部下への感謝の気持ちを手書きメッセージカードと贈り物に込めて / Express your gratitude to your subordinates in handwritten message cards and gifts

今年も残すところ今日が最後となりました。こんな年末になるとは去年の同じ時期には誰も予想しなかったはずです。私の勤務する事務所でも年内最後の出社日にはテレワークの人もいるため全員に挨拶はできませんでした。夏から今の職場でテレワーク制度のもとに働き始め、直接会話する機会そのものがすっかり減りました。他の部門では今どんなことが進んでいて、何が議論されているのかを耳にすることができるのは、事務所勤務ならではの良さだと感じます。それがずっと続くと、自分の仕事への集中力の妨げになる弊害も感じているところですが。

12月の仕事納めの時期となると思い起こす出来事があります。当時モスクワで働いていた時の20人ほどの管理部門の部下に対して、一年のお礼の意味を込めて、ちょっとしたプレゼントと手書きのメッセージカードを添えて一人一人に手渡ししていました。モスクワに進出している日本のチョコレートメーカーのお菓子を購入してみたり、行きつけのワインショップで男性、女性向けにおすすめのミニボトルをアレンジしてもらったり。今思い返せば数万円はかかっており、相当な出費だったのですが、自分なりにどんな風にお礼を伝えることができるかなぁと考えた結果たどり着いたのが年末のこのイベントでした。

日頃から仕事に関するコミュニケーションはしっかり取っているつもりでも、仕事以外のコミュニケーションが少なく、なかなか素直に感謝も表せない苦手な性格もあるのを補うべく、手紙で日頃の感謝を伝える文章を考えて言葉にしてゆくプロセスは自分にとっては大事な時間でした。結果的に私の行動が部下にも”私にお返しをしなければ”という気持ちを与えてしまったことは良くなかったのですが…。部下からもプレゼントをもらったり感謝の手紙でもらったり。そんなやり取りが生まれたことは良い思い出となっています。本好きの私を考えてなのか本をプレゼントしてくれた部下もいましたし、よくKit Katを食べていた私を見てKit Katの特大バージョンをくれたりと。

仕事のパフォーマンスが悪いことや、我々は人間なので考えの違いや仕事のやり方の面で軋轢があることも原因で、部下全員との関係が常に良好というわけにはいきませんでした。そういった人には手紙を出さない、というわけにはいかないので、このやり方がずっと機能していくかと言うと疑問もあります。私が駐在していた7年間の間このイベントをずっと行っていたわけではなく、駐在最後の2回の冬でした。冬の到来前にタイミングよく設けたマネージャー向けの研修でリーダーの在り方を学習したのをきっかけに、その冬からやってみようと。「リーダーの皆さん、部下に対してちゃんと感謝の言葉をかけていますか?」 — 日本に比べると自由闊達に会話が行われているようにみえるロシア人の間でも、上司が部下に対する感謝が少ないことが課題テーマとしてよく耳にします。

誕生日というのは、誰しもがその日は自分が主役になることが予め分かっていて、その日に何があるのか想像が容易にできます。歳を経るごとに誕生日はサプライズの要素は無くなり、定型的なイベントになってゆくのだと思いますが、本来のプレゼントは相手が想定していないタイミングでやってくるときに喜びも倍増するはずです。そんなことを思って年末のタイミングを利用してみました。日頃の感謝を伝える場面は、よく探してみると日々の中に見つかります。そこに自分なりの口実をつけて自分の遠慮がちの気持ちを奮い立たせて行動してみる時に自分の知らなかった世界が開かれます。苦い経験も含めて。その時の心境もまた貴重な宝物です。

日頃からどのように部下とのコミュニケーションを取るのか、どのように部下に感謝を伝えるのかは人それぞれですが、大切なのはノウハウ本が述べる方法を単に真似るのではなくて自分自身の性格を踏まえた上で自分にとって最善のものを採用することがふさわしいと思っています。それはもしかしたら本の中では否定されている方法かもしれません。自分自身の置かれた状況は本の著者が述べる状況とは異なっているかもしれず、自分で考えることの大切さを感じます。例えば、決して多くのことを語ることもない自分自身であれば手紙に書くことはできます。ただパソコンで書くのではなく自分で一言メッセージを添えて日頃の感謝を伝えて直接渡しに行く。そんなちょっとしたやり方一つをとっても立派なプレゼントになるのではないかなぁと思っていました。家に帰ったあと、家族との会話のネタにでもなってくれればそれもまた嬉しいものです。

この方法も毎年恒例のものとなっていくとマンネリ化してしまいますし、また最後の年には徐々に軋轢の生まれていたスタッフもいたので同じ熱意を持って続けてゆくことは難しかったかもしれません。相手に自分の感謝の気持ちを伝えたい、という根本に基づいた相応しい仕方を唯一の正解が存在しない中で常に考えてゆきたいと思っています。

モスクワ駐在生活の醍醐味:歴史的なアパートと景観をでの生活 / The joy of living in Moscow: living in the historic apartments and enjoying city landscapes

モスクワの駐在生活でしか経験できない醍醐味の一つは、日本には存在しないモスクワの歴史的なアパートに住むことができる、という点があります。有名なスターリン様式のアパートはまさに他の国では見ることができません。都心の中心部ということで家賃も高く、自分の負担で住むとなると難しいところを会社の補助があるからこそ選択肢に含めることができます。モスクワ駐在の際には歴史的なアパートを検討してみることをぜひお勧めします。ロシアのモスクワ以外の国に居住したことがないので、他の国ではどのような物件があるのかは分かりません。ドイツに駐在していた友人の家や他の西欧の国々を訪れたときに見たアパートは、日本のものとは異なりますが、急に日本から引っ越したとしてもあまり違和感のない雰囲気であった気がします。日本のこれまでの生活で、よく目にした映像や似たような雰囲気のものを実際に生活で経験しているからかもしれません。

今のモスクワでも現代的なアパートが立っており、現地に住む友人曰く、いまではロシア人でもそういったアパートを好む層が増えているようです。Youtubeでみる現代的なアパートは、現代の生活に適している、内装もシンプルなものが多い印象です。部屋の中を紹介するRoomTourビデオをYoutubeで見るのが好きですが、予算に制約があって、それでも部屋の中をオシャレにデザインしたい人はIKEAを好んで購入しているように感じます。

歴史的なアパートを好き好んで選ぶ人は徐々に少数派になってくるのでしょうか。確かに歴史があっても水回りや部屋の造り、古い電気設備など、古いアパートを好む理由はあまりないでしょう。

Архитектурные излишества

(辞書によれば意味は「建築の装飾過剰」。この名称を付けた背景は分かっていません)

https://www.youtube.com/channel/UCrBrH2HVtIA6-kk42E5m7yw

Youtubeで見つけたこのサイトはおすすめです。モスクワに住んでいて、ここは一体どんな住み心地なのだろうか、と建物を見上げては想っていた建物がまさに紹介されています。全てロシア語ですが、モスクワの街並みやアパート内部の様子、雰囲気がこちらにも伝わってくる、とても綺麗な映像が並んでいます。

例えばこんなアパート。日本では決して見ることができない外観と内部の雰囲気。そして窓から眺める風景。モスクワの中心部に関して言えば、赤の広場を中心に古い建造物が広がっている街並みの景観は一度は経験してみたいものです。

私は7年間のモスクワ生活のうち、3つのアパートを経験しましたが、どうしても仕事柄オフィスに近いところを選ばざるをえませんでした。その理由は不測の事態があるときにはすぐにオフィスに駆け付けられるように、生活の大半が仕事で占められていたためにオフィスへの移動を徒歩圏内にしたかったことです。モスクワの大渋滞は半端ないです。同じように渋滞がひどいと聞く東南アジアを経験しておらず比較できませんが、モスクワはあれだけ多くの車線があり、あれだけ大きな道があるにも関わらず、時間帯によってわずか1km程度を車で通過するのに1時間近くかかったこともありました。冬にもなると、オフィスへの通勤のために片道2時間もかかっている駐在員もいましたので車での移動がいかに恐ろしいものか想像していただけるのではないかなぁと。

きっと次にモスクワに住むことになればじっくりと考えてアパートを選ぶでしょう。最後に住んだアパートは、限られた選択肢の中から1930年に著名な建築家によって設計されたという由緒ある建造物を選び移り住みました。数か月前から物件情報を眺めて気になっていたのですが、しばらく経つと提示価額が下がったことをきっかけに紹介元にコンタクト。そこからスムーズに手続きも進み無事に決定です。建物はスターリン様式のようなもので(Wikipediaによれば、当時世界最大のビルとなる計画であったソビエト宮殿(スターリン死後に計画中止)の最終デザインが固まった年1933年からソビエト建築アカデミーが廃止された1955年の間に建てられた建物をスターリン様式というようです)天井は高く、外観と窓から眺める夕日は最高のものでした。違うアパートにゆけば、そこで見つける新たな最高の景観があるはずなので、終わりの無いテーマですね。オーナーの父親は日本に行ったことがあってとても日本が好きだ、というオーナー。アパート選びにはオーナーがどんな人かも非常に重要なポイントです。

今回紹介したYoutubeでは、モスクワ以外の町も紹介されていて、モスクワとは違う様子も楽しむことができます。そのうちのいくつかは私も休みを利用して出かけたことがあります。早朝にモスクワを列車で出発し2,3時間の距離にある町を散策して夜にはモスクワに戻ってくる。モスクワでの慌ただしい生活を離れて、ゆっくりとした時間が流れる違ったロシアを知ることもまた駐在していたあの日々の醍醐味でした。

世論調査によるとロシア人の3分の1が自分たちを貧しいと見なしているという / A third of Russians in the poll called themselves poor

Public Opinion Foundationの調査結果によると、ロシア人の3分の1は自分たちを貧しいと考えており、市民の3分の2近くが自分たちは平均的な収入である、と評価しています。

調査によると、回答者の64%が自分の収入は平均的であると考えていて、33%は自分が貧しいと考えており、1%だけが自分自身を金持ちだと考えています。自分を貧しいと評価した人は、この貧しい状態は10年以上前(12%)からで、いつもこのように暮らしているか、5年から10年前(それぞれ7%)にこの状態になったと答えました。

貧困の理由の中で、回答者はまず、賃金の低下(8%)、価格、関税または退職の上昇(それぞれ7%)、失業(5%)を指摘しています。また、このグループの20%は、3〜5年で現在とほぼ同じ貧困生活を送ると確信しており、6%は生活水準の大幅な向上を望んでおり、7%は答えるのが難しいと感じています。

調査で指摘されているように、自分は金持ちや平均的な収入の人だと思っているが、かつては貧困生活を送っていた人は、一生懸命働いた(10%)、働き始めた(7%)ことで生活水準を向上させることができたと答えた。 )、より良い給料の仕事を見つけました(5%)。

ロシア人のほぼ半数(45%)は、人の幸福は主に国家によって確保されるという原則に基づいて社会を構築すべきだ、と考えており、38%は自分たちの努力に依存していると考えており、16%は答えるのが難しいと感じています。市民の半数以上(52%)が、ほとんどの場合、人は貧困を克服し、本当に望むのであれば彼らの幸福を大幅に改善できると確信していることが明らかになり、40%は、強い願望があっても、ほとんどの場合、貧しい人々には機会がないと答えました。財政状況を大幅に改善し、8%が答えるのが難しいと感じました。

11月13〜15日に、18歳以上の回答者1,000人を対象に、携帯電話と陸上の電話番号をランダムにサンプリングして、全ロシアの電話調査を実施しました。統計誤差は3.8%を超えません。

参照:https://www.audit-it.ru/news/personnel/1025395.html

なお、上記は記事を直接Google Translateでオリジナルのロシア語記事を日本語に翻訳したものを翻訳されたものに近い状態で掲載しています。ロシア語と英語間の翻訳レベルに比べてロシア語と日本語間の翻訳レベルはまだまだ劣る、という実感がありましたが、今回こうして翻訳してみると、十分に内容を理解できるほどの高いレベルであるという印象です。AIの力もあるのか、翻訳のレベルが上がっていっていることを感じました。

果たして日本の貧困層はどうなのでしょうか、数値の計算方法の根拠を把握していませんが、厚生労働省の統計によれば、平成27年(2015年)時点では15.6%とのこと。そして、子供がいる大人が一人の世帯の貧困率は50.8%。離婚率も高いロシアでは一人親世帯は多く、女性でもバリバリと働いている人を多く見かけてきましたが、やはり親や祖父母の支えというものが無くしてはそれも成立しない気がします。私がモスクワで働いていた時の経験では、子供を持つ女性スタッフの大半は母親や祖母といった身近な存在の支えに頼って仕事を続けていたように思えます。

参照資料:厚生労働省の統計

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seigo_g_171005.pdf

ポイントカードのトリック。1円の節約と思考と時間を失うリスク / The trick of Point card. Saving 1 yen and the risk of losing time to invest for future

帰国して日本の生活に戻る中で感じること。それは、あまりにも電子マネーの種類が多く、どれを選んでいいのか悩ましいことです。調べて行くとどれもメリットはあるのは事実ですが、果たしてそれだけ多くの種類が乱立していても顧客にとってどれだけのメリットがあるのだろうかと感じています。

ポイントカードのトリック

選択肢があることは良いことでありますが、一方で選択肢があることにより余分な時間を取られてしまうことの非効率さを感じます。スーパーマーケットはそれぞれのお店のポイントカードを発行し、使える電子マネーの取り扱いを増やすことでお客さんを固定客にしようとしています。お客さんはそのポイントが溜まった時にそのポイントを使うことでお得感を感じ、一層その店で購入する意欲が高まります。お客さんは購入するお店に応じて電子マネーの使い分けを考えて賢く利用しています。量販店やスーパーマーケットなどのお店(ここでは小さな個人商店ではなくて、大手家電量販店などを念頭に置いています)が発行しているポイントカード使っていて面白いことは、実はポイントが付与されるからといって、それは決して真にお得ではないという点に気づいた時です。

これはロシアで生活していた時にも感じたことですが、モスクワの駐在員ならば誰もが利用するであろう上位にランキングするスーパーマーケット「アズブカ・フクーサ」。

https://av.ru/

とあるサバの缶詰を購入したとき。このスーパーよりも価格は安く、サービスや取り扱い商品も劣るのですが、健康志向でモスクワっ子にも人気がある「フクース・ヴィル」

https://vkusvill.ru/goods/

でも同じ商品が(きちんと覚えていないので具体的な値段を記載できないのですが)明らかに安い値段で販売されており驚いたことを覚えています。アズブカ・フクーサでは、一定の累計ポイントを溜めると、1か月間お店に立ち寄ってコーヒーや紅茶を無料で受け取れる還元も行っており、そのポイントを溜めようと思う十分なインセンティブにもなります。ポイントが溜まり、一定のポイントが貯まった時にそのポイントで商品を買うと何だか得をした気分にもなりますし。しかし、このサバの缶詰の件以降、このポイント貯めようとアズブカ・フクーサに通うことに何かメリットがあるのだろうか?そもそも同じ商品を安い値段で提供しているお店で買うほうがよっぽどメリットがあるのではないかと。そう思いました。

日本に帰ってきて同じようなことが。冬を迎えるにあたって電気ストーブをビックカメラのオンラインショップで購入し、ポイントも10%付き、お買い得感が満載です。とある日、近所にある日曜大工のお店で同じ商品を見つけた時、値段が明らかにビックカメラでゲットした10%のポイントを考慮しても、もう少し安く販売されていました。お得感を与えるためのポイント制度。でもよく考えてみたら、お店はそのポイントを考慮した値付けをしていることは当たり前で、そのポイントに購買客は”踊らされて”また次の電化製品を購入する時には再びビックカメラにやってくる。非常に上手くできている仕組みです。ポイントカードはそのお得感を非常に顧客に訴えてくるものがありますが、そもそもその商品の販売価格がいくらで市場で売られているのかを一度考えてみるのがよいかもしれませんね。

1円の節約を意識して思考と時間を失うリスク

主婦は1円でも安い所にかけていく、と以前に聞いたことがありますがその気持ちは、日本に帰ってきて分かります。駐在生活とは異なり、日本の現実の給与水準で生活をすることになると自分自身のお金の管理もよく注意するようになりました。初めて家計簿なるものをつけ始めています。記録してゆくとだんだんと自分の生活スタイルが分かってきます。そうすると同じ商品でも近隣の異なるお店で異なる値段で売られているものを見ると、より安いものを購入しようとか、特別お買い得セールを行う日まで購入を控えようなどといった意識が働くことがあります。それは正しいことだと思うのですが、そういったお金の金銭感覚を常に重要視することと同時に、お金では買い取れない貴重な時間が失われることの危険性も感じます。頭の中で潜在的思考がお金のことに占有されてしまい、将来に向けた自分自身への投資のために意識する集中力や払うべきお金を躊躇してしまう、そんな感情も湧いてきます。1円を常に考えた日々の生活を行うことも重要な一方で、自分自身の思考回路はより大切なことに意識を向けて集中できる環境を整えておくこと。節約術を覚えることは大切ですが、ポイントカードや電子マネーの種類は多くあれども、それらのメリット・デメリットには決して大きな大差がないであろう、と想像すると(細かく検証はしていないのですが)、自分自身の生活スタイルを把握し、自分自身の生活圏で有効だと思える支払い方法を選択し ー クレジットカードや電子マネーでのお金の使い過ぎリスクをきちんと管理できることを前提とすれば、今の時代に現金だけで生活することはとても賢いことではないと思います — その方法をを採用する、新たな情報は収集しつつ、比較しつつ、今の支払い方法の正しさを確認しつつ。そうであれば、1円のために自分の大切な投資となる時間を倍取られかねないような節約の仕方を避けて、かつ「あっ、1円損をした。どうしてこの方法で支払わなかったのだろう…」といったネガティブな思考を出来る限り取り除きたい。人間というものは損をしたことに対するショックは必要以上に大きく、後に残るといわれていますし、それを実感しています。ロシアで為替暴落により数十万円の価値を一気に失ったショックは思い出す度にやっぱり凹みます。

家計簿+エクセルスキルアップ

家計簿をつけることによって自分自身のお金を使う指向性であったり、キャッシュフローや自分自身の資産のポートフォリオを見ることができること。なおかつExcel ファイルで作成しているので、自分自身のエクセルの勉強にもなります。いつかこのファイルをブログの中でも紹介していけたらとファイルを整備中です。

一番の節約術は、ポイントのお得感に惑わされずに不要なモノ・サービスを購入しない。毎月定期的に出てゆく固定費を可能な範囲で下げること。ー 大変シンプルな法則かもしれませんね。そんな風に思えてきました。