日本と社会主義 / Japan and Socialistic state

本日18;30のモスクワ中心部から西側にあるFilyovskiy parkにて。モスクワ川が完全に凍っていました。いつも冬はここにきて市内の喧騒から離れ、遠くに車の行き交う音が聞こえるも静寂の中に身を置き、凍った川の上を歩くのを楽しんでいます。自然の偉大さを感じる瞬間です。

ロシア人の友人、タクシー運転手、ジムや仕事上で出会う方々との会話を通して彼らの持つ日本についての印象はなんだと思いますか。あくまで私の経験上ですが、主に以下の点です。

・原爆投下、そして、なぜ原爆を投下したアメリカとこうも仲良くやっているのか理解ができないという言葉(北方領土については、認識はありますし、日本に返却するなど論外、という思考は感じますが、こちらから訊かない限りほとんど会話にあがることがないように感じます)

・サムライ、Wabisabi(この名前のチェーン店をモスクワ市内を歩いていると見かけます)、天皇、ハラキリ、神道、日本食の美味しさとその健康への良さ、といった日本の伝統文化

・工業製品(車、電化製品)の品質の高さ(「ロシアは宇宙船、武器は作れても、一般市民に必要な車を作る能力がない」と自虐的な言葉も)。最近はSUMSUNG、LG、Hyundaiなどの韓国製品に圧倒されています。

・フクシマ(原子力発電所の爆発)とツナミ(ロシア語でもツナミ(Цунами)と同じ発音の言葉)

・規律を守る基準の高さ(日本に行ったことがあるロシア人の印象として、日本人が電車に乗るための列を必ず守ること、エスカレータやリフトに乗る場合も順番を守ることに驚きを隠しません。フクシマの際にも人が列を守って配給を待っていた、あの様子にも大変感銘を受けている様子をいつも感じます)

・街や公衆トイレの綺麗さ(これもロシア人の旅行者からよく聞きます、もちろんウォッシュレットも高い評価です)

・アニメ、ヤクザ、ムラカミハルキといった現代の日本固有の文化

といったところでしょうか。

今モスクワに住んでいて、今の日本とロシアを比べる時に「日本は世界でもとりわけ成功した社会主義国家だ」という論調に同感してしまうことがあります。日本人の“規律を守る”というのは美徳で大変貴重な特質ですが、あらゆる状況においても全員が規律通りに動いていたとしたら世界での国も企業の競争力もそがれてしまい沈みゆく一方です。間違っても規律を破ろう、というわけではありませんが、過度に規律を作り、それに人々が何が何でも従おう、それから逸脱する人間を排除してゆく社会になった時にその国や企業の将来の危うさを感じます。常に周りに自分を合わせること、目立たないように人と違う行動をすることを躊躇すること、その良さが行き過ぎると害に変わってしまう、そのバランスの難しさ。

日本が誇る“おもてなし”、あるいは年ごとに強化されてゆく内部統制システム。本来の目的を見失っていないのか?おもてなしする側もされる側も、内部統制を強化してゆく側も対応をする側も、両者がなんだか疲弊してしまうような過剰な状況になっていないのか?

そんな観点で日本を観察するよい機会となっています。

さて、ロシア人は会社のスタッフを見ていても抜け道を探り出すことに長けているのでは、と感じます。会社の規律を作っても、そうきたか…ちょっと待て、といいたくなるような行動に出てきて逆に尊敬してしまうことも。そんなしぶとさがあるからこそ国が混沌としていても、RUBの価値が対ドルでかつての半分以下になったとしても国が成長できるのかもしれません。逆に、今の日本はがつがつ行かなくてもそれなりの生活を送れる、まさに理想の社会主義国家となれる土壌が備わった、高いレベルにいるのかもしれません。どれだけその成功が各人の自己犠牲の上に成り立っているのかを考える必要もあるはずですが。

今、もしレーニンが生きていて日本を観たら何という言葉を発するのでしょうかね。それにしても、今のロシア人の若者の間では現在5月9日に戦勝記念日に行っているパレードがかつてはロシア革命記念日の11月7日に行われていたことも知らない人が増えているようです。スタッフに話を分かりやすく伝えようとソヴィエト連邦時代と今のロシアを比較して伝えても「XXXsan、私たちはソ連時代を知らないので何が言いたいことかよく分かりません。」と言われてしまいました。

Author: Author

ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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