3月1日、ロシアでは“Масленица(Maslenitsa)”が始まりました。このマースレニッツァは一週間続くようですが一体これが何かというと、この単語、「マースレニッツァ」で詳しい説明が載っているサイトを検索するのが一番早いです。詳しくやそちらへ。…という自分自身もこれを機会に幾つかサイトを読んでみて勉強になりました。
もともとはロシアがキリスト教を受け入れる前からあった春分の日の前に行う春の訪れを祝う異教徒の祝祭だというのが一般的な理解と思われます。あるロシア語サイトでは「多くの人はマースレニッツァがもともと異教徒の祝祭であると誤って理解している。正教会員にとってこのイベントは別の意味を持つ。この週はВеликий пост(ポスト、正教会では「大斎」。英語でLent、辞書によれば<キリスト教>四旬節、受難節)に備えるための時期」なんだと。
一方で別のサイトを見ると、「(異教徒であった祖先たちは)太陽をあがめ、春の訪れを神に請い、人々自身も暖かい日々が少しでも早く来るように努力をした、それを表すのがこのイベントの伝統的な行事、人形(冷たい冬を表す)を火で燃やすこと(火は地球の熱を表している)で大地が眠りから覚めて、再び大地が穀物で潤うように願った」ようだ。
このイベントの時期、丸いクレープ生地のようなロシア伝統の食べ物(ブリニィ複数形блины)を食べる習慣がありますが、これは太陽を表しているようです。そして、「この時期にたくさんのブリニィを焼けば焼くほど、この春に家族がより豊かになり幸せになるといわれている」そうです。
この時期は肉や乳製品を控える40日間。私たちの会社のスタッフの中にもこれを守る人と守らない人で分かれます。食事に一緒に出掛ける際には、守る人は守る人で食事を制限しますし、守らない人はこのポストを守る人に敬意を示しつつも食事は特に気にせずにいつも通りのような気がします。街中のレストランはこのポスト専用のメニューを準備して、ポストを守る方々をサポートしています。
ロシアがキリスト教を受け入れたときに過去から続く異教の習慣をうまく取り込んだ、というのが一番正しい理解だと考えています。宗教心があることは立派で、こういった習慣を守っている人たちに敬意を表したいですし、こういった時期にロシア人と日本人の宗教、神様に対する認識の違いについても思いめぐらす良い時間ともなっています。
参考URL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%96%8E_(%E6%AD%A3%E6%95%99%E4%BC%9A)
https://dailyhoro.ru/article/maslenitsa-istoriya-i-traditsii-prazdnika/?from=related_slider