”仕事はどうでもよい” / “What’s the reason to worry about your job so much?”

つい先日、赤の広場すぐ横にあるボリショイ劇場にでかけてオペラを観てきました。芸術にはさっぱり疎い私に、部下たちが「一度はボリショイ劇場に行ってくださいな」と、プレゼントしてくれたボリショイ劇場のチケット。とても有難く貴重な時間を満喫しました。私の席をステージから遠い後ろの席に座っていたおばあちゃんに譲ってあげると、何度も「ありがとう」とお礼を言われ、何だかとてもよいことをした気分になりました。素晴らしい劇場でおばあちゃんも私もそれぞれ幸せな気分に。

仕事について。

どこか俯瞰的に見て、誤解を恐れずにはっきりと言うと、「仕事はどうでもよい。」という観点を持っておくのは重要だなぁ、と。

仕事のためにウツとならず、最悪の場合自殺まで考えるようなことにならないためにも。部下にも上手に働いてもらい、逆にやる気になってくれて、仕事がむしろうまく回ることも期待できます(すべての場合にうまくゆく保証はないのですが)。また、”どうでもよい”と言っても、このバランスが非常に重要で、これはいい加減に仕事をしてもよい、というのとは決して違います。

いつも自分の仕事は完璧に、納得のゆくまできっちりと詰めたい。そんな気持ちがあります。資料作りも文章も納得のゆくまでこだわりたい。そのためにはいくらでも時間と労力をかける覚悟はある。この心意気が非常に重要だ、ということに間違いありません。一方で、何かしらの問題が降りかかってくる毎日の中で自分のペースで仕事はできない。どうしても自分の持ち時間と処理能力の限界にぶつかります。それでもあえて妥協せずに完璧さを目指すのであればできることは限られます。

プライベートを犠牲にして仕事にとことん時間を費やす。ひたすら自らの処理能力を高め、IT機器・ソフトウェアなどの処理スピードを高めてくれるアイテムへの投資をする。 ― 確実に遅かれ早かれ限界にぶつかります。なぜならば、ここに関わっている人間はわずか、私ひとり。そして、悪いことに、この自分の要求するレベルを周りのロシア人スタッフに強要し始めると、軋轢が生じます。ほとんど人はそんな完璧さをすべての仕事に求めていませんし、おそらく必要ないのだと思っています。

日本の芸術、工業製品の素晴らしさは細部にとことんこだわっていること。人の目にふれないところまでも。それは誇るべきことですが、仕事は芸術品とは異なり、外してはいけない仕事と、多少物足りない点があってもとにもかくにも進めるべきものがあります。その判断をするのがマネジメントの責任ですが、日常生活の多くでぶつかる問題の多くは、スピード重視。「あなたの完璧さなど求めていません。とにかく早く決断してください。進めてください、明確な指示を出してください。」と一つ一つの課題がまるで言っているかのようです。

どこかにもう一人の自分を常に持ち、自らを客観的に見ることの大切さ。そのもう一人に「どうでもええやないか。」と言わせることでバランスを保つ。どうでもいい、だからこそ楽をしたい(その分、自らはもっと大切で重要な仕事に時間を割く)。そのためにはロシア人の部下にとことんお願いする。「頼みますよ、お願い。あなたの助け無しにはどうにもならないんだよ」と、上手く甘えることができるほうがずっと完璧主義よりも良い結果につながっています。

仕事の結果だけではなく、ロシア人部下とのよい関係も築けるというおまけつき。

「仕事はどうでもよい。」 ― 誤解を恐れずに、改めてはっきりとこの言葉の持つ重要性を強調したいです。

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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