人材へのトレーニングは本当に必要なのか? / Does Company really need training for employees?

これはその会社のレベル、置かれている状況によって答えが異なる…というのが正解でしょうか?会社でこれまで受けた研修は私にとっては一つ一つに収穫があったので意味がある、というのは間違いないです。ただ、人事部は体系的に入社XX年目研修、新任課長研修などの定例的に組織された、決まったレールに則って企画される研修後に、その効果の振り返りを行うべきでしょう。大半の人は、その場の雰囲気を楽しみ、その中で語られることをなるほどなるほど、と聞いて、何だか賢くなったように感じる…が、後になるとその気持ちも忘れてしまう…そんなもの。人事部がどのように人材教育を計画しているのか私には分かりませんが、これまで参加してきた研修は、いずれも研修後のフォローが無く、ただ参加しただけ、という印象でした。むしろ、研修の一番の目的と効果は、同期の仲間と久々に会って近況を報告しあうことなのではないか、と思ってしまいます。研修の中身は忘れてしまったとしても共に語り合ったことは覚えている、という。

あまりアイコンタクトもしない、積極的な姿勢がない講師の方でムムム・・・と想った研修がかつてありました。こんな講師もいるのかぁ…と思っていた二日間の研修。その最後に「私の経験から言えることは…何事も自分で判断した決定について、その判断した理由をきちんと自分で語れるようにしておくことが大切だ、ということです…。」という言葉は一生忘れません。毎日と言ってよいくらい、決断するときにこの言葉を思い起こします。

ロシアにいるために参加できず、その代わりに受け取ったDVD録画で代理参加した研修内容で語っていた講師の言葉、「人は何を言うかではなく、誰が言うか、が重要だ。」「自分のやりたいこと(Want)と、会社のやるべき仕事(Must)を近づけてゆく努力と行動をすること。」これも響いています。

研修、というのは1日から数日間詰め込んでも、結果としてほとんどのことを覚えていない人が大半。そんなものなのかもしれません。そして、人事部の目標として研修を開催することが目的化していないだろうか?というのはいつも念頭においておくべきだと感じています。私自身、ロシアに来てから初めて人事の仕事に従事し、今では主にその仕事に時間を費やしているのですが、ロシア人スタッフに対する研修プログラムを考える時に悩みに悩みます。(率直に部下から「こんな忙しい時期になんでそんなことを、人事の目標達成のために開催するだけでしょう?」と言われてしまいました。

研修とは、日常とは異なる場で、忙しい日常の中から隔離された場所で、日頃時間を取って考えることができないテーマについて時間を取って考え、お互いに意見を発言し、客観的に自分を振り返る。かつ、日頃仕事ではお互いに交流が少ないスタッフ同士がコーヒーブレイクやランチの時間を含めて一緒に語り合う場。それを提供できれば成功なんだろうか、という、前半にも書いた結論にたどり着きました。

みな、なぜ?という疑問が自分で起こらない限り、どんなに会社が教育しても意味がないと感じます。研修で心に残る言葉は、日頃からそのことを考えているからこそ引っかかる。考えていない人にとっては「そうなんだぁ。」程度で終わってしまう。会社として何としてもこの研修によってスタッフを成長させなければダメなんだ、成長しない人間は許さない、なんていう独りよがりの期待は逆効果ですし、そんなことに労力をかける必要もないのでしょう。

そのようなわけで、スタッフにとって必要だと思われる研修テーマを一生懸命考えて準備して提供をすることは必須ですが、その一方で、誤解を恐れずにいうと、その結果にまったく期待もしていません。わたしの人生ではなく、それぞれの人生、価値観に依存することもあるので、人事として考えた効果が決して想定した通りには上がらない。むしろそれが普通なのでしょう。これぐらい覚めていないと余計にギクシャクしてしまう気がする。それが今の私の至った結論です。

面白いことに、例えば、時間の効率化を必要としていない人に対して仕事の効率化の研修を企画しても意味がない、ということ。なぜこれだけExcelのショートカットを覚えなければいけないのか?それはそれだけカバーしなければならない業務が多いから。でも業務量もスキルも低いスペシャリストのレベルで、彼・彼女が特に何も不自由なく自身の仕事をカバーできているとすれば、なぜわざわざそんなショートカットを覚える必要があるのか?と言われてしまいます。そうです、決してショートカットを覚える必要がない、という彼らの理論も正しいです。

そして何よりも、自分自身で意欲のある人間は、人事部による研修制度などなくとも勝手に自ら教材を探し出し、自分の負担でどんどん勉強し成長してゆく、という事実。

それ以外の人々にとっては、成長する、というその必要性がなければ「なぜ?」という疑問がわかず、その疑問がわく人も実は全員ではない、という事実。期待をしすぎることは結局自分の独りよがりのわがままであって自己中心的な考え方なのだろうと、繰り返しになりますがそのように考えるに至りました。

採用コストと研修コストの費用対効果についても考えさせられる要素です。この点は採用に関する記事で後日書きたいところですが、この点については世の中の人事部のスタッフであれば必読書ではないかと思うGoogle人事の方による「Work Rules!!」(by Laszlo Bock)が考えるよい題材となりました。

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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