
皆さんもこの食べ物を口にすると、昔のあの時代、あの場面を思い出す、そんなことがあるのではないでしょうか。
欧州へ海外出張に出かける機会があり、帰国する直前に立ち寄ることができたロシア系のスーパーマーケット。懐かしのロシアのお菓子や食品を見てモスクワ生活を思い出しました。
お店にはレジが2台。ご年配の女性と40代くらいの女性二人の店員。年配の女性が陣取るレジがどうやら上手く立ち上がらないみたい。この女性二人が大きな声でやり合っている。若い方の女性がお客さんの買い物商品のバーコードをスキャンしながら「✖✖✖を押して、ああしてこうして…!」と大きな声で説明しているけど、年配の女性が負けじと「言われたようにしているけど全くにっちもさっちもいかないのよ!」と返す。結局一つのレジに私も含めて7,8人が静かに並んでいる。前に立っていた女性に「ここにはよく来るのですか?」とロシア語で声をかけたけれども、どうやらロシア語話者ではなかったみたい。怪訝な顔をされてレジの女性を指していた「彼女なら(ロシア語が)分かるから彼女に話して」と言っているようだった。
レジは忙しさそのもので、結局何も話すことができずにお店を後にしたけれど、この女性二人のやり取りが何だかかつてモスクワのスーパーで見た光景だな、と微笑んでしまった。
お店の外では移動販売車がペリメニ(水餃子のようなもの)やシルニキ(チーズをメインとしたパンケーキの一種。数個食べるだけでずっしり腹持ちが良い、と個人的には思っている)が販売されていた。「私は日本から来ました、ここでこれらの食べ物に出会えてとっても嬉しいです」と言うと、お店の女性は「私はウクライナから」とのこと。私の後ろにも3,4人が無言で立ち並んでおり、ゆっくりすることができなかったのは残念。もっと常連になれば心を開いてくれてもう少し突っ込んだ話もできるのかな、日本人という立場だからこそ出来ることがあるのかな、と思ったり。
それにしても異国の町で自分が知っている言葉が聞こえてきて、その人たちがどんなことを会話しているのかが分かるのって本当に嬉しい瞬間。その人の母国語で語る言葉にはその人の気持ちが乗っているわけだし、お互いに英語を喋ってコミュニケーションが取れるから良いというわけではない。もしもう一歩踏み込んだコミュニケーションを取りたいのであれば、相手の母国語で話をしてみる。その人の反応が変わる瞬間でもあり、話せることはとっても良いことだと思う。人への関心を常に持ち続けることにも繋がるし。出張先の現地の言葉はさっぱりダメですが、それでもGeminiを使って翻訳してそれを少しでも口に出そうとすると反応が違う気がしました。それだけでその国に対する印象も変わるし、もっと勉強したいというモチベーションアップにも繋がる。
翻訳ツールが発達してくる中でも言語を学ぶことの大切さはやっぱりあるんだなぁ、という認識を再び強めることになりました。