どんな大変な時でもちょっとした喜びや美しさに気が付く心を持つことの大切さ / The importance of having a heart to notice a little joy and beauty in any difficult time

キエフを逃れてウクライナ西部に避難している友人から届いた動画からの一場面。あちらでも春がもうすぐそこまでやってきているようです。カメラのピントが合っていればもっと良かったのですが…

今週の月曜日。長らく連絡を取っていなかった友人からボイスメールが入っていました。モスクワにいたときには、いつも陽気な姿しか見たことがなかったウクライナ人の彼の声は疲れていて、暗い声で「先週、キエフから何とか電車で脱出してウクライナ西部の町にやってきたところだ。キエフはロシア軍に包囲されたと聞いていて、現時点では今のところキエフを脱出するのが困難なようだ。キエフの若者たちは最後まで戦って街を守る用意が出来ている。事態は非常に深刻だ…もし武器を持たない一般市民がこのまま脱出できないとなると多くの市民が犠牲になってしまう…。」とのこと。その後…久しぶりに直接会話をすることができましたが、逃れた町はキエフに比べればずっといいけれども、ここでも爆撃があり、空襲警報が鳴る度に地下に避難してはまた地上に戻る…その繰り返しだ、と。

その後、受け取った動画には、「こんな非常事態だからこそ、喜びや、美しさに気が付く心を持つことがとっても重要だ、ほら見てごらん」と言って、今にも咲きそうなつぼみを付けた花の様子を送ってきました。

今はまだ平和な日本に住んでいて、日頃抱える問題がありますが、自分の住まいを突如として捨てて逃げなければならない、これほどまでに大変な状況の中でも逞しく、逆にこちらを明るく、励ましてくれています。同じ事象をどのように捉えるかで物事の見方はポジティブにもネガティブにも大きく変わるもの。今見えている目の前の一つ一つのことを前向きに見るだけで景色がすっかり変わるかもしれません。彼とのやり取りからまた一つ学びました。

「どんなものでもよいので、気持ちが明るくなる写真とか動画を送ってくれ!」という彼の言葉に応えようと、自分自身も仕事の合間に身の回りの自然の美しさや動物たちに目を留める機会になりました。在宅勤務の休み時間には家の近くを自転車で走ってみると、梅も花をつけています。風も暖かく感じられます。冬には聞こえてこなかった鳥のさえずりも。春もすぐそこに。

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門にて長く勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に激動の日々を過ごした中で当時悩み、もがいていた管理業務の情報、体験談を少しでも多くの方々と共有したい、との思いがきっかけとなりブログを始めました。今はロシア、ウクライナの友人たちと連絡を取りながらロシア語の勉強を続け、ただただ平和な世界が来ることを願う日々です。

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