今年初のダーチャにて束の間の休息をとる。/ Taking a momentary rest in Dacha.

モスクワ中心の住まいから地下鉄、電車を乗り継いで約2時間半。この日曜日は友人のダーチャでゆっくり過ごしてきました。ダーチャについては多くのウェブサイトがその良さを説明しているので説明の必要はありません。

ただただ、本当に癒されます。

私はただのゲストですので、実際にダーチャを所有し建屋や敷地を整備する時間とお金は一体どれだけかかるのか…想像ができませんが、モスクワに住んで日々忙しく過ごしていると、どうしてこれだけダーチャの文化がモスクワの人々に根差しているのかがよく理解できます。

わずか一日でしたが、帰りの電車に乗り込む21時半まで、とてもゆったりとした日曜日を過ごすことができました。あとは写真にこの一日を語ってもらいます。

Электричкаと呼ばれる重々しいロシアの郊外列車で目的の駅に到着。人の流れ乗って通りへ向かいます。
ビニールハウスの家庭菜園。トマトが生っていました。
早速お昼からバーベキューです。トマト、ナス、パプリカをしっかり火で焦がします。あとで水につけて焦げを取り出すと中はしっかりジューシーな果肉があつあつの状態となっていました。これをしっかり混ぜてお肉と一緒にご馳走になりました。
こんがりと焼けて、ほくほくのお肉たち。
青空のもと、心地よい風を浴びながら、今朝森で採ってきたというキノコのスープ、モスクワ市内から持参してきたウィスキーとワインと一緒にランチの時間です。
ご近所のダーチャ。見るからに古い木造建ての家屋ですが、とても大事に手入れがされている様子が感じられました。このお宅のお庭にお邪魔させていただき…
洋梨を広い集め…
小麦粉、砂糖を混ぜ合わせたものと順に重ね合わせてオーブンへ。すっかり美味しそうにこんがりと焼け上がりました。調理方法はとてもシンプル。そして、とてもおいしく。
しばらくゆっくりした後は、森へ散歩へ。
こんな立派なキノコたちが森の至るところにすくすくと生えていました。森の地面の一面にはっている緑の草たちは非常に柔らかく、フワフワとしていてまるでカーペットのよう。
森から出て、ダーチャに戻る頃にはこんなにきれいな夕日が。目でみる夕日はもっともっと大きく見えたのですが、写真ではどうしてもその雄大さは伝わらないことが残念です。

仕事の生産性を向上するには / How to increase work productivity

今日、お気に入りのカフェにて。通りから入ると、中庭があり、この空間がモスクワの中心で外界との別世界を作り出してくれています。青空のもと、心地よい風を感じながら、今年ももうわずかとなった最後の夏を楽しみました。甘い香りに惹かれて蜂が空になったレモネードのグラスにやってきました。

膨大な業務量に追われる毎日。生産性の向上についてもがいています。(この記事では、生産性と切り離せないIT技術の記載はせず、主に自らとの闘いについてです)

生産性を高める方法(いたって目新しいものはなく。むしろあったら教えていただければ嬉しいです)

週の初めに必ずその週にやるべき仕事のスケジュールを作成する。

一日の仕事の振り返り。自分のしてしまった失敗・こうすれば良かった点を記録すること

複数のことを同時にしてはいけない。一つの仕事に集中し終わらせる。(仕事の内容によります)

音楽はなし。繰り返しの仕事で単調作業であれば音楽が必要だと部下は言いますが、私の仕事はそのようなタイプではないので音楽はなし。

時間を区切って勝負するのが大切。やると決めたらその時間にやりきる。トイレに行きたくなってきてもやりきる。トイレに行きたければやりきれ!と自分に言い聞かせて。

仕事のイメージを作り上げるために、気分を入れ替えるために一つの仕事を終えた後に机の周りやオフィスの掃除をしてみたり。

確実に1つ1つの仕事をその日に終わらせる。明日まで延ばそうという考えは無し。

残業すれば大丈夫、時間がなければ週末にやればよい、という甘い考えが頭の中に巣食うことを絶対に許さないこと。この意識が頭の中で大きく占めてしまうと、その途端に仕事のスピードが落ちてしまう。

このような上記の点は、日本にいた時に大量に購入したノウハウ本を通して知識として持っていました。しかしながら、見聞きして知っていることと、自身の中に根差して理解し、実際の行動に移すことの差には、とてつもなく大きな違いがあることを今になってはっきりと認識することができました。

仕事の見積もり時間の精度を上げることはとりわけ重要

この記事の一番最後にあるLink先のブログ記事を参考にさせていただき、私自身もこの方のファイルに似せたマクロで動くExcel仕事管理リストを作成し、毎日更新しています。私の問題は、少しでも多くやらなければ、という意識で幾つものタスクを今日のやるべきこととしてしまい、その結果見積もり時間が24時間を越えてしまうことがあることです。つまり、寝ずにひたすら作業をしても今日やるべき仕事の完了時間は翌日の同じ時間、というわけです。無理です。優先順位を定めて、現実的にできることを見極めつつ、さらに一つ一つの作業時間の見積もり時間の精度を高めることが課題です。

ドラッカーは時間管理の大切さを説いています。私自身の経験からすれば、自らの仕事時間を管理することが習慣として定着した後、記録集計を継続し、データ集計をして、その結果を見て満足してしまう。つまり、その時間管理の行為自体が目的と化してしまうことの問題を感じました。原則として、自らの時間管理ができている、と納得できることは、時間の記録をせずとも自らの時間利用方法を客観的に観察できていること、正しい時間の用い方ができていることと言えます。そのため、時間管理が現時点で問題なくできていると判断した段階で、記録はストップして問題ないと考えています。 定期的に見直しの時期を設けることで十分なのかもしれません。

行為が目的化してしまう ― これはすべてのことにおいて当てはまりますね。毎月的敵に作成するレポート(それで?何に使うの?「いや昔から作成していて引き継がれたので・・・」、でもそれって本当に役立ってる?「いや誰も見ていない気がします」・・・であれば作成する意味ありますか?)

定期的な会議(集まりあうことが問題になっていませんか?「この会議は大切なんです。なぜならそれが課のターゲットですから。」…でも集まる理由はなぜでしょう。目的が明確ではない。議論の結果の結論が決まらない。議事録が作成されず共有されない。その結果次に集まったときに前回話し合った内容を忘れてしまっている。そんな会議に二度と取り戻せない自らの時間を捧げる必要があるのでしょうか…)

時間管理も大切ですが、本来の目的とその手段が目的化していないか、これこそ徹底的に棚卸しを継続してゆくべきだと考えています。会議を見ていると、なぜだか話に詰まったときに笑いが起こる。それで内容がごまかされてしまう。それで結論が何か曖昧になってしまう。これは忌み嫌うことの一つです。

集中できないとき

解決策 ― その日は止めて帰宅するのがよいでしょう。仕事を終える時間の目安となるときは?

それは集中できないとき。私の場合、それを感じるのは、誤字脱字が増えてきたとき。なぜだかYoutubeを見出してしまうとき。Excelの数式Inputにやたらと時間がかかり頭が混乱しだすとき。携帯電話をいじりだすとき。他のことを考え出してボーっとしてくるとき。

各自それそれに何かしらのサインがあると思います。その時には、よほど締め切りに終われていない限り、早く帰宅して翌日の早朝から仕事を開始するほうがずっと生産性が高いことを私の経験は物語っています。昨日さっぱり原因不明でエラーが出続けており意味不明であったExcelの計算式が、翌日に取り掛かるとわずか5分程度で解決したり。「あっ、なんだ、こんなことか」と。翌日朝起きてボーっとしていたら、「あれっ、これはいけるんやないか」というアイディアがポッと浮かんできたり。

でもやっぱり我々は人間

自ら、「ながら勉強」は絶対にダメだ、と分かっていても、今でも時にやってしまうのです。それが人間の弱さでもあるのかもしれません、悲しい。でもそこから残りの一日をどれだけ「まあ、何とかそれでもよくやったよな」と自分に言い聞かせられる一日でできるか。そんな自分のリカバリー力を見るときに、自らの成長を感じる機会かもしれませんね。また、「ながら勉強やってしまった…」と思うのですが、そんな弱さを許容しながら生きてゆくほうがより人間的だと思います。あくまで”時にやってしまう”程度に留める必要がありますが。

生産性を上げるための極端な方法は、締め切りぎりぎりに一気にやりとげる。それが一番スピードアップの理由の気がしています。毎回経験するこの苦々しい経験を避けるために計画を立てるのですが、どうにもそう簡単にいかないところが人間です。

周りに頼ることもとりわけ重要

最後に生産性向上にとりわけ重要なことをもう一つ。それは周りに頼ることです。部下に素直にお願いすること。自分の弱さを見せることです。部下も私がそんな完璧な人間ではないことをよく分かっています。「オルガ、お願いしますよ、もうあなたに頼むしかないんです、だって私ではできないので…。よろしく、ね」(顔色を伺いつつ)。「エレナ、ごめん、もう疲れた!帰っていい?あとはお願いします、あなたならできるから、信じてるよ」(そうは言っても後で受け取った資料はしっかり自分自身で確認するしかないのですが。何かあったときの責任は私ですので。)周りに頼れる人は素晴らしいと思います。自分の弱さを認める謙虚さを持ち、自分の出来ないことを周りに頼れる、つまり周りを信じる。それによって周りも彼らが信頼されていると感じることができる。良いことばかりです。やっぱりみんな不完全な人間ですから。

参考情報

Excelタスク管理で使っているExcelテクニック+マクロ

https://www.ex-it-blog.com/Excel-Macro-Task

9月―ロシアの新学期の時期に15年前に起こったベスラン学校占拠事件を想う / September – New school season – remembering Beslan school siege 15 years ago

9月は学校の新学期の始まり。ロシア人の子供を持つ親たちは、子供を学校につれて行き期の始まりをお祝いするために休暇を取ったり、遅れて会社に来るケースが多くあります。私の勤務する会社は比較的まだ年齢層も若いため、目立って多いな、という印象はありませんでしたが、4,5名の女性スタッフが実際に休暇を取ったり遅れて出社していました。実際にこんな記事がロシアの著名な新聞の一つ、Vedomostiにありました。

「9月2日(1日は日曜日のため、学校初日は2日)は従業員の1/3が休暇を取って学校の始業式に出かける ― この事実について雇用者は何を考えるか」

https://www.vedomosti.ru/management/articles/2019/08/28/809894-tret-rabotnikov-sentyabrya-poidut-shkolnuyu

こんなおめでたい日ですが、その一方で、15年前の9/1に北オセチア共和国のベスラン市で起こった悲惨な学校占拠事件があったことをロシア人スタッフに言われて思い起こしました。

Юрий Дудь (Yury Dud)というジャーナリストが特集した約3時間の長いビデオがYou tubeで公開されています。「これをぜひ見てください」と。ロシアでは有名なYoutuberのようですが、この中では当時を生き延びた人たちの話や、唯一占拠されていた建物に入って、話し合いの結果26人の人質を外に連れ出すことができた元イングーシ共和国大統領Руслан Султанович Аушев (Ruslan Aushev)氏の直接のインタビューが掲載されています。

教えてくれたロシア人スタッフによれば、いかにロシア政府が無能であったか、ロシア政府の要人が及び腰であったか、テロリストの攻撃情報を事前に入手していたにも関わらず行動しなかった、なぜこんな悲惨な事件が起こるのか・・・滔々と語ってくれたのですが、今となっては何が真実なのか、一方的な話だけでは分かりません。

目の前の自分自身のことに追われてしまい、どんなに悲惨な事件でありながらも、そのような事件も自然と風化してしまうことを恐ろしく感じます。過去を定期的に振り返ることの大切さを教えてくれました。

この事件があった体育館は、雨などによる老朽化を防ぐためか、その外側を覆う建屋が建てられ、当時のままで保存されています。その隣には亡くなった方々を弔うかのように教会が建築されていますが、そもそも、「なぜ神様がいるのであればあんなにも可愛らしい子供たちが幼い命を失わなければならなかったのか・・・」と考える人が多くいるのではないでしょうか。訪れる価値のある貴重な場所です。

大祖国戦争(第二次世界大戦)モニュメント”Перемиловская высота” / Peremilovskya Vysota

この週末、家族連れやカップルが訪れて高台から眺める美しい光景を楽しんでいました。

モスクワに住んでいると、2回の大きなモスクワ攻防戦について思い返す場面に遭遇します。Отечественная война 1812 года (ナポレオンとの祖国戦争)、Великая Отчественная война (ナチスドイツとの第二次世界大戦 ―大祖国戦争)。

主にナチスドイツとの大祖国戦争に関するモニュメントを目にする機会が多いのですが、モスクワ郊外(Подмосковье)にも有名なモニュメントが存在します。

“Перемиловская высота” / Peremilovskya Vysota

モスクワ市内の鉄道駅から北に電車で1時間。Яхрома(Yakhroma)駅で降りると、通りに出るためにプラットフォームから上った階段の上から遠くにモニュメントが見えました。”Перемиловская высота”の意味はPeremilovoという村の”Vysota”(直訳で「高さ」の意味)、高台という意味と解釈しました。

モスクワの良いところは、電車に自転車を積んで郊外に出かけてゆき、新鮮な空気、人気の少ない静かな空間の中でのサイクリングを楽しめることです。自転車で10分も走ることなく、モニュメントの下に到着しました。高台にあるモニュメントまでジグザグの道を上ってゆきます。

モスクワ中心の赤の広場からわずか北に約80km。自転車でもわずか6時間もあれば到着してしまうほどの距離。

このポイントは、モスクワ攻略を目指すナチスドイツが1941年冬に最もモスクワに近づいた場所だそうです。1941年12月5日、ソヴィエト軍は10日間の攻防の末、ナチスドイツの攻撃を撃退することに成功し、ここからナチスドイツ撃退の第一歩が始まった重要なメモリアルのポイントとなっています。町には決して横幅の大きくないモスクワ運河が流れています。この東西にソヴィエト軍とナチスドイツが陣取り攻防していたようで、今では非常にゆったりと静かに流れる運河。この町を巡って1941年に同じ場所で、この運河の場所でそのような血みどろの戦いがあったとはとても想像が難しいものがあります。訪れた時にはそれほど本当に平和な空間が広がっていました。モニュメントにたどり着く道の途中にあった詩:

駅から眺めるモスクワ運河

Запомните:
От этого порога
В лавине дыма, крови и невзгод,
Здесь в сорок первом началась дорога
В победоносный
Сорок пятый год.

電車でわずか1時間のところでこのような歴史があった、という事実。これほどの近距離(赤の広場から約80kmです)までナチスドイツがたどり着いた、という事実を知ったモスクワ市民の動揺。当時の市民の思いを想像すると非常に複雑なものがあります。本土への上陸が無く、空爆がメインであった日本での戦争とは違う、日本人の自分には分かりたくても分からないものがある…そんなロシアの大祖国大戦です。

帰る時には、路肩にある家からバーベキューの匂いが。みんな良い天気のもと、庭でお肉を焼いて家族、親族で楽しく週末の夜の時間を過ごす。日本での週末というと、平日の仕事に疲れ果てて土曜日は潰れる…日曜日は街中に出かけてショッピング、レストランで食事して帰ってゆく、そしてもう明日は月曜日、仕事だ…というのがイメージにあります。が、ロシアでは金曜日の夜から「さあ、ダーチャへ」。土曜日の朝から郊外の新鮮な空気の中で目覚め、日曜日までのんびりと過ごす。こんな時間の過ごし方がとても人間らしい素敵なあり方だな、とロシアに来て思うようになりました。(訪問日 2019年8月31日土曜日)

到着してから数時間ここで過ごし、帰る間際の美しい夕日の景色。多分、この自然の美しさは1941年から変わっていないのでしょう。

参考情報

https://mosregtoday.ru/rayony-kvartaly/bitva-v-kamne-znamenitye-podmoskovnye-pamyatniki-velikoy-otechestvennoy-voyny/

https://tourism.restexpert.com/russia/place/peremilovskaya-vysota/