ロシア人スタッフが言うことを聞いてくれない? / If Russian colleagues don’t listen to me?

モスクワ市内にあるマクドナルド内にて。大きなタッチパネルでオーダーしています。カードで支払いを終えて、レシートに印字された番号がカウンターのモニターに表示されると自分の注文したものが準備できた印です。日本よりもずっとキャッシュレスが進んでおり、大変便利です。とある方がおっしゃっていましたが「情報統制国家になればなるほどキャッシュレス機能が発達しているのだ」と。カード使用履歴から人の行動がすべて把握できるので、確かに指摘の通りかもしれません。

自分の思い通りに物事が進まないとき、ロシア人スタッフが自分の考える通りに行動してくれないとき、どれだけそれを許容できるか、これはもう一生のテーマでしょうね…。

役職からすれば、自分の立場はロシア人スタッフよりも上。彼らは私の指示に対して、こちらが要求するとあればすぐに回答を出すべき。まだ出来ていません、という回答は許されるものではありません。実際にそう言いたくなることも多いですが、そう言ってしまうと決してうまくゆきません。

ロシア人という国民性はかつての帝政ロシア時代、現代においてはPutin大統領のような強い権力者がいて彼らが出す命令に従ってただ行動することを好む。自分で考えることをしたがらない、という話を耳にすることがありますが、それでは自分自身が弱弱しいから部下は従ってくれないのか?いや、むしろ、上司が頼りなくひ弱な人であれば誰がこんな上司についてゆきたいと考えるでしょうか?上司はリーダーシップを発揮するにしても、サーバントリーダーであるにしても部下を導いてくれるという意味で強力な人であるべきなのは万国共通のはずです。

ロシア人スタッフだって色々考えています。それががっかりするレベルであるとしても考えています。もっと考えてくれ!と言いたくなるとしても、根気よく自分が彼らのモデルとなって行動してゆくこと、そして一人でも多くの“フォロワー”をロシア人スタッフの中に作り上げてゆくことが大切なんでしょう。しかしながら、そんなに悠長にスタッフの成長を待っている時間がないのが事実なのですが、それでも一歩ずつ着実に階段を上がってゆきたいです。

長く使用している来客用のカップ、お菓子の出し方、器の変更ができるのではないか議論したことがありました。そんな小さなことでもいざ観察すればもっと違うデザインの器にして印象を変えることができること、自分がお客さんの状況であればどんなお茶の出し方をすると喜ぶだろうか、他社ではどんな風に来客のゲストをもてなしているだろうか、考える要素はいくつかあるでしょう。そのようにちょっとしたことでも、日頃目にする当たり前の日常のことでも考えるよい機会になるのではないか、そう訴えたかったのです。しかし、今でも時に言われるのですが、「XXXsanはあのときお茶の出し方云々どうしようもないことを話すだけで1時間は使った、なのにもっと大切な給料の話にはほとんど時間を割いてくれないじゃないの!」と。言葉足らずでも、もっとお互いの意思疎通がまだまだ必要なようです。

一般的に、世の中のハウツー本では、スタッフが言いたいことを言える雰囲気作りが大切と言われます。その通りです。でも、本当にそれが行き過ぎると今度は皆が疲弊します。みんなが自分に発言力があると思い、思い思いのコメントを言い続け、マネジメントが下す決定にも反対を言い出すようになるとどうでしょうか、収拾がつかなくなります。どこかでバランスが必要です。お互いに自分の持つ「限度のある自由」を理解すべきです。私も「みんなもっと声を大にして自分の意見を述べてくれ、ウェルカムだ」と言いますが、その一方で私自身の意見はすでにあるわけで、彼らに意見を述べられたところで自分の意見と相違した意見が大半を占めてしまうと、今後は自分を苦しめることになります。

社長がYesmanで固めることはよろしくない、社長に言葉を申すような人を周りに置くことが大切である ― これがハウツー本で見る多くの意見だと思います。しかし、自分でマネジメントをしてゆくと、むしろYesmanで固めることの効用も分かってきます。私としては、むしろそれは一つの正解であろうと考えるようになりました。Yesmanで固めることがなぜよくないのか?人間は弱いので自分だけの考えではぶれてしまい正しい回答を見いだせないこと、Yesmanも自分の意見に同調するので誤った方向に会社と社員を導いてしまう可能性があるからでしょう。そんなときに自分に意見をしてくれる人間がいるのは確かに重要です。

しかし一方で、リーダーが全員を正しい方向へ導ける能力を持っているとき、国や会社が非常事態の状況に陥っているとき、有能な独裁者に先をまかせて何が悪いでしょうか?(独裁が危険というのは、どんなに多くの素晴らしい独裁者としても、最後まで正しい判断のもとに民を導く力が限られているからだと思います。)そんなとき、独裁者は自分の周りにいるYesmanを使って迅速に自分の意思を実現させてゆきたいと考えるのが自然でしょうか。

話が脱線しましたが、自分の考える通りに進まないとき、どれだけ自分自身が怒りを抑えられるか、まずはそこがスタート。そこでポロっと以前から潜在的に溜め込んでいた不満を口から出してしまうか、嫌味のたっぷり詰まったメールを書いて送信してしまうか、本当にそこがすべてと感じています。スタッフを評価する際に気を付けるべき「ハロー効果」。どんなに頭で分かっていてもいざというときにはそれが如実に、無意識に表れてしまう、その事実も感じています。マネジメントというのは大変目に見えにくい、数値化しづらい、何とも形容しづらい人間力を試される一種の特殊能力なんではないか、そうも思えてきました。

さて、日系企業という、ロシアでは外資系企業にあたる会社であるがゆえにロシア人スタッフはより自由を感じて自由な発言を行うこともあるのかもしれませんが、この自由な発言が出てくるというのは国にしても会社にしても、成長していることの証拠といってよいのかもしれませんね。

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ロシアのモスクワにある日系企業の管理部門に7年間勤務した後、現在は日本で働く会社員です。モスクワでロシア人と一緒に日々仕事をする中で、私たち日本人が経験するアドミ業務についての情報、課題、考えなどを少しでも多くの方々と共有したい、アドバイスをいただければ、と思いブログをはじめました。 経理、労働法や人事制度の仕組み作り、ITスキルを応用した仕事スキル向上、EAC認証などの幅広い管理課題に取り組んでいます。 とりわけチームビルディング、部下とのコミュニケーション、モチベーションアップ、という課題は世界共通だと認識しています。そんな話題も中心テーマの一つです。

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