynergy Global Forum 2019を振り返って / Looking back on

会場に向かう、金曜日の朝のサンクトペテルブルクの地下鉄にて。朝からベンチでうなだれるように眠っている男性。一体どんな人生を過ごしてきて、そしていまこのベンチに座っているのだろう…半年働いてもらえるほどの金額、1枚の500,000RUBのビジネスフォーラムチケットを購入する人もいれば、日々の生活がやっとの人もいる世の中…そんなことを考えてました。

サンクトペテルブルクで10月4日(金)、5日(土)に開催されたSynerge Global Forum 2019。そこで感じたことを振り返って —

日頃から感じることに、ロシア人の多くはノートを取らないなぁ、と。会場ではじっくりと聞いている人が多い印象。あとは携帯でビデオをとっている人。日本の場合だと、ノートを取る人がもっと多いのではないだろうか。ノートを取っても取らなくても、大切なのは話の要点を頭に叩き込むこと。とあるロシア人に言わせると、「ノートを取っていると、書きとっている間に今話されている内容を聞き逃してしまうのが嫌だからとらない」のだとか。私自身を振り返ると、ノートになんでもメモを取ろうと一生懸命であった新入社員の時代。ベテランの女性社員に「ねぇねぇ、そんなにメモを取ってほんとに後で見返すの?」といわれてドキリ。メモを取るべし、とのハウツー本のアドバイスに従っていただけだったが、その本来の目的を見失っていたことがありました。メモを取るのはポイントのみでよし。すべての話される内容が重要なわけではなく、要所を押さえて聞き取り、後で時間がたっても思い起こせるようにメモを取っておく。振り返ることは前提として、要点メモは大切ですね。

セミナーなどで世界的に著名な方のお話を聞くのは、今回が初めてでとても貴重な体験でした。ロシアという場でどんな人たちが参加して、どんな様子で耳を傾けているのだろう、とても関心があり、実際に見て感じることができたことは素晴らしい経験となっています。それと同時に感じたのは、何度も出かけるものでもないんだな、と。高いお金を支払い、立派なお話を聞いて…その日は何だか賢くなったような錯覚に陥るのです。が、話の内容は決して目新しいものではなく、誰でも知っている内容が説かれているだけ。でも、なぜこのようなセミナーが世界各国で繰り返されているのかといえば、誰もが分かっていても、それを実際に行動に動かすことがどれだけ難しいことか…。だからこそ、このようなセミナーの需要が常にあるのだろうことが想像できます。私もそうです。どれだけ行動することが難しいことか実感しています、それも歳を取るほどに守りに入ってしまう…。

このようなセミナーに参加することの意義?それは、本屋に出かけて本をパラパラとめくることにもつながりますが (ハウツー本はもう自分自身のために買うことはないだろうなぁと。どれだけ大量の本を購入して、架空の自分の成長を妄想してきたことか…そしてお金の浪費…) 、”今の自分の方向性の正しさを確認することだろう”と。

話を聞くこと、本に書いてある内容をめくりながら確認してうん、そうそう、そうだよな、よし、自分の方向は間違っていないな。あれ、これは考えたほうがいいなぁ、今やっていることを継続することが目的化してしまっていて、本当の目的はなんだっけ…?など、熟考する機会に。

そして、もう一つの目的は、こんな風に大勢の同じような志を持っている人が世の中にいるんだ、自分自身も努力してゆこう、そんな気持ちにさせてくれるのが今回のセミナーでした。新入社員の1年目。メンターを務めてくれた年齢が倍ほどの方の言葉を覚えています。「正直、努力してもそれが本当に実るのか分からない。けれども、風が吹いたときに自分の行きたい方向に進むためには、船の帆を挙げておかなければならない。その帆を上げる準備ができているのか?それは日頃からの準備(努力)が大切なんだ」と。(我々は機械ではないので、日頃ぶつかる問題とも向き合いつつ、無理しすぎることなく自分なりに努力してゆきたいものです)

Управление изменениями by Ichak Adizes in Synergy Global Forum 2019

地下鉄の駅を降りてから会場まで広がる大きな公園の中にある一本道にて。自己啓発に気合の入った?女性たちが足早に会場のゲートに向かって歩いている姿の一コマ。

Ichak Adizes氏の話は、一度聞いただけでは理解が難しい。英語で、かつ難しい英単語と話の組み立て方の複雑さゆえになおさら理解が難しかった。そして深い。インターネットで検索していた見つかったこの本の内容がおそらく今回聞いた講演の内容のようです。

https://www.adizes.com/wp-content/uploads/masteringchange_freechapter.pdf

Decision is not enough. Implementation is important! Make good decision and implement rightly, good luck, it is very difficult. 決断するだけでは不十分。実行しないと!みんな、Good luck、難しいですよ。

これを聞いた最初の印象はといえば、「なぜこんな当たり前のことをいうためだけにロシアにきて、きっと大きな報酬を受け取って・・・なんて不公平な世の中なんだ・・・」

The best decision becomes not not perfect. Because change, even god made mistake. flood after 40 days, rainbow. God regretted. どんなに今ベストの決定を下したからといって、それは完璧ではない。なぜなら”チェンジ”するからだ。ノアの方舟の話では、40日間の洪水のあとに虹が出た。神様だって後悔した。神だって完璧ではないんだ。

1st secret of managing is humility. Don’t try to be god, don’t accuse myself for mistake. マネジメントの秘訣のひとつは謙虚さ。神のようになろうとしてはいけない。

You need complementarity. 相補性が必要。 ― 日本語でも難しい言葉。お互いに支えあえる関係を相手と築きあげるように、ということか。

to make good decision, you need who disagrees a bit who you respect. よい決断をするためには、少しだけあなたと意見を異にする、あなたが敬意を払っている人が必要です。

Respect means to recognize that people is different 尊敬するというのは、人はそれぞれ異なるということを認識すること。

Be different.

What finger is important ? First finger (親指)– the most important finger. (なぜ親指が最も大切なのかの理由を聞き取れなかったのですが、親指がなければモノを挟むことができないから、他の指と唯一対になれるのが親指だから、ということだったと理解しています) this is the future. Women is the beginning of new civilization in the future. (会場の女性たちから拍手喝采)女性が親指の役割を担っているんだ、という応援の言葉なのかもしれません。

Change is accelerating, Problem is accelerating.

Why problem is changing? – because it is system, world, country, company, system is everywhere. System is composed of subsystems. Everything has sub sub sub sub………subsystem doesn’t have change.

All problem comes from disintegration. You cannot stop change. Integration causes problem and solution is integration. 融合が問題を起こす、そして解決策もまた融合。

Now we are in brain world, information, analytic, the power is brain, but now already next is coming, AI starts replaces. what is the future ?– Heart.(心臓を指して)。今の時代は脳の時代。体の大きさ、強さを競う筋肉の時代ではない。情報、分析すべてここ(頭を指して)。それでも、すでに次が来ている。それはAI。AIが脳にとって変わろうとしている。それでは未来はどうなのか?ここ、ハートです。(会場から拍手喝采)

Money is side effect. Love gives energy. The loving company lives more longer.

Listen to your wife. 奥さんの言うことをよく聞きなさい。

A lot of women try to be like men – Don’t. 多くの女性が男性のようになろうとしているけれど・・・やめておきなさい。(会場の男性たちから拍手が沸きおこる)

Complimentary team, mutual respect. How to make successfully implementation – difference, common interest お互いに補完し合えるチーム。お互いに尊敬し合える関係を。どのように上手に実行できるか ― それぞれが異なっていること、ただしお互いに共通の関心を持っていること。

Don’t expect utopia, There is conflict of interest, all the time. Because of change. conflict happens all the time. ユートピアを期待してはいかん。衝突はいつでも起こるもの。変化しているのだから。

In Turkey “Take and Give”  not give and take, Give and Trust. トルコではTake & Giveという言葉があるらしいが、それじゃあ駄目。Give & Trustだ。と。

Trust and respect – Secret of success. 信頼と敬意 ― 成功の秘訣

You find “(own) success” – how you define success? I don’t care. .

If you cannot respect, you waste your energy.

integrated > free energy > to fight together the world

Summary: Culture of trusting and respecting = Love. If the person has love, this person survive in this world. Change is accelerating.

参考URL https://adizes.com/

Старые методы не работают: путь в сверхлидерства by Marshall Goldsmith in Synergy Global Forum 2019

会場内の別の場所でも、このように異なる話し手によるセミナーが定期的に開かれており多くの観衆が詰め寄せていました。

今回のSaint Petersburgで開かれたSynergy Global Forum 2019での話を聞いていて、内容は大きく2つの形式に分かれるな、と感じました。

1つは、自分自身がどのようにビジネスで成功してきたか、その実際的な方法を具体的に話すことでこれが大半でした。2つめは、具体的ではないのだけれど、全ての物事に共通する人としての成長に必要となる本質的な原則について語るもの。より哲学的なものというのでしょうか。Marshall Goldsmith (Маршалл Голдсмит)氏の話は後者でした。

今回聞いたマーシャル・ゴールドスミス氏のお話は インターネット上で検索すると繰り返されており、ここで再びすべての詳細を書く必要はなさそうです。自らに言い聞かせるために幾つか残しておきます。

講演の主題:Старые методы не работают: путь в сверхлидерства / Old schemes don’t work: The way to Super Leadership.

“Help more, Judge less.”(自分の部下に対して)

“My suggestion becomes the order” (理解できなかったのですが、大手薬品会社のCEOがおっしゃっていた言葉だ、と。私自身、部下に対して、「あくまで自分で感じることだけれど、・・・としたらいいんじゃないのかな。でも、決して今の内容を変えなくてもいいよ。」ということがあります。私としては相手に無理に強いるつもりはないとしても、部下からすれば私の意見を聞かなければと考えて、結果的に私が指示を与えることになってしまう、それが事実だと。)

”毎日自分に問いかける6つの質問。すべては「自分がベストを尽くしたか?」という問いで始まるもの(娘のKelly氏が与えてくれた質問)、

1. Did I do my best to increase my happiness?
2. Did I do my best to find meaning?
3. Did I do my best to be engaged?
4. Did I do my best to build positive relationships?
5. Did I do my best to set clear goals?
6. Did I do my best to make progress toward goal achievement? “

”想像してみてください。今皆さんは95歳で、まもなく死を迎えようとしています。自分の人生を振り返ってください。幸せでしたか?やりたかったことがあってけれども、できなくて後悔していることがありませんか?友人や家族との幸せな関係が一番大切です。”

“もし何かやり残しているものがあれば、まずはやってみましょう。At least you try. ”

何事も挑戦してみることの大切さ。これを言わない人は一人としていませんでした。

私としては、このような場で聞く話は正しく、この通りだと理解しています。しかし、このような正論が機能しないことが現実的に会社では起こっています。どんなにきっかけを与えようとしても、相手にこのような話を聞かせても、頑なに受け入れない人がいます。どんなに本人なりに頑張っているのでしょうが、一向によくならない人がいます。人の能力は決して大きな差はない、私には疑問です。平等に能力が与えられているとしても、それを阻むエゴなどの別の要素があって能力の差を大きく見せてしまっているのでしょうか、よく分かっていません。

人の多くは、なぜ、一日の仕事時間の8時間、嫌でも会社で過ごさなければならないのであれば、この時間を自分のためにもっと使ってやろう、会社を自分のために使ってやろう、と思わないのか。なぜ「今日一日を何とかやりこなして、定時で帰ってやろう」という思いに駆られてしまうのか。避けられない時間を過ごさざるをえないとしても、そうであれば、「会社で少しでも自分にとってプラスとなるような収穫を最低1つでも今日ゲットして帰ってやろう。」という気持ちに向かないのだろうか。そんな、人の内奥にある、行動できない真の原因を探ってゆくことが本当の意味でのコーチングなのかなぁ、と考えているところです。

そして、人に対してできる限りのものを提供することは持っている人(この場合は会社のマネジメント)の責務。しかし、人が変わるか変わらないかは、受ける側の任意。責務ではなく、本人の意思。私たちの善意を否定されたかのように捕らえる必要はありません。少なくとも自分自身の責務を果たすためにベストを尽くした、と言えるようでいたいものです。

(我々も人間です。たまにはゆっくりして、何も考えずにボーっとする休息も必要です。今日は完全に寝坊しました。)

(参考URL) https://www.marshallgoldsmith.com/

成功への近道はない、猛烈に努力しろ!(シュワちゃん)/ “There is no shortcut to Success! “(Arnold Schwarzenegger)

ステージ上のシュワちゃんを遠くから見て。ステージ前には多くのVIPチケットを持つ観客やイベント関係者(?)が集まっていました。

Synergy Global Forum 2019の初日(10月4日 金曜日)に参加して聞いたシュワちゃんの話を始めとして、各方面で成功した語り手たちがステージ上で語っていたことは共通してとてもシンプルだった。

成功したければ行動しよう。

失敗を恐れてはいけない。

シュワちゃんの話で興味深かった点をメモをめくりながら思い返すと

  • VisionとGoalをもつこと、これが成功の秘訣
  • そもそも自分にとって「成功」が何を意味するのか、何に自分が幸せを感じるのか、自分なりの定義をすることが必要
  • 毎朝起きたら、何も考えるな、とにかく動くことだ。考えてしまう時点で間違っている。
  • 成功への近道はない、猛烈に努力しよう(”There is no shortcut to success, Work ass off”)。失敗を恐れるな。
  • ボディービル競技で勝つ、とGoalを決めてからは、ジムで周りの人が苦しそうにしている中、自分だけが笑顔だった
  • 常にリーダーでいたかった。”TERMINATOR SCHWARZENEGGER” ではだめなんだ。”SCHWARZENEGGER TERMINATOR”でなければならなかったんだ。
  • 州知事の仕事はいんちき(Monkey business)だ。別に知事になりたかったわけじゃない。でもカリフォルニアの知事になりたかったんだ。アメリカ、中国、日本、ドイツに続く、世界のGDPトップの5番目の州知事に。
  • 州知事になるまでまさか自分が自分の学校(Institute)を持つことになるとは思わなかった。知事になってから、人に教えたい、という気持ちが生まれた。今は学校で生徒にリーダーシップを指導している。

その後のセッションでは、ステージに聞き手(Софико Паатовна Шеварднадзе氏)が上がり、シュワちゃんとの1対1の質疑応答が始まりました。シュワちゃんの話をさえぎったり、「それだけ努力してきて幸せですか?」といった否定的な聞き手のやり取りを見ていて、これは建設的なのだろうか?と感じてしまったのだが、面白かったのは、

「あなたは失敗を恐れずにチャレンジしろ、といいますが、ロシアでは失敗することを恐れる。失敗者は敗者だ、というHistorical DNAが伝統的に根付いています。メンタリティが違うんです」との言葉。会社のスタッフの中には”日本人とロシア人のメンタリティが異なっていて、たとえ私が日本に生まれて育ったとしてもロシア人としてのDNAが人知れず備わっており、どんなに努力しても日本人のメンタリティを完全に理解することはできないでしょう”という人もいます。その思い込み自体、すでに自ら勝手に自分の所属する国民のメンタリティを決め付けている・・・のではと思うのですが。

行動することの大切さ。これだけ多くの方が同じことを言う。つまり、それほど人にとって何か新しい行動を起こすことが簡単ではないか。その難しさを感じました。子供時代の頃のように、何も考えずに周りのすべてのものに興味を示してゆきたいものです。

サンクトペテルブルクでタクシードライバーと語る。 / Talking with taxi driver in Saint Petersburg

サンクトペテルブルク市内の薬局にて。番号札順に並んで窓口で用件を済ませます。参加したビジネスフォーラムはあまりにも会場がうるさいために二日目は耳栓を購入して会場へ。正解でした。

サンクトペテルブルクで、モスクワに戻るためにホテルから空港へ向かうタクシーに乗ると、それは珍しく女性ドライバー。決して豊かそうには見えないけれど、知性が伝わってくる方で、生まれも育ちもサンクトペテルブルク。話を聞いていると自分の街を誇らしげに思っていることが話からよく伝わってきた。

聞いた話をそのまま書き出しています。私自身がその一つ一つに感じる点はあえて記載していません。中には事実とは異なる点もあるかもしれないことを予めお伝えさせていただきます。

「モスクワと比べたらペテルブルクは田舎よ。私は街の中心に住んでいるけれども、静か。街の人も親切で知性があって。うるさくて、攻撃的な人が多いモスクワとは大違い」

サンクトペテルブルクの街の中心を歩いていて、すぐにモスクワとの違いに気が付くのが建物の高さ。いずれも低く、その統一感と歴史を感じる建物のデザインが一層街を綺麗に際立たせているようだ。そんな建物も、その多くが第二次世界大戦後に再建されたということだったが、決して古いわけではないはずなのに、重厚感と歴史を感じさせる様子は立派だった・・・スターリン建築(そのあたりは他に多くの方が記載されていらっしゃるはずなので割愛)の建物が空港に至る道の両側にそびえたち、その脇には高層マンションが建築中でした。

「今の建築中のマンションは、スターリン建築に似せて建設されているけれども、質はひどい」らしい。ロシア独特のアパートのデザイン、私は好きです。なんでこんな発想になるんだろう・・・と思うようなデザイン。

そのうち、会話は今の世の中、生活への不満。

「昔は、見知らぬ人でも無償で泊めてあげる文化があった。今では一泊するにも2,000~2,500RUBもとるらしいけれど、そんな高いお金を払うなんて信じられない」

「タクシードライバーとして働いているけれども、ドライバーも街の歴史をきちんと知っていて、乗客にきちんと説明できるようになるべきだ」と言って、通りの真ん中に立った立派なモニュメントを見て、「これは戦勝記念30周年の時に設置されたモニュメント。今ではもう戦勝から75年にもなるけれど、当時にどうやってこのモニュメントが建てられたか、小学生のころのこと、よく覚えているわ」と。

「今ではタジキスタン、ウズベキスタン、キルギス・・・そんなところから街のことなんか知らず、ただお金のためだけにやってきたドライバーが増えている。彼らは安い金額で仕事を私たちから奪い、車の運転免許だって違法に取得し、車で人をはねたら捕まらないようにそのまま自分の国に帰るだけ。」

「彼らは、ロシア人は働かないから、というけれど、そんなことない。ソヴィエト時代には全員働かなければならなかった、働かないことは法律違反であったので工場などで、近くにすむご近所さんと同じ工場で働いていたの」

日本人である私にとって関心のあるテーマは、当時と今の争いごととキリスト教。

なぜナチスとロシアは同じ神様を信じているはずなのに戦ったのか、なぜロシアとウクライナは同じ神様を信じているはずなのに領土をめぐってお互いにいがみあっているのか?正教会同士ももめているのか?

「宗教と政治はまったく別だ」という。「クリミアも元々はロシアの領土であって、正式にウクライナにクリミアを与えたのではない。」

「私は宗教も決して綺麗なものではないと思う。司祭も信じることはできないし。(ロシア正教会のモスクワ総主教)キリル氏は立派な家を持ち、会社も経営していて銀行も3つも持っている。立派なビジネスマンだ!」

「私も神を信じているけれども、教会には出かけず、毎日神様に「ありがとうございます」と日々の生活を自分のなかで感謝しています」とのことでした。

タクシードライバーと会話していて、その内容の多くは、こんなテーマが続きます。私が個人的に関心のあるテーマであるので、質問を投げかけて、後はドライバーの話すに任せているだけなのかもしれませんが・・・。人が日頃生きている中で感じている世の中への疑問、考えを聞くことほど興味深いことはなかなかありません。

この会話の中には、感情の部分も強くて筋道立った論理が成立しているとも思えませんが、一般市民の多くが心の底で感じている気持ちが現れているのではないか、そう考えながら空港に到着しました。

「それでもやっぱりサンクトペテルブルクが好きだわ」

わずか数日の滞在でしたが、綺麗な紅葉の風景と、綺麗な街の光景をすっかり楽しみました。

サンクトペテルブルクで開催のビジネスフォーラム、Synergy Global Forum 2019にやってきました。/ Business forum: Synergy Global Forum 2019 in Saint Petersburg

262,000 m2, 68,000人収容可能なGazprom arenaにて、Synergy Global Forum 2019が開催されています。日本でもほとんどこのような会場に出かけたことがないため比較感がないのですが、圧倒的なスケール。それと音響のうるささで頭が痛くなりました。

ただいまサンクトペテルブルクです。

https://synergyglobal.ru/

ここに来て、Synergy Global Forum 2019(Oct 4th Fri, Oct 5th, Sat)に出席しています。人材開発の分野での世界的な第一人者、ロシアで現在注目されている、いわゆるビジネスで成功していると言われる著名な方々が出る大規模なイベントとあって関心がありました。今回の会場で聞ける話が会社の今後の人材教育にも役立てるはず、と思っています。

そしてなによりも、これだけの人たちを生で、本物を見ること。リアルな声を聞くこと(残念ながらマイク経由だけど)、これだけの大きな会場で、これだけ多くの観客を前にしてどのようにプレゼンするか?身振り手振りは?とても勉強になります。

どうしても聴きたかった方 ― 私が日頃会社従業員の人材開発を本、雑誌、インターネットで勉強していると嫌でも(?)目にする、耳に入ってくる著名な方々はこちら。この分野を専門にされているビジネスパーソンにとってはきっと大変尊敬されている方々だと思っています。

Marshall Goldsmith (Маршалл Голдсмит)

Ichak Adizes(Ицхак Адизес) イスラエル系アメリカ人のビジネスコンサルタント

Michael Porter (Майкл Портер) アメリカの経済学者

更新されたプログラムに掲載されていなかったため、残念ながら出席キャンセルとなったのだろうか、と思ってあきらめていたのですが、Ichak Adizes氏の話を戻りに会場に戻るとマイケル・ポーター氏が精力的なプレゼンを行っていました。わずか5分足らずしか目にすることが出来ず・・・。残念です。

Andrey Trubnikov (Андрей Трубников)日本でも有名となったNatura Sibericaの創業者(残念ながら聴く事はできませんでした。プログラム通りに会場に出かけたのですがずっと別の人たちがプレゼンをしており、周りに聞いてもいったい彼が出てくるのか分からない、と。私もメイン会場でIchak Adizes氏の話を聴くために席を立ちました)

実際、会場が大変大きいこともあるのか、メイン会場の空席が目立ちました。人が少なくて話し手としてはさみしいな、と。でも、通路に立っている人も多かったですし、サブ会場などにも多くの人が詰め掛けていたので、トータルでいけばかなりの多くの人が実際には会場にいたのかもしれません。

一番の注目はアーノルド・シュワツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)氏の参加でしょう。このイベントまでインターネットで街中でもシュワちゃんの顔写真付きのイベント広告が目に入ってきました。初日には、シュワちゃんとの、個別の写真撮影セッションがPlatinumチケット購入者向けにあったようです。そのお値段は500,000RUB!(82万円:直近の為替レートにて) ― このたった2日間のイベントで、このような写真撮影の特典のためだけにこの金額を出せる人たちはすでに世の中一般で言われる成功者。自己啓発とかそっちのけでただ有名人を見るためだけ、あるいはイベント関係者との関係もあって来ているのかもしれません。

今朝インターネットで検索すると(Yandex)、どうやら体調不良があったようで早々とシュワちゃんが会場を後にしたと。それについてチケット購入者からインターネット上でこの写真撮影セッションがあまりにも短く、Platinumチケット購入者からシュワちゃんと写真を取れなかったことに不満が出ている。イベント開催者がそれに対して「すべては予定通りに行われた。その会場で実際はどうであったのか、よく理解するよう十分努力します。」とのありがちな公式な見解が出されている、そんなニュースを目にしました。

あれだけのイベントで、あらゆる個性豊かな夫々の成功者の調整をしてコントロールすることの難しさ。私なんか、会社のわずか数十人程度のイベントでも各プレゼンテーターの時間管理に一苦労しています。ですので、このような大規模なイベントのの苦労は想像に絶します。

たしかに、メイン会場以外の場所では、そもそもサブ会場の案内も付いておらず、会場案内のスタッフも把握していないようで開催者側も至らない点があるなぁ、と。一方で、話し手の飛行機の都合もあってプログラム変更が急遽その場で行われたり、延々と話し続けるスピーカーが止まらず、かつ聴衆も「もっともっと!」あおるために、プログラムとまったく合わずに話が進展していました。いやあ、無茶苦茶な。それでも、みんな文句を言いつつも、この不測の事態に堂々と返している進行役のスタッフもすごい。尊敬します。暗に、プログラム通りに物事が進まないのは当たり前、そんな認識がロシア人の中に根差しているのでは?と思ってしまいました。もしそうだとすると、少なくともビジネスの世界においてそれは改善されるべきですね。長年ロシアにいると、そういう考えに自分自身も染まっている危険があって恐ろしくもあります。

ただ聞いたことをここに書くだけではなく、一つ一つの話を自分の中で整理しながら書いてゆくべく、少しずつ今後の記事にして残してゆきます。

ベテランのロシア人スタッフを見て感じるかっこいい年齢の重ね方 / how to become attractive with ages – thinking it from working with Russian colleagues

同じ会社で同じスタッフと長年勤務していると、ふとした瞬間に「老けたな~」とふと思うときがあります。そういっている自分も人のことを言えないのですが・・・

そもそも、ロシア人は日本人よりも見た目が大人っぽく、年上に見えますが、それを別にしても久々に再会したとき、朝にふと見たときに感じる、あっ、老けたなぁ・・・という瞬間。それも、いやあ、このまま老けていったらどんな将来が待っているのだろうか、大丈夫かな・・・と思うときと、自分もこうなりたいな、という年齢の重ね方。よい老け方とよくない老け方の違いって何だろう。かっこよい、クールな歳の取り方、というのでしょうか。

これはどこに行っても、どの国に行っても同じの真理と思いますが、今ここでこうしてロシア人スタッフと共に働いて感じること、日本でのことも振り返って感じる魅力のある年齢の重ね方を書いてみました。

仕事の約束を守る。そして必要なスピードを保てること

いたって当たり前のことですが、仕事としてこれは基礎の基礎。これが根本的になっていないスタッフがいます、お願いだから改善して、と言いたい。いや、言い過ぎるほど言ってます。ロジカルシンキングできっちり毎回課題を整理して資料にまとめて、なんて言いませんが、ただ単に、やるといったことはやる。それも時間をかけすぎずに一つ一つクリアすること。みんな苦しい中やっている。文句も言いたい。でもそれは皆同じ。言い訳はほどほどに、とにかく「やります」と合意したらやりましょう、と。そして、最低限の処理スピードが必須です。きっちり仕事をやってくれるとしても、あまりにも丁寧すぎたり、各々の仕事の重要度を考えずにどれにも同じように丁寧にアプローチしているのは問題です(もちろん自分自身も評価される側。毎日がチャレンジです)年齢の重ね方と直接関係がないようですが、まずはこれが基本の基本だと考えています。

素直、謙虚

仕事もできるようになってくると、素直に周りのことを聞くことが難しくなるケースがあります。それでも周りの意見をよく聞くこと。その中で自分の主張を相手への批判することなしに上手に織り込んでゆくことの難しさと大切さ。問題が起こったときに正直に自分の非を認めることができる強さ。その状況で最善解を見つけるために駆け回ってくれる。これができているベテランのスタッフを見ていると素晴らしいな、と思うばかりです。

柔軟さ

素直、謙虚とも繋がりますが、歳をとって衰えてゆき、若い人にかなわなくなる中、柔軟でいられることは重要な要素だと感じます。これも素直でないとできないことです。自らの主張と合わなくてもどんな意見、決定にも自分自身を合わせられる柔軟さ。会社の組織にいるとすべてが思った通りにはゆかず、どこかでそんな納得のゆかないことがあります。それでも柔軟でいることの大切さを学んでいます。柔軟に何でも受け入れる許容度があるからこそ、自らの価値観だけにとどまらず、新しいことも率先して受け入れ、取り組めるゆとりを持つ。周りにも柔らかいあたり方。

好奇心

柔軟に新しいことを取り入れてゆくには、自分の知らないことに対する興味を示す好奇心が必要。年齢を重ねるほどになかなか自分のスタンダードから逸脱する勇気と行動力がなくなるのを感じるようになりました。それにはエネルギーが必要です。それを継続できているロシア人スタッフをみると尊敬するばかりです。私も負けていられません。日本に一時帰国して入った牛丼のお店。出張で一時的に訪問した本社の食堂。一人でもくもくと死んだ顔で食事をせっせと口に無機質に運んでいる人たちを見て、この人たちは一体何のために食事をしているのだろうか、生きる目的があるのだろうか・・・なんて大げさに考えてしまいました。ロシア人スタッフは毎日楽しそうに大声で笑いながら、どんなに忙しくても食事の時間を大切にしている。そんな姿を見習いたいものです。

信用レベルを上げること

信用を持つことの大切さ。日頃から仕事で築き上げてきた経験があって、周りに実績を認めてもらい、素直で謙虚な人柄で周りからも好かれている。そうすると、自分の意見を相手に聞いてもらえる高いレベルの信用が得られます。相手にたとえ認めてもらえないとしても謙虚に受け止めて次の案をもってゆく。たとえ自分自身に全権限があって、全てを決定できるとしても他人と働く以上、自らの意見を完全に通すことは無理。どこかしらで相手の主張も織り込んで決定することがよい決断です。そして一層信用のレベルが上がってゆきます。

人間なのでミスをします。私も少なくない失敗を繰り返しています。やるべき仕事を漏らしてしまうこともあります。だからこそ、日頃の信用をどこまで持っているかが重要です。銀行はその人の信用レベルに応じてクレジットカードの利用制限額を設定します。この金額レベルをどれだけ上げることができるか?信用がなければ大きな借入れもできませんし、結果的に購入できるモノも限られる。管理される範囲が大きい。なぜならば信頼されていないから。 全く仕事も同じことが言えますね。一方で信用レベルが高いスタッフは自由にさせていても結果をもってきますし、本人も満足、雇用者としても満足。素晴らしい関係性です。

このような上記のサイクルが回りだす人は、仕事も周りの人間関係も円滑となり、自信が生まれ、それが行動にも現れているように感じられます。そんなベテラン社員の年齢の重ね方に私自身も憧れと目標を抱いて毎日歳を少しずつ取っている、いや、どっしりと重ねているところです。