仕事中の音楽は良いこと、悪いこと? / Listening to music while Russian colleagues work – OK or Not OK?

モスクワ市民なら納得する安全志向の食品を提供するお店、Вкус Вилл(フクースヴィル)。2009年にモスクワで健康志向の食品を提供しようと始まったИзбенка(百姓の家を意味するからきている言葉)というお店がもとのようです。もともとは乳製品を主力に取り扱っていたようですが、モスクワで健康食品に対する需要が高まり、2012年にВкус Виллという新たな名前でスタート。市民のニーズとも合致して、とても成功している、成長しているお店と言ってよさそうです。おばちゃんのユニフォームには「質問があればどうぞ尋ねてくださいね」と書かれています。

日本で仕事をしていた数年前まで当たり前と考えていた「音楽を聴きながら仕事をしない。」

ロシアに来てからこの常識が完全に打ち砕かれました。「音楽を聴いて仕事をしないこと。集中力が下がるからやめたほうがよいよ。」

すると「いや、XXXさん、そんなことありません。作業をして音楽を聴きながら仕事をすると気持ちの切り替えができて効率が上がります」「他の雑音をシャットダウンするために必要なんです」

「どんな音楽を聴いてるんだい?」「チャイコフスキーです」「(ほんとかよ…)そ、そうなんだ」なんだかロシア人がチャイコフスキーを聴いている、と言われてしまうと何も言い返せませんでした。しかしクラシック…?うまく切り返されてしまいました。

さて、その後インターネットのリソースをいくつも検索してみると、一概に仕事中に音楽を聴くことは決して悪いことではないこと、これは確かなようだ、と学び目から鱗が落ちました。詳しいことは専門家の方々の見解を参照するとして、ここで大切なことは自分が常識と思ってきたこと、それが決して正しいことではない、ということ。音楽を聴こうという気持ちになる外的要因も知る必要がありそうです。オープンスペースで仕事をしているので周りの音がうるさくて集中できないのかもしれません。単純作業の繰り返しが多い経理スタッフは、仕事にリズムを付けるため、モチベーションを維持するために自分のお気に入りの音楽を聴いているのかもしれません。音楽を仕事中に聴く=悪。こんな常識を取り除き、ゼロベースでなぜこれがダメなのか、いや実は効果的なケースもあるらしい、それはどんな時なのか?さて、うちの状況はどうなのだろう、そんな風に柔軟に考えてゆくときに部下のロシア人と分かり合えるときが生まれるはずです。そしてこちらも新たな価値観を学ぶことができ、相手も上司に分かってもらえたことを喜ぶはず。

ロシア人スタッフの中にも音楽を聴いて仕事をするのは効率が悪い、と考える人がいるでしょうし、大切なのは許される範囲での個人に合った仕方での業務の結果を最大限にできる方法を発見すること。企業によってもオフィス文化の違いがあります、オフィス内で何が議論されているのか把握できるので全員がオープンスペースに座って交流できるオフィス。管理スタッフは事務職で静かな隔離されたスペースで仕事をするべきだ、という会社のオフィス。フリーデスク制度の会社(あくまで私の周りにいる多くのロシア人スタッフ曰く、フリーデスクは嫌だ、という人が大勢を占めます。机の周りをある高さで仕切りに囲まれている、そのスペースが自分の大切な個人の空間だからのようです。友人との写真や旅行の時に購入したであろうポストカード、中にはイコン(聖書にまつわる聖人やイエスキリストなどの人物が描かれた聖像)を飾っているスタッフもいます。1日の最低1/3の時間を過ごす場所。やはりそれだけ職場の自分のスペースを確立することは重要なことかもしれないですね。

さて、今では私も(滅多にありませんが)音楽を聴いて仕事をすることもあります。それは例えば、かつての職場ではほぼ無かった業務、定期的に発行している会社情報誌を作っているとき、残業中に疲れて少しリラックスして残務にとりかかる際に一時的に聴いたりするとき。いずれの場合にしていも、集中して取り組む業務の際は、やはり音楽無しが一番なのは間違いないようです。それもまた、あくまで自分の業務内容だからそう言えることかもしれませんが、自分と向き合って、何が生産性向上のために必要なことか、それは自分だからなのかもしれず、他人に同じ常識を押し付けないこと、部下の様子をみて会話してその人を観察し自分の価値観も伝えてお互いの理解度合を高める。そんな地道なステップが部門全体のパフォーマンス最大化への歩むべき(歩まざるをえない?)道なんだと学習しています。

イヤフォンを付けて仕事をしているスタッフで唯一の難点は呼んでもなかなか答えてくれないこと。ロシア人スタッフ通しでも向かいの子が長い定規を使って仕切り板をトントンと叩いて、「こらっ、何度呼んだらすむの!」と怒っている光景に思わず微笑んでしまいます。

Author: Author

ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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