厳しい教師が優れた成果を上げるのはなぜか ― ジェリー・カプチンスキー氏の教育方法から学べること/ Why Tough Teachers Get Good Results – learning from Mr. Jerry Kupchynsky’s teaching methods

日記を書き留めていた昔のノートを取り出して中身を整理をしていたところ、ちょうど10年前のWall Street Journalによる記事の切り抜きが出てきました。自分自身の父親と重なる部分もあってずっと印象に残っていた記事でしたので、ぜひここに記述してみようと思いました。

Why Tough Teachers Get Good Results

引用: Wall Street Journal, By Joanne Lipman Sept. 27, 2013

記事のタイトルは「厳しい教師が優れた成果を上げるのはなぜか」

昔、生徒が失敗すると「ばかもの」と言う先生に教わったことがある。私たちのオーケストラの指揮者で、名前はジェリー・カプチンスキー。ウクライナからの移民で気性が荒い人だった。誰かが音を外すと、オーケストラを止めては怒鳴っていた。「第1バイオリンで耳が聞こえないのは誰だ!」私たちに指に血がにじむこと練習させた。手や腕の位置を修正する時には鉛筆で突っついた。今なら首になっているだろう。だが、先生が数年前に亡くなると40年間に教えた生徒や同僚が全国から古い楽器を携えてニュージャージー州にやってきた。追悼コンサートにはニューヨーク・フィルハーモニックに劣らないほどの人数が参加した。ミスター・Kと呼ばれていたぶっきらぼうの先生にみんながこれほどの感謝の気持ちを抱いていたことに驚いたが、昔の生徒が成功していたことは衝撃的だった。音楽家になった生徒もいたが、ほとんどが法律や学問医学など音楽以外の分野で活躍していた。

このミスター・K氏の教育手法をまとめてみると以下の8つになるようです。

  1. 多少の痛みなら子供のためになる(A little pain is good for you)― 技能の獲得には「建設的でつらい意見」を言う教師が必要である。
  2. 基礎訓練が大事(Drill, baby, drill.)
  3. 失敗しても構わない(Failure is an option.)― 学習に失敗は必要だと分かっている子供のほうが成績がいい。
  4. 優しいより厳しい方がいい(Strict is better than nice)
  5. 想像力は習得できる(Creativity can be learned)― 伝統的な教育は創造性を損なうと批判されている。しかし、テンプル大学のロバート・W・ワイスバーグ心理学教授の研究によると、それは逆だという。トーマス・エジソンやフランク・ロイド・ライト、ピカソなど創造性豊かな天才を研究した結果、教授は生まれながらの天才は存在しないという結論に達した。天才の多くは猛烈に努力して、(外の世界)には突然のひらめきや大発見のように見えるものを徐々に達成する。
  6. 根性は才能に勝る(Grit trumps talent)ー ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース心理学教授(によれば)、根性で将来の成功を予測できることが分かった。この場合の根性とは、長期的な目標に向かう情熱や粘り強さである。
  7. 褒めると人は弱くなる(Praise makes you weak…)
  8. ストレスは人を強くする(…while stress makes you strong.)

一時期、”GRIT(Guts: ガッツ, Resilience: 粘り強さ, Initiative: 自発, Tenacity: 執念)”という言葉をよく聞くようになった ー そして今ではそれほど聞かなくなったような…? ― この言葉が定義されるよりもずっと昔から、ヒトは成長するためにはこの4つの要素を必要不可欠なこととして行っていた。そして後世の人が題してその要素をGRITと名付けた、ということでしょうか。

私自身の育った環境に照らし合わせてみると、このカプチンスキー氏の教育と自分の父親のそれとが似たものを持っていることもあってかこの教育方法に実感を持てました。中小企業のエンジニアで音楽とは全く関係のない仕事でありながらも趣味でヴァイオリン演奏を楽しんでいる姿。まったく音楽に興味もなく外で遊ぶことしか考えていなかったこの私にも毎日ヴァイオリンを必ず練習しないと怒る姿。どんなに嫌でも5分でもやれ!と。そんな当時の厳格な教育方法を見ていると、このカプチンスキー氏と似たものを感じました。果たしてカプチンスキー氏の生徒の皆さんのように数十年後に活躍できているかは別としていただき…、絶対に必要不可欠だと思うのは、基礎訓練の大事さ。才能は関係なく頑張り続ける根性。そして、新しいことに挑戦する限り失敗しても許されること。毎日小さなことの継続でしか大きな成長につながらない。そのためには基礎の積み重ねと粘り強い根性さが不可欠。そして、失敗はどうしても避けられない。失敗しても大丈夫。自分で自分を笑ってしまえば大丈夫。

それ以外の要素ついて言えば、この教育方法がすべての人にとって成功するために絶対的なものであるか、私には分かりません。厳しく接すると、それをバネにして伸びる人もいれば心が折れてしまう人もいる。頑張って頑張って才能を持つ人に勝ることもあれば、どんなに頑張ってどんなに根性があったとしても常に先を進み続ける才能を持つ人に勝ち目がないこともあります。褒めて伸びる人もいれば褒めてわがままになる人もいる。ストレスも時によって人のやる気を奪ってしまう強い負の働きを持つ力です。適度なストレスは、自分が人間社会に生きていることを実感させてくれますが、過度なストレスは人の心を立ち上がれないほどに押しつぶしてしまうことも。

何十年も経ってからミスター・Kの元生徒の一人が言った。「先生は自律を教えてくれた」。この生徒は元バイオリン奏者で、アイビーリーグの大学を卒業し、医者になった。「自発性だ」と言ったのはテクノロジー企業の役員となった元チェロ奏者だ。プロのチェリストとなった生徒は「立ち直る力」だと言った・「私たちに失敗する方法を、そして自分で再び立ち直る方法を教えてくれた。」

少なくとも、これまでの限られた私の経験から言えるのは、何かを学習するときには心の中に湧き立つ感情やドキッとするようなアクセント、そういったものを体験するときに記憶に残ることが多い。言い換えると、その感覚を経験する時が学習する機会となるのではないかな、と。カプチンスキー氏の教育方法はその感覚を経験することができるという意味で必要な要素を兼ね備えている方法なんだろうと思います。若い頃には声を荒げてしっかりと怒ってくれる上司がいて、その経験があってこそ今に生きているものがあります。自分の父親、ヴァイオリン、家や会社で経験を重ねてきたことがカプチンスキー氏の教育方法との重なり…その幾つもの類似点もあってより一層共感を得た記事であったのかもしれません。

人はそれぞれに自分が好きで取り組んできたものがあると思います。例えば、ある漫画を大好きでその内容であれば全て把握していたり。ゲームが大好きでひたすら打ち込んでみたり。サッカーや野球 ― 在宅勤務をしていると、近くの学校で大きな声を出して野球の練習に一生懸命に打ち込んでいる学生たちの声が聞こえてきます。情熱を注げるものがあることは大変素晴らしい ― 、あるいは勉強の一つの分野にとことん取り組んでみたり。それらがどんな媒体であっても、そこから得られた自分にしか分からない感情の湧き立ちを大切にして、その経験を他の分野においても適用してゆくこと。そうすれば他者とは比べることのない、自分なりの成功や満足感につながるのではないでしょうか。

サーシャ・スカチレンコ氏の”あまりにも奇妙で滑稽な”事件を見て思うこと / Thoughts on the “so bizarre and ludicrous” case of Sasha Skochilenko

つい最近日本のニュースでも取り上げられていましたが、ロシアの芸術家サーシャ・スカチレンコ氏がスーパーマーケットの値札を反戦メッセージに取り替えて、”フェイクニュース”を広めた罪で禁固7年の刑を宣告されました。逮捕された2022年4月11日以降の彼女の身に起こったことをまとめたドキュメンタリーがあります。(制作:https://www.currenttime.tv/)

私自身は、日本でもロシアでも実際の裁判所で公判を体験したことがないので、実際の雰囲気を自分の言葉で語ることができません。このような若い女性が戦争反対に声をあげたことで緊迫した状況が伝わってくる動画はきっと我々の知らないロシアの一部を見て取れる貴重なものだと思います。

楽しく過ごすレストランでの美味しい料理を堪能したり、高級なホテルのバーでお酒を楽しみながらの談笑、そんな駐在生活で楽しむ日々を過ごすその隣り合わせで繰り広げられているこんなドラマが。毎日のあっという間に過ぎ行く、忙しくも楽しくもあったロシアでの駐在生活も、実はプーチン大統領の手のひらの上で遊ばれているのでは…そんなことを冗談半分に思ったこともありますが中らずと雖も遠からずなのかもしれません。

2023年4月13日付で掲載されていた彼女のインタビュー記事を読んでいると、人生にとって何が本当に大切なことなのかを、不自由の無い自由を享受しているであろう私たちの多くにとって考えさせられる内容が述べられていました。

«Есть ощущение, что развязка будет неожиданной». Художница Саша Скочиленко дала «Вот Так» интервью из СИЗО, в котором сидит уже год

私は人生の中で正しい道を選択していたことも分かりました。それは、親しい関係づくりに多くのことに力を注いできたことです。自分の人生を創作活動に捧げ、多くの場合それを無償で行い、生活するのも大変で何とかやり繰りしてきたけれど、そのすべては人々からかつてないほどの助けと愛の形で自分に返ってきた。

(拘留される前までの)外での生活では、私は過去数年間…自分に何が起こっているのかを考える時間がまったくありませんでした。ここでは自分の人生を考え直すための時間がたくさんありました。たとえば、有名なミュージシャンやアーティストになることをいつも夢見ていたけれど、いざ有名になってみると、これは人生の中で全く重要なことではなかったことが分かりました。それは大概わずかな成果でしかない終わりの無い道で、どこにも通じていません。 世界のすべての名誉は、自由、愛、親しい友情に取って代わることはできません。

…希望のない真っ暗な憂うつの中に生きている人々の中には、人生の価値を — 自分のものも他人のものも — もはや何も感じず、もはや理解していない人もいる。何のために横の繋がりを築かなければならないのか理解できないし、どうすれば横の繋がりを築くこともできない。これが多くの問題の根源であるように私には思える。

インタビュー記事より翻訳

法廷での彼女の最終意見陳述の全文が以下のサイトに掲載されています。

https://zona.media/article/2023/11/16/o-da-zhizn

https://en.zona.media/article/2023/11/16/yes-life

最近、書棚にあった「収容所群島」(著:ソルジェニーツィン)の2巻まで読み返したところですが、時代は変われど今のロシアで行われている裁判は — スカチレンコ氏が”такое странное и смешное(あまりにも奇妙で滑稽な)”と表現した — この作品に描かれているソ連時代のそれと大きく変わっていないのではないでしょうか。少なくとも昔と違うのは、この彼女の最終意見陳述にあるように、”彼女が逮捕されていなかったら、彼女したことは(彼女を通報した)一人のおばあさん、レジ係とスーパーマーケットの警備員のみが知るところであったところが、(メディアを通して)ロシア国内と全世界が知ることになった”、ということかもしれません。もし興味ある方がいらっしゃれば、是非ともこの「収容所群島」を手に取ってみることをお勧めしたいです。

Appsheetで作る、毎日のやることチェックリスト/ Daily to-do checklist created with Appsheet

Appsheetを利用して自分で、自分が必要としているアプリをノーコードで作成できる。とっても素晴らしいな、と思います。ノーコードで作成できる、といってもそれなりに設定が求められますが…。苦戦しつつも以下の要件定義をAppsheetを使って作成してみました。

【要件定義】

  • 毎日必ずこなすべき日課を一覧にする。完了、未完了のステータスを簡単に管理できること。
  • 毎朝起床すると、今日のやるべき事のタスク一覧が表示され、”Not yet”(まだ着手していない)の状態となっていること。
  • タスクを完了すると、アイコンをクリックして”Done”にステータスを変更し、そのタスクは自動的にソートされる。同時にログとして記録される。
  • 毎日所定の時刻になると、”Done”のステータスは自動的に”Not yet”に戻る。
  • 日付も毎日更新する。(この機能はSpreadsheetに関数”=today()”を入れているため、Appsheetの機能を利用せずに毎日正しい日付を自動で取得する)。
  • どのタスクに何分費やしたか、どんな内容のことを行ったを記録できるメモ欄もあるので、必要な時にはEdit画面から補足情報を記録する。

以上の繰り返し。

参考にさせていただいた記事は下記の通りです。これらの記事が無ければ今回のアプリは実現できませんでした。大変貴重な情報に感謝いたします。今後も自分でこうしたい、と思えるものを実現できるように今後も改良してゆきます。

Google Apps Script で毎日決まった時間にスクリプトを実行するトリガー設定 (tonari-it.com)

Google Apps Scriptで呼び出したトリガーを削除する方法 (tonari-it.com)

AppSheet で簡単に作る!自分だけのタスク管理アプリ | ヨシヅミ-吉積情報株式会社|Google 認定プレミアパートナー (yoshidumi.co.jp)

作成の手順

まずはGoogle Spreadsheetで必要な項目、内容を記載します。Date列には関数の”=today()”を入力します。

GoogleのSpreadsheetを利用してこのように。

シート1”Task”の一覧。

続いて記録を残すための別のシート、”Log”も作成します。

つづいてAppsheet → ”Create an app”と進みます。さらに進んでゆくと、下記の画面になるので、ここからいよいよカスタマイズの開始です。

まずはDataページの作成からスタートします。Appsheetのタイトルを”Daily task checklist”に変更し、Logシートも追加します。(虫眼鏡アイコンの右隣りになる”+”をクリック)

Table: Tasksは以下の設定に。

続いてTable:Logは以下の設定に。

次に”Actions”へ移ります。

設定の内容は下記の通り。まずは一つ目。完了したタスクを”Done”に移動するためのアクションを作成してゆきます。

もう一つ作ります。”Save log”。完了したタスクをLogページに保存するものです。

つづいて”Automation”へ。

こんな感じです。Log column [Status] is changedの内容は以下の通り。

Setting画面にてセットしてゆくと、Conditionの中身は自動的に入力されます。詳細を見ると以下のようになっています。

Save Logの内容は以下の通り。

保存すると、Save Log 2が発生し、以下の画面のようにエラーが生じていました。赤マルがある限り後続処理が進みません。プロセスに問題があるのか、エラーの原因は残念ながら理解できていません。強制的にSave Log 2を削除します。(削除の後、動作確認テストをする限り問題はないようです)

DeleteしてSaveします。続いて”View”を整えてゆきます。

まずは”Tasks”から。

続いて”Log”へ。

さて、ここで動作を確認してみます。以下の状態が初期状態です。

英語とロシア語を完了したのでチェックマークを押しました。すると、自動的に両者が”Done”に移動しました。

このアプリでデータベースとして利用するSpreadsheetに戻ってみると、当初はすべてのStatusが”Not yet”でしたが、データベース(Spreadsheet)を覗いてみると、きちんと”Done”に更新されています。

以下の通りLog sheetにもログが正しく残っています。(ここでは詳細の説明を省いていますが、どれだけ時間を費やしたか、備忘録を残しておきたい時にはステータスを”Done”にする前に編集画面から記録を残してSaveすることもできます)

そして、明日も再び同じタスクを繰り返すことになりますが、ここで設定したいのは今日から明日の日付に変わった後に以下の二つが保証されることです。

  1. Statusが”Not yet”に戻ること、
  2. Time spentとMemoに記録した今日の内容がクリアされていることです。

それを実現するために、GASを利用しています。Apps Scriptを開き、Edit画面へ。

以下のコードを書きます。1:00にこのコードが走るように設定しています。

最後の二行にある数値では、

#上から2行目、左から3列目のセルを起点に6個下のセルまでを指定し、Valueを”Not yet”にします。

#上から2行目、左から5列目のセルを起点に6個下のセルまで、かつ隣のF列も含めるため列数を2としています。この範囲のセルをすべて空欄にするものです。例えば、今日のタスク実行で、タスクに要した時間やメモ書きを行った場合には、このコードがクリアしてくれます。そして明日は再び空欄の状態からタスクを開始できます。

この内容をSaveして実行すると…以下の警告メッセージが表示されます。このままAdvancedをクリックすると警告メッセージが表示されました。

”Advanced”をクリックし…”

さらにGo to Recet Status to Not yet(unsafe)”をクリックすると…

無事にコードが走りました。Triggerの場面にゆくと、以下のように新しいTriggerが作成されていることが分かります。

右側に見える鉛筆マークをクリックすると下記の画面になります。GASに記述したコードを自動的に実行させるために必要となるトリガーです。ここでは、毎日24時~25時の間に関数targetFunctionが自動的に実行されるように、という指示を表しています。

さて、実際の結果がどうなっているかを翌日に確認してみました。無事にTriggerが予定通りに実行されたことが記録されています。

昨日にStatusを”Done”にしていたものも、朝にアプリを開くと以下のように”Not yet”のステータスに戻っています。

Logシートにもしっかりと記録が残されています。

まだ改良の途上ですが、どのタスクを継続して毎日実行できているか、何分ほどタスクに時間を費やすことができているかなどをグラフで可視化することもできそうです。いざ自分で作り出そうとすると、この機能も欲しい、あの機能も…ときりがありませんし、いざ設定しようとすると上手くゆかずに時間だけが経過してしまうことも。まずは小さく始めて実際に動かしてみる。それから徐々に機能を追加していったり。その積み重ねが次につながる大きな一歩となるはずです。

基本ロシア語文法 発音と文字(2)

参照している参考書:「基本ロシア語文法」著:佐藤純一氏、発行:東京・昇龍堂出版株式会社

(この記事ではロシア語単語のアクセントはシンプルにアクセントを置く部分のすぐ後ろに「’」を置いています。)

母音でアクセントが無い時の発音

母音に該当する下記の文字にアクセントがないとき、発音が変わるので要注意。

“о”の場合:

молоко’ (マラコー、意味:牛乳)普通、母音のоは「オ」となりますが、この単語のように複数のоが使われていると、アクセントがないоは、短い「ア」に近い響きに。他方、ウクライナ語では、まったく同じ綴りでロシア語と同じ意味を持っているこの単語の発音は、モロコー、とすべてのоは「オ」の発音になるからこれまた面白い。

次に”я”。

例えば、язы’к(意味:言葉、舌)やяпо’нский(意味:日本の)。ちょっぴりロシア語に触れた方に言われることがあります、「英語のRを反対にした文字があるよね」、と。昔初めてロシア語を見たときに、なんだかカッコよいな、と思った文字の一つでした。通常は「ヤー」と読む”я”ですが、この単語ではяにアクセントが無い。そんな時には短い「イ」の発音に。язы’к(イズィク), япо’нский(インスキィ)こんな響き。

終わりに“е”

なんとなくですが、本来の音である「エ」が消えて、「イ」になる感じ。Какая беда!(カヤ ビダー!、意味:なんてこった!)

子音の同化

б, д, к, в, з, жは、単語の語末にあるときと、無声子音のすぐ前にある時には音が無くなる、という現象。

пе’рвый эта’ж(エターシュ、意味:1階) 、За’пад(ザーパトゥ、意味:西)ザーパ”ドゥ”ではなくてザーパ”トゥ”。

из ко’мнаты(イス コームナティ、意味:部屋の中から) これは意識していなかった。改めて考えてみると、深く考えずに発音してしまっていたなぁと。逆に音の有声化になることもある。т, к, с、この3つは有声子音の直前にあるときには有声子音として発音する。例えば、

я поеду’ к бра’ту в воскресе’нье.(ヤー パエドゥ グ ブラートゥ ヴ ヴァスクレセーニィエ、意味:私は日曜日に兄弟のところへ行きます)こんな時には「ク」 ブラートゥではなくて「グ」になってしまう。

要するに、無声子音の前にくれば、無声化。有声子音の前にくれば有声化の影響を受けるということだろう、と。もしかすると、理論よりも聞いて発音していればきっと口が勝手に覚えてくれるに違いない。無理な論理でそうなっているのではなく、人間が発音しやすいような形に発音がなされ、それを規則として言語化しただけなのだろうから。どうしても感覚に頼ってしまう私の個人的な見解ですが、規則を覚えることも大切な一方で、音の響きをたくさん聞き実際に発声することは同じくらい、いやそれ以上に大切なんだと思います。好きな音楽をたくさん聴いて自然と覚えてゆくのと同じように、その言語が奏でる音楽を耳から取り入れて体で覚えてゆく、そんなプロセスが上達に役立つのだろうな、と感じています。

最後に、例外的な綴りとその発音について

特殊なのは例外なのだから特殊であって、というからにはあまり数も多くないはず。と思えば、その時その時、その単語に出会ったときに覚える、ということでよろしいのだろう、きっと。сегодня(セヴォードゥニャ意味:今日 英語の”g”に相当する”г”が「ヴォ」と発音する例外)、Как научи’ться бы’стро счи’тать в уме’?(下線部分のсчは、「スチ」ではなくて「シ」という響きに。意味:頭の中で素早く計算できるようになるにはどうすればよい?)коне’чно!(カネェシナ!意味:もちろん!) сче’т, пожа’луйста(シショートゥ パジャールスタ、意味:お勘定お願いします)といった言葉は頻繁に使うので、覚えていて損はない、嫌でも覚えてしまうので大丈夫そうです。

外国語を学習するにあたり、自分の好きなテーマについて学習している国の言葉で聞くことはきっと役に立つのかな、と思います。例えば、インテリアが好きな人はインテリアを説明するロシア語のYoutube番組。プログラミングを勉強している人はロシア語で説明されているプログラミングのYoutubeを、といった風に。細かい部分は分からないとしても、画像を見ているとなんとなく繰り返される言葉やフレーズのイメージが頭に入ってきますし、海外ではどんな嗜好なのかを知る機会ともなります。そして、大抵の場合、自分の好きなテーマはそれなりに知識を持ち合わせているので、あっ、これはもしかしてこのことを言っているのかな?と推測することも容易かもしれません。また、素敵な響きを持つフレーズを覚えることで、その文章の中に存在するロシア語文法の規則も併せて学んでしまうとか。

例えばこんなフレーズ。なんだか情景も思い浮かんできます。

Большое окно выходило на горы, в него лился тёплый солнечный свет. (大きな窓からは山々が一望できて、窓には暖かい日差しが降り注いでいました。)Диана Уинн Джонс, Дом с характером, 2008

時間が限られている中、いかにして自分の学習していること同士を繋げて効果的に勉強することができるか…とても重要な関心事です。

その他、役に立った有益な情報について
  • ロシア語にアクセント記号を表示する方法について役立つ情報が記載されていました。

https://expressrussian.com/russian-letters-with-accents/

  • アクセントを置く部分に「’」マークを挿入する。それが一番シンプルなのかもしれません。今回の記事でも採用した方法です。

https://russiangram.com/

基本ロシア語文法 発音と文字(1)/ Basic Russian Grammer - Letter and Pronunciation (1)

(参考書:「基本ロシア語文法」著:佐藤純一氏、発行:東京・昇龍堂出版株式会社)

今回はロシア語のアルファベットから。基礎に戻ってロシア文字と発音を見てゆくことにします。新しい言語を学習する時には文字を一つ一つ見てゆくことは、とっても大切と思います。しかし、その言語にたくさん触れることで得られるものが多いのも事実。分からないものがあっても(初めは分からないことだらけですが…)、また、この「分からない!」という何とももどかしい、気持ちの悪い状態を早くすっきりしたい、整理してから次に進みたい、という思い。きっと誰もが持つと思います。そうはいっても、多分今は分からないので ― でも続けていればきっと必ず分かる日がくる ― この分からないものを認めたうえで前に進むことの大切さを意識したいです。きっとここで前に進めるかが、上達を左右する要素の一つではないかな、と感じています。

ロシア語のアイウエオ

日本語にも母音と呼ばれるアイウエオがあるように、ロシア語にも同じようなものがある。私には専門的な用語がわからないので、とにもかくにもきっと大切だろうと思うのは、日本語のアイウエオに該当する母音のようなものがロシア語には10個存在する、ということだ。

а(ア), э(エ), о(オ), у(ウ), и(イ), ы(ウとイを同時に言う感じ)それに加えて、日本語のヤユヨのようなものに該当するものが4つ。я(ヤ), е(イェ), ё(イョ。キーボードでロシア語設定済みであれば、この文字は日本語キーボードの左上にある「半角/全角」ボタンを押すと表示できる。これが分からず、しばらく発見するのに苦労した), そしてю(ユー)。

子音に該当するものが21個存在する。詳しくは、ネット上で「ロシア語 子音」と検索すると、すでに多くの方々が大変丁寧に説明してくださっているサイトに出会うことができます。ここでは省略して次へ。

軟子音

子音に該当する文字がя, и, ю, е, ё(以上、軟母音字と呼ぶ)の前にあるときは、日本語のピャ、ピュ、ピョのようになること。例えば、日本語でも言います、ピューレ。ロシア語ではпюре(ピュー。ロシア語ではアクセントの位置が日本とは異なり、レの部分に)。上に列挙されている文字が連続して利用されている単語であれば、тётя(チョーチャ。叔母の意味)。例が少なすぎるのできっと100%伝わっていないとわかっていても、そんな感じです。例外もあるので注意が必要だけど、多分例外を覚えるよりも基本的なことを押さえておけば大丈夫。時には完璧を目指さずにどんどん進むことのほうが、語学の上達には大切なことなのかもしれない。というか、やっぱり自分自身の性格が出るのかもしれない。とにかく言葉に触れて間違って、あれ?基本とちがうぞ?と思ったらそれが例外。そんな感じ。

硬音記号と軟音記号

特定の音声を表すのでなく、ただ発音上の記号として用いる字母が2つある。大学生1年生で初めてこの文字を知った時には、思わず、「そのままじゃん!」と思ったような記憶があります。他の文字にはきちんとした読み方があるのに、この二つは以下の通り、”硬音記号”、”軟音記号”というお堅い専門用語がそのままロシア語になっているだけだったから(正確に言えば、ロシア語のお堅い専門用語を日本語に翻訳しただけ)。でも、よく考えてみると、この二つは単語の中に目的を持って利用される特別な”記号(ズナーク)”であることに納得。

“ъ” トゥヴョールディ ズナーク(意味:硬音記号)日本語のキーボードの「「」があるところ)、子音字と軟母音字の間にあって、その両者を分離して発音することを表す。トゥヴョールディ=硬い、ズナーク=記号。という意味で響きも硬いような。この記号を見つけたらお宝を発見した気分で。文字のフォルムがまたお洒落です。

例:подъезд(建物の玄関口。オフィスビルでも、アパートでも幾つか存在する玄関口のどこに行けばよいのか、そんな会話をする時によく耳にする単語と思います)。この記号が無かったとすれば、”де”(私なりの勝手なイメージでは、ロシア語のдは、英語のzを発音するとき(舌が上あごにつかない、ジーという音)のそれを、あえて上あごに舌をつけてヂェ、と発音する感じ)となってしまうところ、подとездが明確に分かれて発音することを表しています。

“ь” ミャーフキー ズナーク(意味:軟音記号)子音の文字の後にこの記号が来ると、その子音が軟子音であることを表している。と言っても細かいことは分からないので、とにかく音が柔らかくなる、と覚えました。ミャーフキー 、響きからして何とも柔らかそううではないですか。いやでも至るところに出てくるのを目にしますので、いつの間にか慣れてしまいます。例えばсемья (セェミヤー)。このようにこの記号が軟母音字であるяの前に来るときには、その前後の軟子音と軟母音とが分離して発音することを意味している、ということのようです。もしь がなくてсемяとなれば、セミャー、という日本語で言えば、”家族”と言いたいところを”エイヤー!”と威勢のいい掛け声に。分かりにくい例を無理に持ってきましたが、この記号を無視して発音すると本来とは全く異なる意味になってしまう、ということをここでは強調したかったのでした。

アクセント

アクセントはロシア語でударение(ウダレーニエ)と言います。アクセントは非常に重要です。これがずれてしまうと全く違う意味になってしまうこともあるので…。日本語でアクセントを意識する…ということは無いと思うのですが、日本語でも文章の音の高低差を間違えることで話が「ん?」となることってありますね。それに近いものがあるのかもしれません。

(ご参考)NHK放送文化研究所 アクセントとイントネーション

参照しているこの教科書には、「アクセントのある音節の母音は、強く、長めに、はっきりしした音色で発音する。反対に、アクセントのない音節の母音は、弱く、短く、あいまいな音色で。」とあります。とにかくたくさん聴いて、たくさん発生していれば、いつか感覚でできるようになるので大丈夫。教科書を読んで、どんな感じかを文字の説明でイメージしたあとは、ひたすらロシア語をたくさん聴いて、そのロシア語という”音楽”のリズムを体で覚えるほうがずっと大切。アクセントの場所を間違えると全く違う意味になったり、全く相手に伝わらないことがあるから面白いです。自分の名前もロシア語で発音すると全く違う響きになり、自分の名前に母音が幾つあるのか、なんてことはロシア語を学習するまでは意識したことありませんでした。音程の変化がそれほど感じられない日本語と違い、ロシア語はもっと音楽的なのかもしれません(と個人的には考えています)。

例えば、замок(ザーマク=城) замок(ザモーク=鍵)。以前にも書いたかもしれませんが、 карусель(カルセーリ=メリーゴーランド)。モスクワで仕事をしていた頃、ロシア人のドライバーと会話していて”カルーセリ”、とウダレーニエを間違った部分に置いて話したところ、相手のロシア人はきょとんとした顔で会話がストップしてしまいました。「あー、カルセーリ!」と少し経ってから納得の顔。ウダレーニエの大切さを実感した瞬間でした。

そんなわけで今日はここまで。書き始めてみると、調べることも多く出てきて思ったように進まない。一つ一つのテーマを突き詰めて考えるとやっぱり言葉って深いんだなぁと感じます。自動翻訳があるからもう外国語を勉強する必要はない。そんなことは今もこれからも、そして将来もきっと無いと思っています。会話をする相手が人間である限り、言語を理解することはその人の心との交流でもあり、決して機械には置き換えることができないはずです。少なくとも、自動翻訳の発達により、どんな国の人とも会話をすることは負担なく実現できるのだと思います。そんな時代には、言語を学習する、ということは崇高なエンターテインメントになっているかも?

自分の専攻(ロシア語)*勉強(熱意と時間)=強力な個性 / Russian * Studying (passion and time) = Strong individuality

とある知り合いから、Youtuberのヨビノリで宇宙の成り立ちや量子力学の勉強をするとよい、という勧めをいただき、最近じっくりと見ることが増えてきました。そんな中、このチャンネルで、関西学院大学の新入生を対象に行われた講演でとても印象的だったのが、「個性を身につけたければ勉強をすれば良い」という話でした。自分の強みとなるしっかりと大きな円を作ることの大切さ、それは自分が所属する学部・学科の勉強をすることだ、ということ。その根拠は、大学生のほとんどは勉強しない!!つまり、勉強(を一生懸命に行うと、それ)は意外と強みになる。専門分野の知識があること、それ自体が個性になる。ということでした。

振り返ってみて、自分自身が大学で勉強したロシア語。私の知るかぎり、1学年で約70人ほど一緒にロシア語を学習した人で、今でもロシア語と深く関わっている人って一体どれだけいるのだろう?卒業する時点で、当時の私を含めてロシア語と深い関係のある分野に進んだ人はおらず、いたとしても卒業生の片手で数えられるくらいではなかっただろうか、と思います。さらに時も進み、ロシア語を離れることにした人もいれば、後から思いも寄らず、私のようにロシア語に再び浸かる環境に戻ってくる人もいる…。人生は何があるかわからないから面白い。勉強もろくにせずに何とか卒業したものの、まさかロシア語にここまで関わるとは露程も思わず。ロシアやウクライナから届く画像やストーリーを聞き、それを周りの友人に伝えることで現地のことを近くに感じてもらえる。そんなちょっとしたことでも自分に出来る役割に喜びを味わっています。

モスクワで働いていた頃、現地を調査のために訪れていた大学時代からの旧友と再会したことがあります。非営利団体と定められた契約期間の中でロシアに関係するテーマの研究を続けているようでした。その先のことを考えると不安が有ることを認めてはいたけれど、自分の打ち込めるものがあるっていうのは、毎日が生き生きと生活するためにとても素晴らしいことだと思う。同じように、現地の日本人社会には、日本で勤務していた一般企業を退職して、非営利団体の期限付きのモスクワ駐在派遣の立場を選んで転職した男性もいました。親がこの先のことを心配している、と言っていた(もちろん本人も)。それでも、その選択が単なる現状からの逃避ではなくて、自分の意思で選択したものであればやっぱり素晴らしい。あの時は、ロシアを取り巻く情勢がこうも変わるとは誰もが想像すらできませんでした。モスクワシティにドローン攻撃があったと聞いた時、その近くに住むロシア人の友人に連絡すると、「大丈夫。何も変わりなく生活しているよ」とのこと。ニュースで映し出される情勢と、現実の世界に身を置く人が眺める景色はきっと違うのだろう。

私自身、社会人になってからというもののすっかりロシア語の勉強から離れていたけれど、モスクワでの駐在生活を通じてロシアとの距離がぐっと縮まり、今でもロシアやウクライナの友人とやり取りが続く中、こんなことを考えることが増えました。大学時代から勉強し、曲がりなりにもずっとロシア語と関わりのある生活を送り、むしろその関係が強くなってきた今、自分が専攻した分野を真剣に学ぶ良いチャンスなのでは?と。そして、やっぱり言語が好きなんだな、と。冒頭の知り合いの方との話をきっかけとして、書棚にずっと残していたロシア語文法の教科書を取り出して読んで見ることにしました。正直なところ、文法の勉強は一番嫌いかも。使える時間も限られていてどこまでできるか分からないけどまずはやってみる。ということで、少しずつ基礎から復習しているところです。有言実行なのか、ただの意気込みで終わるのか…今後の勉強の成果をこのブログでも書いてゆこうと思います。

なお、素直に感じていますが、NHKのラジオ講座をしっかりやるだけで語学は十分に成長できる。そう思います。他の国のことは知りませんが、日本にはこれほどに素晴らしい学習教材が無償で提供されている、そう思うとどれだけ恵まれている国なのだろうって思います。自動翻訳がどれほど発展しても、語学を学ぶことの面白さは永遠に残ると信じています。

最後に、私の好きな英語学習の動画リンクを載せました。この動画を見ていると、おばあちゃん先生が、この年齢になっても人に教えることを心から楽しんでいる様子が伝わってきます。こんな風に楽しく自分の好きなことを学び、尚且つ、その好きなことを誰かに教えるチャンスまであれば、どんなに幸せなことでしょう。

NATO phonetic alphabet – Russian version / NATOフォネティックコードのロシア語版を作成してみた。

■目指したこと:

  1. NATO phonetic alphabetなるものがある。そのロシア語版を作成すること。
  2. 希望すれば、音声自動読み上げ機能を利用して表示されたロシア語の発音を聞けること。

■構成要素:

main.py

voicing_rus.py

nato_phonetic_alphabet_rus.csv

■作成の流れ:

音声読み上げに必要となる”pyttsx3をInstallした(”pip install pyttsx3”)

自分の利用しているPCにダウンロードされている音声読み上げ機能を確認し、ロシア語の”name”を確認する。その結果、”Microsoft Irina Desktop – Russian”をnameとして指定すればよいことが分かった。

以下のWikipediaサイトからロシア語版のphonetic alphabetリストを作成し、csvファイルに保存した。

Russian spelling alphabet – Wikipedia

下記リンクのウェブサイトを参考にしながら、main.py, voicing_rus.pyファイルを作成した。

■苦労したこと:

voicing.pyで、関数内に”self”を呼び出す必要があったが、その入力がないために以下のエラーが発生したこと。必要な個所に”self”を入力することでエラーを解消できた。なお、他の任意のアルファベットを代用してもエラーを解消することができた。

それで、”self”を利用するのは一つの流儀であり、必ずしもselfでなくてもよい。でも、きっとselfとしておくのがマナーである、と理解した上で”self”を利用しています。

エラー画面:

“takes 0 positional arguments but 1 was given”

■作成するにあたり参考にしたサイト

Pythonの学習に利用しているUdemyのコース:

100 Days of Code: The Complete Python Pro Bootcamp for 2023 | Udemy

Day26: 244. Solution & Walkthrough for the NATO Alphabet Project

上記以外にYoutubeで参考にしたサイト:

■エラー解消のために参考にしたサイト

https://office54.net/python/error/python-typeerror-argument

python – TypeError : takes 0 positional arguments but 1 was given – Stack Overflow

他人はこちらに関心がない、という前提でいれば気が楽。/ It’s easy if you assume that other people aren’t interested in you.

人とのコミュニケーションを促進する上で、研修や専門家の方々が何度も繰り返している点だと思いますが、”大切なのは、話すことよりも相手の話を聞くこと”、これは真実だと思います。

自分自身が有名人で、ファンがいて、自分の話をお金を払ってでも聴きたいと希望している人がいて…自分自身がそんな人物でない限り、”周りの人はこちらの話すことに基本的に関心が無い”、という前提でいれば気が楽だと思います。特にロシアに駐在している時には、その点を散々認識することがありました。小さな規模の会社であっても、管理部門のトップをしているのだから、私の話を多少は聞き入れてくれても良いと思うのですが、やはり聞きたくない、と思う話は聞いてくれてはいても心には入っていってないんだろうなぁ、と思いつつ。

たくさん不満をぶちまけてきた女性スタッフの話を聞くだけ聞き、ー お互いに話している内容は本社も関わるためにロシアの会社だけで判断できないことを承知の上 ー 聞き終わった後には「とにかく、話を聞いてくれてありがとう。それだけでも感謝します」とのこと。私だって言いたいことはあったけれども、仮に喋ったとしても効果は全くなかっただろうな…と。

いつも思いますが、究極の自己中とは、それは「ひたすら相手の話を聞くこと」。なぜならば、人の話を聴くことでしか、自分の知らない世界を知ることができない。もちろん、ずっと同じ人から聞いていると、新しいインプットが無い限り得られるものも減ってくることがありますし、常に人の話を聞き続けることは疲れることもあります。バランスを取ることが大切です。

もし自分の話を相手にするならば、話し方やプレゼンの方法を学べるのかもしれませんが、結局、自分が持っている以上の話をすることはできません。その話していた時間は、自分のために情報を取り入れる時間を失っていることになる。相手に自分の話を聞いてもらえるのは嬉しいとしても、冷静に考えると自分が得られるものを失っている時間でもある。自分の成長のための時間を取りこぼしていることになる。そう考えると、人の話を聞くことは自分のためになる。つまり、これは自分に役立つことばかりを考えているので、自己中心的な考えの極みでは?、と。

結果として、それが人とのコミュニケーションを円滑にする方法であるなら、一石二鳥ではないでしょうか?自分の成長にも繋がり、かつ人間関係を良好にするために役立つ方法。

このようにして書いているブログもまた、実際に声に出してはいませんが、自分の思考を整理するのに役立ち、頭の中で反芻しながら文字に起こして、実質的に”喋っている”ことになります。読むも読まないも人の自由。相手の意思次第ですので、相手に負担をかけるものではない。時間を奪ってしまうこともありません。そして、自分の思いをアウトプットすることは、きっと気持ちを落ち着けることにも繋がっていると感じています。

街中のファミリーレストランはきっと現代に欠かせないセーフティネット。/ Family restaurants in the city looks indispensable safety net in the modern age

いつも同じ席で競馬の新聞を読んでいる人。店員に「久しぶりね~、元気にしてた?」と嬉しそうに語るおばあちゃん。そこは街の中にあるファミリーレストラン。お互いに生活で辛いことや苦しいことがあったとしても、こうしてコミュニケーションをとることで笑顔になれる。お互いに元気に生きていることを確かめ合える。重要な場所だと思います。きっと、朝早くからから働いているお店の女性たちだって、職場を離れれば、きっと大変な問題を抱えながらも笑顔を振る舞っているのではないでしょうか。

つい最近訪れたとき、すぐ隣の席では、「(ご近所でのことか)朝から元気におはよう、と挨拶してくれる人がいるけれど、私にはそんなことはできない…」ととつとつとした女性二人の会話が聞こえてくる。それぞれの近況を語り合っているのでしょうか、すぐ近くに私がいることも気にせず、どんどん話が進み声もいくばくか大きくなっている様子。店員の女性はとても元気で、かつバランスが取れていて決してうるさくない接客で素晴らしい。こちらも元気をいただけました。浮浪者?!とは言わないけれど、ボロボロの服、ボサボサの髪の男性がいたり。とにかく色んな人が同じ空間に同居していました。

何もかもが電子化、オンライン化することで、会話する機会がどんどん無くなっているからこそ、機会がある時には人と会話することの大切さを感じます。だからこそ、デジタル化が進む世の中において、「すみません、どうしてもあと1円が見つからないんです(汗)」なんて言いながら現金を渡す時、そこに会話が生まれる現金での精算は貴重な価値を生み出すのではなかろうか、と思えてくることも。(といっても、現金だから会話が生まれるということもないのかな…。QR決済の世界をリードするPaypayの導入費用もゼロ円のようですし、デジタル時代の良さを取り入れて決済方法の多様化を整備することはお店側の使命でしょうか。)

興味深い記事が日経の記事に掲載されていました。これからは、デジタル化に乗り遅れてしまった人々をサポートできる体制であったり、人と人との繋がりを感じることができる人間関係が重要になってくるということだろうと思っています。

「DX祭り」に取り残された人々に商機を見いだす

下記はこの記事で取り上げられていた企業のウェブサイト。

https://www.papa.com/

We all need a pal sometimes. That’s why Papa’s here.

Papa helps health plans and employers connect members and their families to real people for help with companionship, everyday tasks, transportation, and more. It’s vital human connection, right to the front door.

“papa”のウェブサイトにあるトップページのメッセージより

そういえば、最近、住んでいる建物内のロビーにいたところ、同じ建物に住む全く知らないご年配の女性から「あのね、ちょっと聞いていい~?」と声をかけられ。何かと思ったら、iphoneのロックの解除方法が分からないから教えてほしい、とのことでした。新しいiphoneを手にしていて、かかってきたLINEの電話にかけ直したいだが、画面がロックされているので電話もかけられず、今からタクシーで知人のところにでかけようと思っていたのだという。娘さんが来てくれた時にしっかりと携帯の設定を行い、メモを残していってくれだけど結局訳が分からなくなってしまったそうです。こういった問題は決して珍しいことではなく、これからもどこでも起こってゆく課題だと思われます。電話ケースの内ポケットを探っていると、娘さんが書き残していったというパスコードらしきものがあり、それを使って無事に解除。「きっとこれかもしれません。でも、個人情報なので他の人に知らせない方がよいのでは…。」と言ったものの「いいの、いいの。気にしないで進めて。」ということで操作して無事に解除。まったくの知らない人間を信頼していただいたことにも感謝ですが、最新技術から取り残されている人たちがいる(いや、むしろ日常で不必要な技術が多すぎる)。また、便利になったからこそ、違う不便を生み出している事実も目の当たりにすることになりました。

究極的には、人は食べ物があれば何とかゆくのであって、自然と食料調達ができるのであればお金は不要。「これ、うちの畑で取れたの。ぜひ食べてみて。」といって友人が差し入れてくれる野菜。人間って、もとはと言えば土のちりから作られた、ということであれば、どんなにIT技術が発展し、デジタルの世界に没入するとしてもそれを使っているユーザー(人間)は自然からできているモノ。結局自然に帰ってゆく。ウクライナの友人から連日届く動画やメッセージを見ていると、どれだけ友人同士がお互いの必要をケアして、その必要を助け合うことが大切なことか。それを身に染みて感じることができています。インフラが破壊されてしまったために厳しい冬となったウクライナ。その寒さを乗り切れるように、部屋で履けるフェルトでできた履物とそれに添えたちょっとしたメッセージカード。あるいはチョコレートやクッキー。そんなちょっとしたプレゼントがどれだけ人の身体を暖かくするだけでなくて、その人の心を温めてくれることか。生活の中で出会うちょっとした場面で一言でも二言でも、「ありがとう」「すごい」「よくやっているね」…そんな風に、相手を元気づけられるような言葉をかけられる人間でいれたら…と思います。

[IT機器] Jabra Evolve 40 Stereo

ワイヤレスの耳を塞がないイヤフォンが一番好きです。日本で名が知れ渡る前から愛用していた、と勝手に自負しているのですが、休暇でアメリカに出かけた時、現地の空港の売店で発見したAftershokz。これだ!と思い、即購入し愛用していました。帰国してからもテレワーク用として同じメーカーのマイク付きのものを文句なく購入しました。装着感は文句なし。

…しかし、Teamsを利用時にはMute状態にするとビープ音が止まらなかったり、無線接続の問題であったり、安定して会議に参加することを考えると、有線のヘッドフォンが気になり。色々と検索したところ、以下の動画を見てこのヘッドフォンが特におすすめされていました。検討のうえで購入してみました。

IT機器は自分で試してみるしかない。それに尽きると思います。どんなにインターネット上の情報を収集して知識を得ても、なかなか体感して得られる情報のレベルからは程遠いのが現実です。幾らまで支出を許すか、というのは悩ましい問題ですが、全ての製品を事前に試してから購入することが難しい中、購入してから判断することも選択肢の一つかもしれません。(私は購入時には必ず、これは本当に必要なもの?浪費?それとも投資?と考え、納得した後に購入を決定している…つもりですが、投資だからという聞こえの良い決定をして購入してしまうと、振り返った時にとんでもない出費の金額になっていることがあるので注意が必要です。)

Jabra Evolve 40 Stereoの良いところ

【音質】

音楽を聴くために購入しておらず、あくまで仕事の会議用に利用しています。その目的のためであれば、この音質は十分です。

【耳当たり】

パッドも柔らかいものを利用していて、耳にあたる感触も優しく、十分納得です。

【手元で操作できるマイクのオンとオフ】

本来ならば、この機能はこの製品を押す要素の一つであったのですが、— 現時点で何が問題か不明ですが、— Teamsを利用している時のマイクのミュートオン、オフが機能しなくなりました。そのため、ミュートにしていると思いきや声が聞こえているので注意が必要です。今は直接Teamsの画面上のマイクをクリックしてオン・オフの切り替えを行っています。本来であれば、手元で操作できるのは大変便利で重宝していました。この機能はこの製品を購入するうえで重要視したポイントでした。

【軽量でコンパクト】

言い換えると、扱い次第では壊れやすい、ということの裏返しでもあります。とはいっても、私のとっては自宅とオフィス間の持ち運びも全く苦にならない大きさ・重さであって満足しています。

Jabra Evolve 40 Stereoのいまいちなところ

【コードがよく絡まる】

でも、これって有線であるからこそ悪いと言ってしまったらこのヘッドフォンを使うな、という話になるのかもしれませんね。コードの太さがしっかりしているので何だか安心感があります。仕事を終えて、サッと荷物を片付けて帰ろうとするときに、少々このヘッドセットのケーブル巻き取りに時間がかかっている気がしています。

【ケースにいれるのが億劫】

コンパクトなんだけれど、それなりにしっかりと畳んで、マイク部分やケーブル部分が引っかからないように、慎重にケースに収める必要があります。そのため、乱暴に扱ってしまうと危険です。薄手で軽量のハードケースがあれば、そのほうがずっと扱いは楽かな、なんて思ったりもします。

【付け根部分のケーブルがとっても危なっかしく弱そう】

これは毎回ケースに入れる時に神経を使う箇所です。付け根部分も脱着可能式であれば良いのにな、というのが第一印象でした。壊れるとしたらここが一番注意を要する箇所かもしれません。

ヘッドセットをこれまでたくさん利用した経験がないため、他のものとの比較感がない、という点を認めなければなりません。今回の購入は、実物をみていないために上記動画を信じての購入でしたが、これは購入して十分に満足できる製品で、現時点では日々愛用している製品です。

良いものを買うと、基本的に無駄になるリスクは低いと考えています。もし実際に利用してみて、仮に外れであったとしても、それを家族だったり身近な人にプレゼントするのはどうでしょうか?新品ではないけれども、まだ新品に近い状態のものであればきっと喜んでくれるはず。「ありがとう」という言葉の価値を感じられる良い機会になるかもしれません。Youtubeなどの評論を見ると、一つの製品であっても高く評価する人もいれば低い評価の人もいます。そうであっても、良いものは良いもの、と思えば決して悪い買い物ではないのかな、なんて。残念ながら、高い評価を得ている製品であっても、購入して使い始めたその瞬間に、なんて無駄な出費をしてしまったのだろう、こんな製品を高く評価する人は何を考えているのだろう…と思う製品も中にはありました。それも経験と思って割り切っています。

こんな下記のレビュー動画も参考になりました。商品を購入する時、”自分がIT機器に求めている大切な点は何か?(最新機能、値段、軽さ、大きさなど)”、これまでの経験を通して、他人が何を言おうと自分にとって譲れないポイントをしっかりと意識して判断すること、これが失敗を防ぐにも役立つ要素なのかな、と思うところです。