感情のコントロールは一体どうすればよい? / How to manage to control own emotions?

自分で思うほどに物事はうまくゆきません。むしろ、生きていると上手く行くことの方が少ない。これは誰もが理解しているのではないでしょうか。

全体として、一言余計な発言が多いのがロシア。そう思うことがあります。いや、実はどこの国でもそう?人はきっと相手よりも上でいたい、それを示したいと思う生き物なのでしょう。去り際に繰り出される一言でカチンとくること、一度ならずあります。しかし、それが理由で相手に手を出てしまったら…言い訳のしようがありません。日々の業務で負荷がずしりとのしかかっている中ではそんな危険もあり得る。どれだけ自分自身の感情のコントロールが大切なことでしょう。身体が震えるくらいの怒りの感情があってもそれを上手にコントロールできるスキルの大切さを、ここモスクワで感じます。

メールでの感情表現の管理も大切です、思わず気持ちのブレに揺られて、あとで後悔することをすぐに書き出して送信しまうこともあります。後で、何てとんでもないことをいってしまったんだ…という気持ち。繰り返したくありません。

マネジメントの仕事はどれだけ怒りをコントロールできるか、それに尽きるのではないでしょうか。どんなに相手のことを思って、正しいと思うことを訴えても一向に聞いてくれる人がいるようには見えない。下をうつむいている、パソコンで別のことを行っている…そんな光景もあります。悲しく、時に怒りの気持ちすらでてきます。

”どれだけ人間的に成長できるか、その成長が早い人ほど上のポジションにいっている気がする。”そんなアドバイスを数年前にいただいたことがあります。その言葉の重みを今感じます。

怒りのメールをしたいとき。危険です。メールでの感情を抑えるための対策:

定型文の利用を最大限に利用しています。このようにすれば、自分の感情がメール文章に影響を与えるリスクを抑えることができます。

  • 決まった文言はMicrosoft IME の単語登録
  • 英語の場合はPhraseExpressで文言の登録

を使っています。メールにより余計な問題を生み出してしまうことの無いように、自分の感情が入る余地を減らすこと。そんな心がけも重要だと私自身の失敗から学びました。

すぐに言葉に出さない。

負けを認めたことになるような気持ちもあるかもしれませんが、ぐっとこらえることは結果的にプラスとなること、多くあります。そして、不思議なことですが、自分の思っていたこと、でも言い出せなかったことを上のポジションの方がタイミングよく発言されることがあります。自分自身が性急に口に出さなくてよかった…そう思います。

ルールを逸脱した状況でヒトの本質がでる /The essence of a person comes out in a situation that deviates from the ordinary circusmtances

頻繁に利用する街中でのカフェでマクドナルドで。コーヒーを注文すると砂糖とミルクを何も言わずにカップに添えてだしてくれる。でも全員が砂糖を使うとは限らない。ひと言聞けばよいのに。一体どれだけの砂糖が無駄になっていることだろうか…どれだけその未使用のものがそのままゴミ箱に行き、経費の無駄使いとなっていることか…。いつも思います。

たった一言、コーヒーとミルクは利用しますか?そう聞けばよいだけなのに。そんな一言があるかないかでどれだけ会社の経費削減に貢献できるのだろう、そんなことを考えて自ら考えて実践できるひとがどれだけいるのでしょう。という私もこんなことを言っておきながら、何も考えずに席について、あっ、私は要らないのだけど…言ってあげればよかった…と後になって気が付くこともあります。

こんなちょっとしたことことから、ルールに従って物事を行えること自体も能力ですが、それ以上に自らが正しいと思う、あるいはそう教え込まれてきたルールを客観的に、疑問をもって見つめることの能力の重要さを一層認識するモスクワでの日々です。

日頃から自分自身でルールから外れた状況を作り出し、それに対してどのように対応できるか、ある種のトレーニングを重ねておくことの大切さを否応なしに感じています。

現在のコロナウイルスがここまで大きくなる前には、毎週末にモスクワ郊外の街へ日帰りで電車での小旅行を楽しんでいました。初めての町で勝手も分からず、余裕をもって行動するべきなのですが、どうにも大概帰りの列車にぎりぎり5分前くらいに乗り込むケースが続きます。これは訓練というよりも時間の計算の甘さでしかありませんが…その状況でどうするのか、頭を使って悩み考えて答えを出す。そんなことも訓練の一つだなぁ、と思うところです。Voronezhの町で、翌朝モスクワに到着する夜行列車に乗り遅れないようにと約5kmをひたすら走ったあの経験は二度としたくありません…筋肉痛がその後も続きました。

人は不思議なものです、もういいや、次の列車でもいい、チケットを買いなおせばいいのだから、と思った途端に一気に力が抜けるものですから。幸か不幸か、ロシア郊外の町で列車を逃すともう次がなかなかないのでそうも言っていられませんが。

さて、今のモスクワのコロナウィルス状況。確実に経済、ヒトの生活、心境にマイナス影響を及ぼしています。誰もが想定していない展開にあらゆる危機を経験してきたロシア人にとっても新たなチャレンジとなっている様相です。増してロシアと比べればずっと安定的な経済、生活環境で過ごしてきたであろう多くの日本企業の駐在員にとっては、今回の事態は会社の業務運営への影響を抑えるためにも、スタッフに広がる動揺を緩和するためにも大きなチャレンジであること間違いないはずです。私にとっては全くの新しいタイプの経験であり動揺しないと言えば全くのウソになります。日々新たな情報が更新される中で見えない先を見通す努力とそれに備えた手を打つ行動力、リーダーシップ。

ルールを逸脱した状況でそのヒトの本質が試され、あらわにされるのだと。

「XXXさん、私たち、仕事があるだけずっとましだわ」 ― 部下の女性のそんな落ち着いた発言を聞くと、改めて女性のたくましさを再認識しました。

政府の発表情報サイト(26.03.2020発表)http://government.ru/orders/selection/401/39276/

コロナウイルスに関する総合情報サイト

https://стопкоронавирус.рф//#

モスクワの現状とこれから(COVID-19) / Current situation in Moscow and from now

書きたいことはたくさんあるのだけれど、あまりにも目の前の業務に追われて、ゆとりがなくなっている、というのが本当の気持ちです。これほどまでに先行きの見通せない、予測のつかない事態にこうも急激になろうとは誰が想像したでしょうか…原油価格の下落によるルーブルの暴落、そしてCoronavirusの蔓延は確実にモスクワにも大きな影響を及ぼしています。

「ロシアはこれまでもありとあらゆる危機を経験してきたので慣れっこです」なんて冗談を言っているスタッフもいます。決して嘘ではないのですが、今直面している状況は、長年モスクワに勤務する経験の中でかなりタフな経験となっています。この週末は疲れもあり、全く仕事から遠ざかっていました。全く何もせずに好きなYoutubeの動画やNetflixを観たり、キッチン回りを掃除したり。かつてならこのような”何もしない”時間を極度に嫌ったものですが、いまはこの”何もしない”時間の中で、今の置かれている物事を客観的に考える時間を持つことの大切さを感じます。

平時にどれだけ当たり前のことを当たり前にこなすことができているか、そのことの重要性と、日頃からの積み重ねが会社や個々人の力の差としてこのような臨時の場にはっきりと表れる - それを否応なしに体感しています。その一方で、ヒトというのは弱いもので、このような場になるまで日頃の当たり前の積み重ねの大切さを学習することができない生き物であるなぁ、ということも学んでいます。少なくとも、こんな体験をしたからには私自身、そしてロシア人マネジャーをはじめとするスタッフ全員が、この危機をまずどう乗り越えることができるか?乗り越える過程でどれだけ成長し、将来やってくるであろう次の危機に向けた意識と行動を高めることができるか?そこに会社と個々人の先がかかっているはずです。

さて、明らかに金曜日の夜にしても、この週末にしても通りを出歩く人の数が少ない気がいます。お店に出かけてもレジでの会話はコロナウイルスのことばかりです。「商品が少なくなってない?」「ないよりはあるだけましでしょ?」

さて、ニュース媒体Meduzaによれば、いくつかの情報が掲載されており、(別のビジネスニュース媒体)РБКがレポートしたところによればモスクワのロシア内務省は、コロナウイルス状況が一層悪化した場合のアクションプランを3月末までに準備するように指示をした、とのこと。この計画の中にはモスクワへの自動車の出入りの制限と、外出禁止令の導入といったものが挙げられています。

それ以外の媒体の情報も掲載されており、

19.03時点:モスクワのコロナウイルス感染者が800人に達する場合、モスクワ市を封鎖する計画を検討中であること、

22.03時点:モスクワではコロナウイルスの状況が今後悪化すれば、より一層の厳しい検疫手段を導入する計画がある。(大型ショッピングセンターや地下鉄の閉鎖、といううわさも聞いていましたが、 この記事によれば)”モスクワ市長セルゲイ・ソビャーニン氏は地下鉄の閉鎖、軍隊の投入の可能性といった噂はばかけだ話だ、ということで一蹴した”とのことです。(Мэр Москвы Сергей Собянин также развеял слухи о возможном закрытии метрополитена и вводе войск в столицу, назвав их чушью. )

最新の状況によればロシアでは367のコロナウイルス感染ケースが報告されており、そのうち191のケースがモスクワで報告されている、とのこと。

https://meduza.io/news/2020/03/22/rbk-politsiya-gotovitsya-k-vvedeniyu-komendantskogo-chasa-v-moskve